『私の百合はお仕事です!』未幡著 百合分というよりは、疑似姉妹制度に憧れがあるのかもなーと思った。

私の百合はお仕事です!: 1 (百合姫コミックス)

評価:未評価
(僕的主観:★★★★4つ)

仲谷鳰さんの『やがて君になる』が、そろそろ電撃で最終回ですね。ペトロニウス的には、百合分が足りなくて、最近どうしようと悶々としていたのですが、未幡さんの『私の百合はお仕事です!』を見つけて、尊い気持ちになっています。てれびん君に、おすすめされたんだっけかな?。ふと振り返って、今野緒雪さんの『マリア様がみてる』と『やがて君になる』、『ななしのアステリズム』、『桜Trick』とか、いろいろあるけれども、自分の中で、一番見たいのは、やっぱり『マリア様がみてる』の「スール」制度なんだよなぁ、としみじみ思う。いといろ在り方はいじっているけれども、シュヴェスター(疑似姉妹制度みたいなもんかなぁ)がいい味を出しているよなーってしみじみ思う。たぶん、男女関係なく先輩後輩に、ある種あこがれが凄くあるんだろうと思う。日本社会では、パワハラ著いじめの温床にしかならねーなという現実は見えつつも(笑)。とはい、まだ5巻で途中ですが、この辺りに挙げたものが好きな人は、とても尊い気持ちになるので、おすすめです。哲学さんにおすすめされて『かげきしょうじょ!!』もめちゃいいんだけど、こっちはやっぱり面白さのコアが、『ガラスの仮面』的な成長の物語なので、そっちに軸足があるので、面白さのコアが少し違うかなー。最近『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』『色づく世界の明日から』とかの青春がキラキラしている系を見ていたり考えていたので、そっちのテイストとだなぁと思う。このへんは、「もう来ない夏休み」みたいなもので、キラキラする学生時代の青春が全く経験がないので、見ていると、とてもと尊い気持ちになって、こういうありえたかも、の世界にぐっときます。こういうのを吐き捨てて嫌いにならなくて、尊く見れるのは、悪くない大人になれたなーとほのぼのする、アラフィフのおっさんです。


かげきしょうじょ!! 1 (花とゆめコミックス)


ちなみに『かげきしょうじょ!!』めちゃおすすめだよ!今度哲学さんとラジオやろうよ!といっているくらい、はまっています。そういえば、最近、風邪ひいて(家族全員ぐるっと回ってる)咳が止まらず、何かをこつこつやったり、勉強したりする気力が失われた結果、kindleに黙々と課金して、意外に最終巻迄一気通貫で見ていないものとかをこつこつ見ています。量を追いもとめているのと、最新話まで追い付いた後、待っているうちに忘れてしまって追いつけなくなったりするのが結構ある。『マリア様がみてる』35巻で「祐巳・祥子編」が終わっているんだね、、、これ追えていなかった。これは、いかねば。いやーなんというか、いつも無様をさらしているよ。でも、こうやって立ち止まったというか、もう疲労して何も考えれねーというようなときは、振り返って、好きなことに耽溺するのはいい機会かも、と思う。


えっと、白木陽芽と矢野美月の二人の話かなと思っていたんですが、3巻以降からぐっと、知花純加と間宮果乃子の二人の話にフォーカスされて、やっぱり群像劇とまで言は行かないけれども、複数人に魅力が出てくると、関係性がぐっと複雑になっていっていいよね。陽芽ちゃんと、周りの承認というか、外づらばかり気にしている小者的(笑)に思えたんですが、矢野さんにしても、果乃子ちゃんにしても、ほとんど意識せずに口説き落としていますよね(笑)。いやーこの子、大物だわ。結局ねぇ、他人の評価だけを気にしているようなアダルトチルドレン的な振る舞いしてても、なんというか器って、でちゃうんだよなーってしみじみ思います。この子は、核心というか、ある種の心の強さの上で、それを選んでいるので、色々なことがあろうとも、結局乗り越えられるだけの心の強さがあるんだろうと思うんですよね。だから、その本質の部分を見ちゃうと、空気を吸うように回りが口説き落とされちゃう。あーなんか『放浪息子』のにとり君を思い出す。彼は、それが極まったキャラですけどね。空気を吸うように、次々に美少女を口説き落とす女に子になりたい女装の少年(苦笑)。
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いや話がずれたけど、なんというか、最初から、どのみち他人中理解される必要ないとかこじらせておきながら、次々に、矢野さん果乃子ちゃんを毒牙にかけちゃうのは、本質的に、彼女が陽性で、健康な子だからだよね。これ、普段とのギャップ見せられたら、たまんないだろうなーと思うよ(笑)。うーむ、ええ子だ。『彼氏彼女の事情』のゆきのんを思い出すけど、性根が正しい子は、何をしても救われちゃうというか、苦しいことを乗り越えるんだよね、自分の力で。逆を言うと、性根というか根本にマイナスを抱えていると、なかなか壁を乗り越えられない。。。厳しいのう。まぁ、それも人生なんだろうけど。果乃子ちゃんとか、だいぶやばい人だと思うんだけど、、、、純加みたいな人に出会えるかどうかってのも大きいよなーと思う。出会えたのも、一歩踏み込めるのも、ストーカーのように陽芽につきまとっていたからで、、、何がきっかけで人生変わるか、分からないよなぁ、としみじみ。


なんだろうなーーーうーむ、相手の心に接触できるとでもいおうか、こういうの尊いというかいいよなーとしみじみ思う。だって、50年近く生きてても、そういう出来事って、本当に少ない。ましてや、学生時代は皆無(ふつうは逆なんだろうけど)だったしなー。社会人になったり、年齢を経ると、こういう赤裸々に河原での殴り合い的なことって、出会えなくなると思うんだよねー。失うものが大きすぎて、こんな赤裸々にしゃべったり、行動できない。青春っていいよねー。ふと、自分の子供たちの会話を見ていると、こういうのを垣間見れるときがあって、ニマニマしてしまう。若いっていいよねー。自分は若い時いい思い出がないので、若くなりたいとか全く思わないけど、青春の世界でいろいろ幸せそうに(しんどいとは思うけど)しているのを眺めるのは、幸せだなーとしみじみ。いや、思考がおっさんだ苦笑。


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『プリンセス・プリンシパル』 (Princess Principal) 2017 橘正紀監督 シャーロット王女が、革命がおこるほどの矛盾を抱えるアルビオン王国をどう変えるかが見てみたい

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評価:★★★☆3つ半
(僕的主観:★★★☆3つ半)


■アニメを何の基準で選ぶか

いつものごとく風邪ひいて弱っているので、ずっとアニメ見たり漫画見たりして、何とかつらい日々をやり過ごしています。ちなみに、めちゃくちゃネタバレなんで、ネタバレ気にする人は、読まないでください。

これ銀鷹さんとレスター伯爵に紹介されて、最初だけ見てて見れてなかったんだけど、アマゾンプライムになっていたので、一気に見てみる。いまいくつか一気にアニメを見ようとしていると、1)「見るに堪えない演出」のものと、2)「水準を超えてはいるけど。。。。」と、3)「観はじめたら逃げられない」の3つくらいに、物語って分けられるんだよなーとしみじみ思う。1)になるのは、けっこう珍しくて、たいていは、2)-3)の間ぐらいになると思う。なので「その中で」何を選ぶかって、難しいよなーと思う。だって、FGO(ゲームね)でも、映画でも、旅行でも、選択肢は多様にあって、そのなかでわざわざ、というのは、いつも難しい。まぁ、最後は、やっぱり友達に紹介されたというのとタイミングだけだなぁ、とは思う。とても難しいのは、「意義ある視聴」とでもいおうか、批評というか文脈を見るには、ほんとうは、すでに価値が認められた過去の作品を(見ていないのが山ほどある)こつこつ見るべきで、その情報は物語マインドマップでも何でもあるので、そこに行くべきだとは思うんですが、新しいのや自分の癒しのためだけに見るものがないと、それはそれで、苦しくなってしまうんだよなぇ。けれども、「新しくて話題になっているもの」と「自分の好きな癒し」のものばかり見ていると、世界観がアップデートされないというか、どんどんただ単に「強度が上がる」のを求めるだけで、飽きてしまって、最終的には自分の感性を磨滅させる気がするんですよね。なので、それなりの比率を、意識してふらないとダメなんだけど、、、というお話。時間が足りないというよりは、「エネルギー」が足りないって感じがする。というのは、見る時間をひねり出そうとすることは、いくらでもできると思うんだよね、、、、仕事で追い詰められている時ほど、コツコツ膨大な量を見てたりするんで、、、。いかに「新しいこと(見ていないタイプにトライする)」「古典を勉強しなおすこと」みたいな、自分にとって安楽なコンフォートゾーンから出ることが、人間にとって、常に難しいかというお話。


■スパイもののエピソードで構成するか、全体を統合する軸を置くかどうか?

という中で、ちなみにいうと、こういうスパイもの系は、僕はあまり好きではないです。この作品は『カウボーイビバップ』とか『ルパン三世』とか、あれらは、僕の好みとかぶっ飛んで、傑作ですが、各1話毎に完結するような演出をするものは、好みじゃないんです。なんというか、個々のエピソードが、大きな幹ににドラマトゥルギーに接続していくダイナミズム見たいのを見たいという思いがとても強い。とりわけ、アニメの1-2クール(12-24話)くらいのもので、SFチックで、大きなテーマを持つものが、僕は凄い好み。それと、凄い外れるんですよね。


ただね、これ全部見終わって、やっぱり、「そこが見たかった!」と思うのは、最終の数話半だよね。この作品、背景の政治構造を、これでもかって考えていて、それが各エピソードに奥行きを与えている。スチームパンク的って言われそうな感じだよね。この構造でマクロの大きなテーマって、アルビオン王国とアルビオン共和国の、革命が起き程の国としての矛盾を「どう解決するか」になるだろうし、その場合、メインキャラクターに、アンジェとシャーロット王城がいる限り、


第2話でシャーロット王女がいった「女王になってこの国を変える」という言葉


これが、すべてだと思うんだよね。さらに言えば、どうやって、それをなすか、という話。


けれども、スパイのエピソードで各独立した演出にしているので、「具体的にどんな矛盾を」「どのような手段で解決するか」が描かれていない。というか炙り出されていないし、メインターゲットで演出していない。理由は、たぶん監督が12話では、これをやり切れないとぶった切ったんじゃないかと思うんですよね。でも、僕は「そここそ」が見たいし、その軸があるからこそ、あきらめずに、ずっと待ってて見た感じ。その続き?が、映画でされるようなので、そのあたりは、よかった、とほっとしている。この物語の構造ならば、まさに「それ」が見たいんだよ、と思うので。アイテムについては、いろいろある。ケイバーライトという物質の独占が問題なわけであって、これをどうするのか?という、本来は、その「何が解決されるべきか」という「問題の構造」が明らかになっていれば、それを軸に各国のスパイ合戦の重みが出てくるわけで、、、そこまで明示的ではないので、この辺は惜しいなぁ、と少し思う。


とはいえ、映像、演出、全体の軸を期待させる脚本構造、誰にでもすすめられる!というには、もうひとひねり欲しいけれども、アニメファンならば見て損はなしで気のいい作品です。




「プリンセス・プリンシパル Crown Handler」第1章 特報