アフリカ系アメリカ人の物語系譜

『ルース・エドガー』『WAVES/ウェイブス』『THIS IS US』を通してみる現代アメリカ社会の最前線

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★星5つ傑作!)どちらも、黒人の高校生のお話。映画としてすごくよくできているサイコ?とまで言はいかないスリラーなので、面白いです。他のブログで「魔少年or魔少女もの」、いいかえれば保護者の親が「この子はいい子…

BLMを語るときにその背景の歴史をまず理解しないと

finders.me ■目の前のイシューでだけ考えないで、背景の構造をまず共有してから議論しないと 自由VS 法と秩序という図式で、極右と極左の構造で、この問題を見てしまうと、トラップ(罠)にはまるといつも思う。もちろん、大枠はその補助線なんだろうとは思う…

The Capitol Hill Autonomous Zone (CHAZ)って、もうGeorge Floyd protestsと関係ないよね、これ。

累積感染者数トップ12。NY州、NJ州、IL州の三強を脅かす州はないと思ってたけど、いつの間にかCA州が2位にのしあがっとる。 pic.twitter.com/gipY5sAm0W— yoͥ̊̈͋͌̆͑s̔hͯ̓͐͌ͬ́̈́̅il͆͂͋ͧͬͮo͌ͧ́ͮ̂͒̏̆̎̑̓̽̓gͫ̔̓͊͐̌ͦ (@yoshilog) June 26, 2020 本日は、6月26日の…

『13th 憲法修正第13条』 (2016) Ava DuVernay監督 systematic racismとは?

2020-0605【物語三昧 :Vol.54】Ava DuVernay監督『13th 憲法修正第13条』システマチックな差別とは?-59評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★星5つ) Twitterですすめられてみたネットフリックスのドキュメンタリー『13th 憲法修正第13条』。いま無料でYou…

平和的なデモのやり方

2020/6/3の水曜日。 先週の25日にミネアポリスでGeorge Floydさんが殺されてから、10日ぐらい過ぎているのに、全米ではプロテストの勢いは増すばかり。2017年のミズーリ州のマイケルブラウン事件(ファガーソン事件)の時は、ロサンゼルスのダウンタウンだけ…

「アンティファ(Antifa)」ってなんだ?

1日の『ABEMA Prime』に出演した町山氏は「年齢や人種が完全に入り混じっているが、大きく分けて3種類の人たちがいる」と話す。 「一つ目は“プロテスター”(protesters)と呼ばれる、黒人への暴力に抗議する人たちで、僕の映像に出てくる、警察に訴えかけて…

暴動なのか抗議行動なのかの二項対立は、物事を単純化させる。

今SNSにアメリカでの黒人差別に関する多くの動画/写真が流れてる中で、自分が最も力強いと感じた、それぞれ世代の違う3人の黒人が話す2分弱の動画に日本語の字幕を付けました理不尽な社会に生きる彼らの発する言葉ひとつひとつの重みを、英語を日常で話さな…

全米中に広がりを見せるGeorge Floyd Protests

petronius.hatenablog.com続き。昨日からの少し、残しておこうとメモメモ。2020年5月31日(日)。ロサンゼルスは、夜間外出禁止令(Curfew)をガルセッティ・ロサンゼルス市長が発令。おお、ガチのCurfewだよ!。この表現使って、それはStay-at-home-ord…

2014年のマイケルブラウン事件の広がりを思い出させる

George Floyd Protestが広がっている。2020/5/28にミネソタ州Minneapolisの白人警官Derek ChauvinによるアフリカンアメリカンのGeorge Floyd殺害をきっかけに。昨日、在ロサンゼルス日本総領事館からのメール。 1 本日(5月29日)及び明日(5月30日),午後5…

フォレストガンプと大統領の執事の涙を同時に見よう!

先日、町山智浩さんの映画塾を聞いていて、フォレストガンプの評価がとても興味深かったので、お勧めです。フォレストガンプのモヤモヤしていたところが、すべて取り払われたような気がして、とても面白かった。 1950年代:順応主義・コンフォーミズムの…

『グローリー/明日への行進』(原題: Selma・2014)Ava Marie DuVernay監督  偉人すぎるキング牧師の実像に踏み込み、米国の今を告発する作品

客観評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ) ■見るべきポイント-1〜ジム・クロウ法の具体的な運営方法まず最初のシーンに、強いセンスオブワンダーを感じた。というのは、ある黒人の女性が正装して、強い意志をもって、公的機関の窓口に出向き、延々と、ア…

『42 世界を変えた男』(2013 USA) ブライアン・ヘルゲランド(Brian Helgeland)監督  暴力ではなく、耐えることによって共感を生み、世界を変えていく戦略

客観評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ)アフリカ系アメリカンの素晴らしい映画が、オバマ大統領の登場以後、頻出している。そこを注目すると、アメリカの動きが強く感じられる。なので、探しては見るようにしているのだが、町山智彦さんのラジオでの紹…

『Straight Outta Compton(2015 USA)』 F. Gary Gray監督 African-American現代史の傑作〜アメリカの黒人はどのように生きているか?

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★5つ)■黒人初のバラクオバマ政権発足後のアメリカ社会の静かなる変容ノラネコさんが、African-American現代史の文脈で強くお薦めされたので、これはいけなければと思って無理に時間を作って見にいきました。日本ではこ…

『Lee Daniels The Butler/大統領の執事の涙(2013 USA)』  アメリカの人種解放闘争史をベースに80年でまったく異なる国に変貌したアメリカの現代史クロニクルを描く

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★5つ) ■アメリカの人種解放闘争をベースに80年でまったく異なる国に変貌しアメリカの現代史を描く『Lee daniels the butler(2013USA))』 邦題『大統領の執事の涙』 を見ました。アイゼンハワーからレーガンまでの7人…

『それでも夜は明ける/12 Years a Slave(2014 USA)』 Steve McQueen監督 John Ridley脚本 主観体験型物語の傑作

評価:★★★★★plusα星5つ傑作 (僕的主観:★★★★★plusα5つ) 2014年米アカデミー賞の作品賞。鑑賞後傑作だ、と絞るようにうめき出しそうなほど魂が震える傑作。鑑賞後、魂が揺さぶられて、自分の知っていた世界が揺らいでしまうような感覚を味わうことは、な…

『ヘルプ 』(原題: The Help) 2011 テイト・テイラー監督

評価:★★★☆星3つ半 (僕的主観:★★★☆3つ半) ■内在化された物語をわかりやすくすると「単独視点の物語」になるけど、現実は絡まった物語なんだな非常に面白かった。アメリカ・ウッチャーの視点で、なるほどと思った部分がこれを見ていてあった。これまで、…