批評:Movie(USA)

『最後の追跡(Hell or High Water)』 David Mackenzie監督 Taylor Sheridan脚本 抜けられない負の連鎖の中で-フロンティア三部作

評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ)www.youtube.com2019年6月20日。やっと、仕事が落ち着いてきたので、インプット復活。『最後の追跡』(原題: Hell or High Water)2016年のネットフリックス作品。監督はデヴィッド・マッケンジー、主演…

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(Battle of the Sexes)USA 2017 Jonathan Dayton, Valerie Faris監督 当事者たちが何を抱え、何を考え、何のために戦ったのかを感じられる素晴らしい映画

評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ)www.youtube.com 『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(Battle of the Sexes)2017年のアメリカ映画。めちゃくちゃよかった。Emma Stoneが演じるビリー・ジーン・キングが、なかなかいい味を出していた。去年(2018)…

『アイ・イン・ザ・スカイ 世界で一番安全な戦場/Eye in the Sky』(USA 2015) Gavin Hood監督  オバマ政権ごろから急激に増加する特殊部隊をよく表している

評価:★★★★☆4つ半 (僕的主観:★★★★☆4つ半)Eye in the Sky(2015)。Gavin Hood監督。兵士の死傷率が上がると、すぐに戦争継続が困難になる民主主義国家では、必然的にドローンやロボットなどの遠隔操作による暗殺や戦闘が大きな潮流となっていく。ちなみに…

『They Shall Not Grow Old (2018)』 Peter Jackson  第一次世界大戦のカラー化した映像が、前線に立つイギリス軍兵士たちを現代によみがえらす

www.youtube.com客観評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ)『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督は、ミリタリーマニアとして知られる人で、ロンドンのインペリアル・ウォー・ミュージアム(Imperial War Museums)から依頼を受けて、B…

『ブリグズビー・ベア (Brigsby Bear)』2017 USA Dave McCary監督 本当のその人を知ること、受け入れるということはどういうことなのか?

客観評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ)■全体の所感先日、マル激トーク・オン・ディマンドで、宮台さんと神保さんが、絶賛していたので、これは見ないと思い立って、昨日見ました。とにかく、町山さんとか、自分がこの人は!と思う人の紹介は、思い立…

『Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(邦題:スリー・ビルボード)』(2017) マーティン・マクドナー(Martin McDonagh)監督

客観評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ)■全体の所感『Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(邦題:スリー・ビルボード)』(2017)。UnitedのSingaporeからの帰りで見たんだけど、これがダントツに素晴らしく深く面白かった。ジェニファーロレ…

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(原題: Edge of Tomorrow)2014 ダグ・リーマン監督  日本で培われた死に戻りのループもの系列の脚本のハイリウッド化

客観評価:★★★★☆4つ半 (僕的主観:★★★★★5つ) 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(原題: Edge of Tomorrow)ダグ・リーマン監督作品。桜坂洋による日本のライトノベル『All You Need Is Kill』のハリウッド映画化。評価は、ダントツの星5。素晴らし…

『世界にひとつのプレイブック』2012 USA(Silver Linings Playbook) デヴィッド・O・ラッセル監督  見ていて痛くなる映画なのだが、ラストがぶっ飛ぶほどのハッピーエンド

客観評価:★★★★4つ (僕的主観:★★★★4つ)どんな映画か?と言ったら、シャルウィダンスみたいな話、と喝破していた町山智浩さんに一票!。ちなみに、コメディーには全く思えない(苦笑)。崩壊寸前の家庭、崩壊しちゃった家庭、人生のオンパレード。それで…

フォレストガンプと大統領の執事の涙を同時に見よう!

先日、町山智浩さんの映画塾を聞いていて、フォレストガンプの評価がとても興味深かったので、お勧めです。フォレストガンプのモヤモヤしていたところが、すべて取り払われたような気がして、とても面白かった。 1950年代:順応主義・コンフォーミズムの…

『グローリー/明日への行進』(原題: Selma・2014)Ava Marie DuVernay監督  偉人すぎるキング牧師の実像に踏み込み、米国の今を告発する作品

客観評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ) ■見るべきポイント-1〜ジム・クロウ法の具体的な運営方法まず最初のシーンに、強いセンスオブワンダーを感じた。というのは、ある黒人の女性が正装して、強い意志をもって、公的機関の窓口に出向き、延々と、ア…

『奇跡の2000マイル』(原題:Tracks)2013年 John Curran監督 自分探しの一人旅が、女性にも拡大しているのだろうか?

客観評価:★★★3つ (僕的主観:★★★3つ)■あらすじ1977年に、ロビン・デヴィッドソン(ミア・ワシコウスカ)という女性が、オーストラリア西部の砂漠地帯約3000キロを横断すを横断しようとするところから物語ははじまります。彼女は用意周到に、ラクダを…

『メッセージ(Arrival)』(2016USA) Denis Villeneuve監督 世界が決定論的に決まっていたとして、あなたはあなたの人生をどう生きますか?

客観評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★星5つ)テッド・チャンの傑作SF短編である「あなたの人生の物語("Story of Your Life")」の映画化。英題は、Arrival。ちなみにネタバレです。一言でいうと、ファーストコンタクト(異星人との初めての邂逅)も…

『フューリー(Fury)』(2014 USA) David Ayer 監督 濃い疑似家族の人間関係が、物語密度を極限まで上げる見事な戦車映画

客観評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ)久々に超大作を見た、という感慨がある映画だった。超一流の戦争映画であり、その中でも難しい戦車映画という題材を見事に料理した脚本であり、そしてDavid Ayerらしく青春の喪失が描かれる青春映画にもなってい…

『美女と野獣(Beauty and the Beast)』(2017 USA)本好きのハーマイオニーが恋に落ちる瞬間を!(笑)

客観評価:★★★★★5つマスターピース (僕的主観:★★★★★5つ) ディズニーの歴史に残る傑作になるだろう素晴らしい作品でした。ノラネコさんがおっしゃる通り極上のエンターテイメント超大作。映画館に見に行く価値があると思うし、これは女性でも子供でも誰…

『ムーンライト(英: Moonlight)』(USA 2016年)  Barry Jenkins監督 アメリカのリベラルな社会の最前線〜アメリカ的な文脈で、黒人で、貧困層で、ゲイであるマイノリティとはどういうことか?

評価:★★★★4星つ (僕的主観:★★★☆3つ半)■アメリカのリベラルな社会の最前線〜アメリカ的な文脈で、黒人で、貧困層で、ゲイであるマイノリティとはどういうことか?第89回アカデミー賞作品賞受賞作品。とはいえ、個人の感想としては、面白くなかった。確…

『モアナと伝説の海(Moana)』(2016 USA) 監督ロン・クレメンツ/ジョン・マスカー 私は本当は何者かというテーマは神話的な抽象度の高い問いになりやすく、かなりの傑作だけど、僕にはいまいちだった

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★☆星3つ)■私は本当は何者か、というテーマは神話的な抽象度の高い問いになりやすい、、、、なかなかの傑作だけど、僕にはいまいちだったウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオによる56作目の長編映画。監督ロン…

『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命(英題:Jackie)』(2016 USA)Pablo Larraín監督 キャメロットという夢の日々〜理想主義は結局、何ももたらさない不安がある

評価:★★★★4つ (僕的主観:★★★★4つ) ■物語としては面白くないが、映画の完成度は高い 一言でいうと、物語として面白くない。しかし、映画としての完成度は高い。第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ、いわゆるJFKの業績…

『SING/シング(英題:Sing)』(2016 USA)監督ガース・ジェニングス  物語を見るよりは音楽を聴く映画なのだが、それを邪魔しないスムーズな脚本は見事

評価:★★★★4つ (僕的主観:★★★★4つ)素晴らしくよかった。歌のオーディション形式で、さまざまな洋楽(アメリカの歌謡曲が多い)がでてくるので、洋楽をたくさん知っている人であると、あの曲が!というような連想と懐メロの懐かしさなど、面白さが何倍も…

『インフェルノ (Inferno)』 米国2016 Ronald Howard監督 世界が滅びるかもしれない!と煽るよりは、滅びた後の方を見たいと思ってしまうのはSF好きだからなのだろうか?

評価:★★★☆3つ半 (僕的主観:★★★3つ)ダンブラウンさんは、大ファンなんですが、映像化は、どれもいまいちなんですよねぇ。小説の方が、ダントツに面白い。けれども、たぶん、小説は複雑すぎて、脚本がすっきりできないんだろうと思うんですよね。でも、…

『ローグ・ワン(原題:Rogue One: A Star Wars Story)』 (2016 米国) Gareth Edwards監督 いま僕らはスターウォーズ・サーガが歴史になっていくその瞬間を見ていることになる!

評価:★★★★★星5つマスターピース (僕的主観:★★★★★5つ) 見ている最中、見終わった後、その傑作さに、しびれました。スターウォーズシリーズ最高傑作ぐらい言われていますが、いや本当に、とてもじゃないけどスピンオフの小作品的位置づけとは思えない、…

『Zootopia ズートピア』(2016米国) 監督 Byron Howard Rich Moore 現代アメリカのリベラリズムの到達地点とオバマ政権への反動への警鐘

評価:★★★★★星5つマスターピース (僕的主観:★★★★★5つ) 素晴らしいとは聞いていたけれども、飛行機の中で見たのですが、最初の10分ぐらいで号泣していました(笑)。僕は、届かない理想に全力で頑張る姿が、とても胸に来るようなんですね。この作品を…

『The Martian(2015USA)』  Directed by Ridley Scott Based on by Andy Weir  古き良き古典SFの文脈を受け継ぐ科学至上主義と楽観主義

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★5つ)デルタの飛行機の中で見たんですが、素晴らしい出来でした。自分が着目した点は二つ。一つは、この作品を楽しむには、かなりの科学に対する知識が必要ということ。特に小説の方が、淡々と描かれているのに顕著だっ…

『STAR WARS: THE FORCE AWAKENS』(2015USA) J.J. Abrams監督  現代的かつアメリカ的な映画としてのDisneyの新しいスターウォーズ

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★5つ)■物語三昧の評価は、条件留保なしで、これは傑作だと思います!1977年の『スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望』(STAR WARS EPISODE Ⅳ A NEW HOPE)公開から、実に38年。2012年10月にウォルト・ディズニー…

『Straight Outta Compton(2015 USA)』 F. Gary Gray監督 African-American現代史の傑作〜アメリカの黒人はどのように生きているか?

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★5つ)■黒人初のバラクオバマ政権発足後のアメリカ社会の静かなる変容ノラネコさんが、African-American現代史の文脈で強くお薦めされたので、これはいけなければと思って無理に時間を作って見にいきました。日本ではこ…

ディズニーの変化からアメリカの変化の文脈を読み取る

まず価値観の多様化、あるいは価値相対主義というものが、アメリカのカルチャーを大きく変えたということがあります。要因としては、911からイラク戦争へという時代の中で、アメリカ人自身が善悪二元論の限界にようやく気づいたこと、更に善悪二元論では飽き…

『Lee Daniels The Butler/大統領の執事の涙(2013 USA)』  アメリカの人種解放闘争史をベースに80年でまったく異なる国に変貌したアメリカの現代史クロニクルを描く

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★5つ) ■アメリカの人種解放闘争をベースに80年でまったく異なる国に変貌しアメリカの現代史を描く『Lee daniels the butler(2013USA))』 邦題『大統領の執事の涙』 を見ました。アイゼンハワーからレーガンまでの7人…

『それでも夜は明ける/12 Years a Slave(2014 USA)』 Steve McQueen監督 John Ridley脚本 主観体験型物語の傑作

評価:★★★★★plusα星5つ傑作 (僕的主観:★★★★★plusα5つ) 2014年米アカデミー賞の作品賞。鑑賞後傑作だ、と絞るようにうめき出しそうなほど魂が震える傑作。鑑賞後、魂が揺さぶられて、自分の知っていた世界が揺らいでしまうような感覚を味わうことは、な…

『FROZEN(アナと雪の女王)』(2013USA) Jennifer Michelle Lee脚本監督 Chris Buck監督  無垢さが世界と世界から排除されるものを救うのか?

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★5つ) まず第一に最終評価の結論を、いいます。この作品は、脚本の構造や解釈以前に、その音楽や歌や映像が、あまりに素晴らしい大傑作なので、見る価値ありまくりの大傑作★5つです!。なので、そこは僕は特に触れませ…

『ROME』 米HBO 英BBC共同制作 人はミクロの次元で生きることが、人らしいのであろうか?

評価:★★★★★星5つマスターピース (僕的主観:★★★★★5つplusα)米HBOと英BBC共同制作はいいものが多い。2001年に共同制作した『バンドオブブラザース』は掛け値なしの傑作だった。この『ROME』もそうだが、ドラマにはその国の文化や世界観というか、生…

『ハンガー・ゲーム2/The Hunger Games:Catching Fire』 Francis Lawrence Director  現代アメリカをカリカチャライズした物語〜日本的バトルロワイヤルの文脈とは異なる文脈で

評価:★★★★星4つ (僕的主観:★★★★plusα4つ)スーザン・コリンズの同名ベストセラー小説を原作とするジュブナイル小説の映画化第二弾。前作は、日本では興行成績が振るわなかったり、あまり評価の高いレヴューは見ないようなのだが、僕は非常に安定した秀…