『スクールランブル』 小林尽著 感情のほとしばり〜ああ作者はこれが書きたかったんだなー


先週273〜4まで重い話が続いている。先週の、烏丸の独白で、ふと思ったんですが、これってこの人の作風からいうと、言葉にしちゃいけないものなんですが、それが思わず出てしまった・・・というのを、延々このギャグ漫画を続けて、はずしてはずして(なんというか結論をはずすところに彼の作風がある)という変化球を投げ続けた最後の最後で、全力のド直球という感じで、ああほんとうは「これ」が書きたい人なんだろうなーと、、、あのね、感情のぶわっと出るほとしばりって、とても周りの人にはうざいんですねよね。ましてや、個人の主観の絶対化を非常に嫌ういまの世代の流れからすると・・・小林人の最初のころの作品を見たときに、この人って、実は、ベッたベタなベタな人なんではないかな?と思うのですが、それをはずしてはずしてという作風を使うようになって、、、、世界をそうやって斜に構えて見るようになって、そこではじめてこのようなストレートが深い味わいになったんだな、って気がします。ずっと、ずっと正しい形でこの世界に感情移入していた人にとっては、なかなか言葉では言いにくい余韻があるだろうな・・これ、と思う。ほんとうはこの作品のすべての視点は・・・究極のこの作品の神の視点は、烏丸だったんだなーと、うまくいえない感じで、なんとなくそう思う。

School Rumble Vol.1 (1) (少年マガジンコミックス)School Rumble Vol.1 (1) (少年マガジンコミックス)
小林 尽

講談社 2003-05-16
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools