日本の企業は戦略の意思決定が不透明な感じがする〜いったい何を求めているのかがよくわからない、、、質が低いだけなのだろうか?

もし、方針は鎖国維持と決まっていて、「アップルさんがおとなしくウチの出入り業者に収まるつもりなら売らせてあげてもいいよ」という意味での交渉だったら、(開国折込済みの)ソフトバンクに取られた時点で、鎖国モデルの優位性をアピールすべきだと私は思います。

つまり、「当社としてお客様に責任あるサービスを提供する為の基本的な方針があって、その点についてどうしても考えが一致しなかった」みたいな感じ。素通しの土管になって、サービス全体をトータルにコントロールすることを放棄したソフトバンクを、暗に批判するようなメッセージを発して「安心して使えるのは『出入り業者』をしっかり管理監督しているドコモです」ということを訴えておくべきではないかと思います。


□ドコモはアップルの出入り業者になる覚悟があるのか/アンカテさんより
http://d.hatena.ne.jp/essa/20080607/p1


うんうん、これは言えるかも知れない。なんというか、意思決定の自明性が良く伝わらないんですよね。日本の企業はそういうところが多い。この場合、i-phoneを武器にビジネスモデルを自分の都合のいいように組み変えようとするアップル社の攻撃に対して、どういっカウンター戦略で臨むか?・・・・とすると、選択肢は鎖国による現ビジネスモデルの厳守か、開国による新しいビジネスモデルの提案という戦略方針しか、普通に考えて出てこない。もちろん、第三の道を探せたら、それはそれで素晴らしいが、まぁビジネスに王道以外はないですよね。とすると、いったいどんな戦略方針で臨んだかが、それがよくわからないんですよね。

なし崩し的に状況に流されていく結果となりそうですね。

なお、このエントリに書いたことは「ドコモにとって」という視点で思うことです。

一ユーザとしては一刻も早くiPhoneを使いたいけどキャリアはどこでもいいし、一日本人としては「無闇なオープンソース礼賛」「無闇な自由競争礼賛」です。


□ドコモはアップルの出入り業者になる覚悟があるのか/アンカテさんより
http://d.hatena.ne.jp/essa/20080607/p1


うん、でもねー新しい商品を武器にビジネスモデルの変革を迫るアップルの方が、少なくとも世界中の人種にとっては価値があると僕も思うんですよ。日本の資本にとってそれがいいか、日本の今後の技術戦略にとってそれがいいか?という戦略の次元では、確かにいろいろ考えてしまいますが・・・・・あまりにアップルの厳しい交渉で追い詰められる日本企業の話ばかり聞くので、、、、まぁ日本人としては弱いものにシンパシーは感じますが(笑)、しかし、やはり世界の潮流に乗りきれていないのは、ダメだと思う。それは、消費者としてはすでにグローバルシティズンたる僕ら都市の市民にとっては、鎖国系のビジネスモデル維持は、日本の会社にとってハッピーであっても、日本の消費者にとってはアンハッピーでありやすいので、いやだなーと思います。僕も、やはりベースには、「無暗なオープンソース礼賛」「無暗な自由競争礼賛」に賛成ですねー。そこに賛成しておかないと、何が守るべき価値の基本かを見失ってしまう気がする。これだけの、多国籍で巨大な企業が一極集中して独り勝ちする時代では、レイヤーの奥深くを抑えられてしまうので、1)その一元支配による全体主義的な環境管理型の権力にどう抗するか?という命題と、同時に、2)一極集中してコストが劇的に下がり劇的なユーザーインターフェイスでのコンビニエンスの提供という部分をどうバランスをとるのかってのが、来るべきグローバルな市民社会での問題点であって、それが民族資本ごとにブロックで完結するなんてことは、ありえないし、あってはならないと僕は思うんだよねー。やっぱそーすると、、「無暗なオープンソース礼賛」「無暗な自由競争礼賛」になるなー(笑)。やはり。



私の感覚としては、ドコモでアップルとの交渉に携わる人は、この3冊くらい読むか、同等の情報を頭に入れてないとおかしい(本業だったらこのレベルを基本として応用編としてもっとインサイダーの詳しいこと知ってて当然もしくは自問自答してそれなりの反論のロジックを持ってて当然)と思うのですが、そういう感覚が特殊なのかもしれないと感じました。

□「一般人」のドコモ社員は「パラダイス鎖国」を読むか/アンカテさんより
http://d.hatena.ne.jp/essa/20080607/p2


僕も、なんかソフトバンクに負けてまいった、みたいな感じの印象の報道が出てくると、いったいドコモはどんな戦略的判断をしていたわけ?と不思議になってしまうんですよね。日本の大企業は、本当に「顔」が見えない。意思決定が良くわからんのですよ。・・・僕も、交渉に臨むときは、背景からインサイダー情報までありとあらゆるものを揃えて、戦略案や問答想定をシュミレートしているので、、、普通それってするだろ?みたいな感覚があるんですよね。僕ごとき担当レベルでさえ普通にやるのだから、ドコモのような巨大企業のそれも大戦略方針の交渉でそれを担当官がしていないとは、、、思えないんですがねぇ。


もししていないとしたら、それはあまりに交渉担当者や交渉担当の取締役が間抜けだし、質が低すぎる。どっちなんだろう?。1)本当に担当者の質が低いだけ、なのか2)日本的意思決定のあいまいさで不透明になっているだけ、のどちらなんだろう?って思います。あまりに反応がへんだもの。外部に出す印象操作の情報があまりにちぐはぐで。



こうやってブログを書いたり、Twittermixiを使ったり、またははてなアンテナRSSリーダーで情報を集め、気に入った記事があればはてなブックマークに登録するなど、気ままにネットツールを利用していますが、こういうのを当たり前に使っていると、一般的な世界とは認識が離れていくもんです。使っている人にとっては当たり前のツールでも、知らない人・使わない人にとっては「なんじゃそりゃ」です。「自分の常識は、他人の非常識」であることは珍しくありません。

□一般人はそこまでネットを使わない/タケルンバ卿日記さんより
http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20080605/p2


うん、そういった情報格差・・・デジタルデバイド(古い言葉だ(笑))って確かにある気はする。それと、


ブログは書くものではなくて読むもの
正直言って、ブログを書いてる学生は少ないです。ブログは人が書くものであって、自分はそれを読む側である。面白いブログを読めればいいというのが一般的なようです。

ブログをやっているのが珍しいわけなんで、彼らにとってはブログのために名刺をつくったり、ネタ集めをしたり、体を張ったりするオレみたいな人種はかなりの希少種に見えたことでしょう。珍しい生き物なんだから、もうちっと大切に扱え! >後輩

□一般人はそこまでネットを使わない/タケルンバ卿日記さんよりhttp://d.hatena.ne.jp/takerunba/20080605/p2

こういう・・・・情報に関する姿勢の差は、、、確かに思うところがある。「発信したがりの人」と「ただコンビニエントに受け身で読めればいい」という層は確実に分かれそうな気がする。これが個人であるのはもちろん、それは、市民社会なので、なるようになって落ち着けばいいのだが・・・・企業がその戦略方針や交渉レベルで、前へ出て情報を集めて・・・というような作業をしないような文化があったとしてら、、、ちょっと個人的には信じれれないが、、、日本企業は死ぬほど内向きだから、それはあり得るかもな…とか思います。



参考記事

iPhoneを取られたドコモの混乱/アンカテさんより
http://d.hatena.ne.jp/essa/

□世界を相手に考えるスケールを持つことは、今後の人口が減る日本では必須
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20080606/p3

□iPhone、ソフトバンクを選んだわけ
http://www.asahi.com/business/update/0605/TKY200806040323.html?ref=rss

□第105回“惨敗”PCメーカーに残された道/大前研一
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/108/