シュナイゼルが最も正しい道を歩んでいるのか?、神殺しのストーリーとの整合性とは?


TURN 15 『C の 世界』
TURN 14 『ギアス 狩り』
TURN 13 『過去 から の 刺客』


13話でシャーリーが死んでしまって、、、正直云って、ショックで書けなかった(苦笑)。というか、シャーリーを物語から退場させるということは、ルルーシュが個人的に救われることを不可能とさせてしまうドラマツゥルギーに突入するので、なんというか物凄い物語が飛躍するんですよね。


いや、えっとGiGiさんは、最初からルルーシュの孤独をえぐって、世界からはじかれて裏切られていく絶望を描く物語というふうに捉えていたようなので、そのドラマツゥルギーに入ったと言えばそうなので、まぁ個人的に、「帰るべき日常の世界を守る」というハートフルな物語を完全に封殺してしまったというその凄みに、おそれおののいた(感情移入したいただけに)という部分があったのでしょう。日常と非日常を対比して、日常を守るという構成は、非常によくある形式で、学園モノを描く作品の基本ともいうべきドラマツルギーで、それを潔く、取り返しがつかないレベルまで、抹殺してしまうのは、、、これは、いうなれば、ハッピーエンドを拒否したということですから。


いや、それにしても、この作品は難しい。層が多層的になっている上に、ここへきて、


1)神殺しの話


2)シュナイゼルの現実世界での権力の話


3)ルルーシュの内面を追い詰めていく話



と、今回の15話だけでも、こんなに多くの巨大なドラマツゥルギーが発生している。このどれも、一つだけで骨太の物語を形成できるほどのものだし、それが、2期目の15話で出てきても十分、さかのぼってそのバックグラウンドが形成できるってのは、、、重層的な情報にしてもほどがある。これ、はっきりいって、意味がわかっている視聴者はどれだけいるんだろう?って思います。僕だって、さっぱりだもの。・・・とはいえ、でも、魅入らせてしまう演出力というか、監督の力量は、凄まじいなとは思います。不思議な感じがしますよ。これだけ、本筋が交錯していて情報量が散乱していても、意味わかんねーとか思って、見るのが嫌になったりしないんだもの。・・・ちなみに、記憶を喪失したCCの怯えた、幼い感じが、嗜虐趣味をかきたてて、僕的には、GOOD!でした(←鬼畜)。


1)神殺しの話

これはね、僕は全然わからないんです(笑)。この系統を本格的に分析したことが、僕は実はない。興味がなかったというよりは、自分がこれを分析できるツールをあまり持っていなかったためのような気がする。この系統の関連では、前に話した、アンチスパイラルの話(グレンラガン)を追い詰めていく必要性があって、ここを集中的に一度は、考えないとなーと思うんですよ。こういうのはノリもあるので、ルルーシュが放映している時に、頑張ってみたいなーと思ったりする。


2)シュナイゼルの現実世界での権力の話

今回、たぶんこの世界になかった原子爆弾をニーナが開発したシーンが印象的だった。父親やルルーシュが、非常に非現実的な、実際のリアルのもう一段上の層のリアルで考えてもがいている時に、淡々と、地球の統一に向けて、一歩一歩地を固めている。しかも、EUに勝ちすぎないなどの、大いなる戦略の一手として、必ずしも自分の代だけで完結しなくとも、世界が、きっちり自然にそちらの方向へ向くように、非現実的な、人知を超えた力を無視して、一歩一歩、前へ進む。・・・・慧眼なる戦略家だな、と思う。これって、ルルーシュが死んでも、皇帝シャルルゥが死んでも、びくともしない現実の打ち手なんですよね。個人によって支えられているようなものではないから。いろいろな情報機関や研究施設を末端まで深く抑えていることや、次期皇帝の可能性の高い(無能が故に生き残りやすい)第一皇子を完全に籠絡しているところなど、、、これって、ルルーシュや皇帝以後の世界を完全に抑え込むんですよね、、、仮にシュナイゼルが死んだとしてさえ、この路線は動かない。うむ、やはり凄い男だな、と思う。



こうなると、皇帝とシュナイゼルルルーシュという3者の戦いになるのだが・・・その場合の、ラスボス・・・・主人公の最後の壁となって、物語を終わらせる、倒すべき敵とは一体なになるんだろうか?って思う。


1)〜3)それぞれのラスボスは、これまでのアニメーションやマンガやファンタジーでは、いくらでもあった。けど、この3つを同時に持っている作品で、しかも、その先が見えないというのはなかなかないと思うんだよね。もう少し考察をすすめてみたいと思います。