米連邦選挙委員会は25日、今年の米大統領選に関連しドイツ、フランス、英国に住む米国人の政治献金で、民主党候補者指名を決めたオバマ上院議員がこれまで少なくとも100万ドル(約1億800万円)を集め、共和党のライバル、マケイン上院議員の少なくとも15万ドルに大きな差を付けていると報告した。
AP通信が報じた。オバマ議員は先の中東・欧州諸国歴訪で、これら3カ国を訪ね、ベルリンでの演説では聴衆約20万人を集める人気を誇示した。英国に限っては、マケイン氏に寄金したのは63人だが、オバマ氏は約600人だったという。AP通信は、両議員への献金者を取材し、マケイン氏が劣勢なのは過去8年のブッシュ政権の政策への嫌気が大きいと指摘。欧州で損なわれた米国の印象の回復をオバマ氏に賭けている献金者が多いともしている。
CNN
ヨーロッパからの献金が多く集まったと言ってオバマは喜んでばかりもいられないとカカシは思う。なぜかというと、アメリカ人は往々にしてヨーロッパに比べられるのを嫌うからである。特にフランスなんかと比べて「おふらんすではこうしてるざ〜ます。それにひきかえアメリカは野蛮ざ〜ます」とやたらにフランスを引き合いに出す人間は忌み嫌われること間違いなし。フランス系移民の子孫でフランス語が堪能だった2004年の民主党候補ジョン・ケリーが、ヨーロッパで生まれ育ったテレーザ夫人と普段はフランス語で会話を交わしていると語り、ジョン・レ・ケリーなどとおちょくられて人気ががた落ちしたことは記憶に新しい。
アメリカ人の多くはヨーロッパ諸国は社会主義が行き過ぎだと感じている。アメリカをよりヨーロッパ風にしようなどという政策には脊髄反射を起こす人も少なくない。そういう文化のなかでオバマがヨーロッパに媚へつらうのはアメリカ市民にとっては決して面白くないことなのである。
オバマはアメリカの大統領としてアメリカの国益のために働こうというのか、それとも「世界の市民」であること優先させて、アメリカは二の次になるのか、ライバル候補のマケインはこの点について強く問いつめるべきである。
欧州で大人気のオバマだが、「世界の市民」をアメリカ人はどう思う?/苺畑さんより
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2008/07/post_745.html
この苺畑さんという人は、とてもリパブリカンにシンパシーがある人のように感じるのだが、このようなアメリカ市民?の視点から見ると、どちらかというと社会民主主義や共産党的なインターナショナリズム的視点が報道を支配している日本のメディアと違った風景が見えてくるので、興味深い。たぶん、アメリカの社会には、サイレントマジョリティ的に根強くこういう感覚を持った人が、たくさんいると思う。
ちなみに、アメリカは歴史的に見て、非常にフランスかぶれが強く、それは独立戦争の時に協力してくれた国がフランスだったからということに始まって、伝統と歴史がないアメリカの新興貴族たちは、こぞっておフランス的なものにかぶれたので、エリートとかスノッブとか、とにかく社会階層上、上品とか上の方であると思われるものには、フランス的なものが色濃く刻印されている。このことは、アメリカ国民にとって、フランス的なものへの憧憬と同時に、もちろん民主主義の伝統からフランス的なもの(=貴族的なもの)をスノッブとバカにするという微妙な意識を作り出している。ちなみに、ジョン・ケリー大統領候補のように、弱きもの貧しいモノの見方であるはずの民主党のリーダーには、非常に大金持ちが多いというのも、なかなか興味深い話だと思う。
さて、この記事を読んで、あーと思いだしたのは、ヨーロッパ旧大陸が、コミュニズムを馴致させたような形で、社会民主主義が非常に深く根付いていることだ。イタリアなどは、王党派という王制を復活させようとする勢力がある上に、、もともとコミュニズムがとても強い地域でなので、共産党が根強く、しかもマフィアが牛耳っているような、とても不思議な近代国家になっている。ここの政治的多様性は強烈だが、これはヨーロッパ社会の縮図でもある。
古い王制や貴族制を色濃く残し、同時に社会体制としては、コミュニズムを馴致した形での社会民主主義が「第三の道」を追及している。まぁ第三の道なんて言うものはなかったという意見も昨今は根強いが、ヨーロッパ旧大陸が、社会民主主義という名に衣替えしているが、革命志向や共産主義のイデオロギーが、社会の末端まで深く浸透して、100年以上たつ近代社会であるということは、事実なのだ。
フランスの官僚やEUの官僚たちの打ち出す、末端までリベラリズムのいきとどいたラディカルな法の打ち出しには、ときどき知るたびに戦慄する。アメリカが、同性愛や結婚形態などのが凄く保守的な地域であるのに比較すると、ヨーロッパの実験性や生活世界の多様さには、驚きくよ。ここは、たぶん住んで深くまでコミットしないとわからないだろうなーと思う。外から見てはわからないものなのだ。ああ、ここは、二度の大戦を経過して、コミュニズムを生み出した、近代のフロントランナーである成熟の旧大陸なのだ、と感心する。日本やアメリカ、北東アジアなどの、経済成長率がプラスで存在するダイナミックな発展途上地域とは、比べ物にならない世界がそこには存在する。いい悪いではなく、ある種、斜陽の果てにある社会だ。
第三の道(だいさんのみち 英語:The Third Way)とは新自由主義的な経済路線の保守党政権に対抗するために、新自由主義的な経済路線を大幅に取り入れた、旧来の社民主義の「大きな政府」路線でも、サッチャー流の市場原理主義路線でもないもう一つの道を目指すべきとして、イギリスの社会学者ギデンズなどによって主張され、主にヨーロッパの社会民主主義勢力が取り入れた政治路線の総称。イギリス労働党のブレア政権(1997年5月2日〜2007年6月27日)が最も有名である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%89%E3%81%AE%E9%81%93
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ああ・・・僕は、人生の夢の一つなのだが、数年単位で、アメリカとヨーロッパに住んでみたい、と思っている。住んで体験しなければわからないことが世の中には多すぎる。駐在も夢なんだ。自分が経験したことのないような生活が、世界が、この世界のどこかにあると思うと、ときどきやるせない思いにかられる。もっと、世界を広く深く見てみたい・・・と。バックパッカーで世界中回ったが、観光と住むのは意味が違う。・・・でもなー。個人では、そんな財力ないんだよねー(苦笑)。でも、10年単位で努力してやれば、きっと願いはかなうと思う。
ただのリーマンではなーと思っていたが、願っていたグローバルに展開する事業の担当にもなったし、こうなったらきっとアメリカで中古の飛行機を所有して(アメリカだと安いやつはカローラの中古ぐらいなのだ!年間維持費も安いし!)、ヨーロッパかアメリカに家を持って、日本と年の半分は行ったり来たりする生活が、、、老後できたらいいなーと思う。大橋巨泉かおまえは!とか突っ込まないで(苦笑)。あとは、好きな経済学や社会学を、大学で勉強三昧しながら、てきとーに論文とか書きながら大学に通うような生活・・・・ああ、、、うっとりする。
でもさーそんなに贅沢しなければ、郊外に家を持っていったり来たりすることってそれほど極端に難しいことではないと思うんだよね。そのためには、どのへんの地位とかサラリーを目指すかもおのずと逆算できるし、それよりも、妻が海外に慣れてくれるかとか、ともだちが世界中にいるかとか、そういうことを10年単位かけて準備しなければならないんだよん。難しいのは、適応だから。ましてや老後だし。けど、いまのビジネスに長く関わっている人は、世界中に親友がたくさんいる、超かっこいいスタイルで生きているから、きっとそれも不可能ではないはず。、、、そう夢見ながら、最近、疲れた体に鞭打って、今日も通勤します(笑)。ほんとうは、中国とかスリランカとかも垂涎の的なんだが・・・。クラークさんのように、、、、。
日本は、非常に豊かな国だ。ここで頑張れば、心さえ意識さえオープンに持ち、世界のトライする気持ちを持ては、驚くほどの選択肢が人生には広がっていると思う。別にこの国の中で、好きなマンガとかエンタメに戯れているのだって、18世紀以前の貴族にすら楽しめなかったレベルの楽しみを得ているんだぜ。なんて、幸せなんだって思うよ。最貧国で明日の食べ物もないような国や、内戦ばかりで殺し合っている国に比べれば。・・・・まぁ、そんな豊かな世界で、教育を受けてすら、人生の無味乾燥に絶望する人間も多いわけで、なかなか世界は複雑だけどねぇ。なかなか、人間、足るが知れないからねぇ。欲望は果てしないものさ。