EU競争法の厳格な適用は、EU域内での経済の自由化の本気度を示していると思う

EUにおける経済的ナショナリズムの再燃

「経済的ナショナリズム」という形を取るにせよ、保護主義は、欧州においても日本においても、グローバル化や経済改革の課題への適切な対応ではない。従って、相当数と思われるEU加盟国が保護主義的な傾向を示していることについて、大変残念に思う。すべての新しい環境について言えるように、グローバル化は我々に新たな現実への適応を求めるが、だからといって、グローバル化は「我々の社会に対する脅威」ではない。「防衛行動」、すなわち保護主義は、欧州を、経済成長、雇用、および我々の社会モデルの持続可能性を確保するためにまさに必要なグローバルな市場から切り離してしまうだろう。高レベルの競争力を手に入れるためには、我々はグローバルな競争のみならず、EU域内の競争および加盟国間の競争にも関心を向けなければならない。

競争から保護されている事業者は、特にその「ツケ」を消費者に回すことができる場合には、その状態がより快適であるとの錯覚に陥ることがある。また、競争力不足による結果が公的助成金によって緩和されれば、企業にとっては喜ばしいことだろう。さらに、加盟国は時に、自国の産業や金融の「名門」企業を外国の企業による買収から保護する誘惑にかられることがある。


ネリー・クルース競争政策担当委員、来日記者会見「競争政策のトピック」/駐日欧州委員会代表部
http://www.deljpn.ec.europa.eu/home/news_jp_newsobj1604.php

第140回/領有権を巡る21世紀の解決スタイル/経営コンサルタント 大前 研一氏/2008年8月6日
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/143/

http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20080822/p1


上記のEUについての記事を読んで↑上の記事を書いたわけなんだが、僕は最近EU競争法のことを少し調べていたんですが、それを凄く思い出したんですよね。このネリー・クルースっておばちゃんは、見ただけで腰が抜けそうなほど、威圧感のあるおばちゃんなんですが、この人の写真や記事をEUでのビジネスを展開している日本のビジネスマンは、頻繁に見ているはず。(あっ、でもEU代表部の写真は、うお、、、なんかすげー美人・・・。素敵なマダムだ・・・)。


それは、ここ数年来、日本企業へのEU競争法による制裁金が、飛躍的に上昇しているからだ。アメリカのような上限なしでこそなくCAP(=上限)はあるんですが、それにしても、かなりの急上昇。

EU競争法に関する欧州委員会の決定について/平成19年11月20日/富士フイルムホールディングス株式会社
http://www.fujifilmholdings.com/ja/news/2007/1120_01_01.html

ソニーなど罰金120億円…EU競争法違反
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20071121nt05.htm

ただこれって、よくよく見ると、適用の厳格運用というだけで、実際には、欧州域内の企業も全然それ以上に摘発を受けているんですよね。別に日本企業を排他的に摘発しているわけでは全然ない。・・・・まぁ、この法律は、域外適用もあるんで、すげーよなーとか思うんですが、それは置いておいて、、、って、つまり独占禁止法を意図をもって、EU域内で強く運用しているってことですよね。これって、各国のナショナリズムが強いと、絶対にできない行為なんですよ。そうか、、、そういう時代なんだな・・・と感心。やっぱり、EUって凄いよ。さすが、人類のフロントランナー。