TURN 24 『ダモクレス の 空』の感想〜自らの自由意思による決断(=覚悟)が人の自由を支え、物語のカタルシスを維持する

「ここまで仕えてくれてありがとう、、君たちの覚悟に感謝する」



「Yes, Your Majesty」


この忠義に涙が出た。こういうかっこいい姿を見せられると、君主制のシステムは、、、、、とりわけ、民主主義の自由意思に支えられた独裁制のうまくまわった時に美しさを考えてしまうよなーと思う。民意に支えられた独裁者って怖いんだよ、すげー力があるから。よくなったらその善政ぶりも凄まじいが、悪くなったらヒットラーぐらいにひどくなりすぎる『銀河英雄伝説』のラインハルトを思い出したよ。・・・まぁ直ぐに、これが全体主義に変質してしまうから、寡頭制や貴族性が肯定されて、すり替えられてしまうんだろうだろうけど。


そして、ニーナ、君は人間として自立したんだね、、、、、。ちゃんと、すべての問題点に答えを軽々と出していくところは、物語を完結させるという強い意志を感じて感動するなー。うんうん。ワンシーンだけでも、その背景とその後をすべて説明できるようにつくられているもの。


世界で一番美しいものはなんだろう?といつも思う。それは、「ほんもの」(by伊集院大介)だと思うのだが、それって何だろう?。それって、この前の再契約の問題だと思うのだが・・・それで、いったい何を表わしたいのだろう?っていずみのさんに質問したんだが、


「忠義(ロイヤリティー)の問題です。」


って答えがあった。なるほど、と思う、人が人に従うこと、、、何かの目的を共有することは、ロイヤリティや友愛や覚悟でしか描けないのだろうと思う。上記の皇帝陛下に、、、、絶対君主への返答に対して、、皇帝たるルルーシュは、こういっている。「君たちの覚悟に」、、、と、覚悟、、、そう、「仕える必要性もない中で」何の理由もない中で、人生を、命を、自分の目的と志にかけてくれた仲間に、その人々の「自らの自由意思による決断(=覚悟)」に感謝しているんだよね。


美し、、美しいと思うよ。


先週の23話はあまり話が動いていないのだが、何が一番感動したかというよ、サヨコさんだ。24話もそうなのだが、日本人の影の組織の人間でありながら、最後の最後まで、「ルルーシュ個人」に忠誠を誓っているんだよね。だから、ルルーシュの皇帝席の横に彼女がいる。これっておかしいのだ。だって、日本人として生きていたわけでしょう?、なぜ敵であるブリタニア皇帝に仕える道理がある?。もちろん、彼女は忍者の一族のようなので、「仕えると決めた者に仕える」というプロフェッショナリズムがあるのかもしれないが、それならばそもそも彼女はアシュフォード公爵家に忠義があるはずだ。つまり、彼女は、自分個人の自由意思で決断しているんだ、、、ルルーシュに仕えることを、、、そして、それはルルーシュの思想でも目的でもなく、「ルルーシュという個人のうつろっていくその存在」すべてに仕えると決めたのだ。意味伝わるだろうか?。目的が変わったから、考えを変えたから仕えるを辞めるのは、それは人が人に仕えること、、、ロイヤリティーではないと思うんだ・・・


一度しかない有限の人生を、ある何かにコミットする・・・・その覚悟が問われているんだ。


オレンジが、


「君は君の騎士道を貫くのか・・・・」



といったシーンで、ぐっと胸が熱くなった。そう、これは、騎士道とその同系である武士道の問題だ。「自分が仕えるべき忠義の相手は、自分の自由意思で選び、選んだ後はそれに殉じるだけ」という。まぁやはり、この自由意思の問題を、丁寧に扱うことは、非常に重要なことなんだよな、、、と思った。再契約が決断にとって重要な物語のカタルシスになりうるのは、これがためなんだ。


ちなみにギアスという設定が、これを歪めるというところに根本の命題があったんだと思う。と、前半を見た段階で、、、そうか、、、ナナリーの目は見えるようになるな・・・と予想したんだが、まさにそのとおりだった。なぜならば、目が見えないというのは、ナナリーのみがルルーシュのギアスにかからないという象徴だったからだ、、、、。


CCのことも、最後に、CC個人の安否を気にしているルルーシュの姿、、、「力を与えて彼をこのような地獄に巻き込んだ」CCに対して、「選んだのは自分自身で、だからこそその責任も自分自身のものだ!」とはっきりいる彼の成長っぷりに、ぐっときた。こういう男に女は惚れるな。


「おまえのような男は初めてだ・・・・」


というCCの気持ちはわかる。なかなかこれほどの覚悟がある男はいないよ・・・・。まぁ千年近く生きていて、そういう男に出会えなかったのは、男運が悪いとは思うけれども(苦笑)。



再契約の問題(=巻き込まれ型で力を手に入れた後に、自由意思を再確認する儀式)で基本となるのは、



その行為は、あなたの自由意思で、あなたの・・・責任をすべて引き受ける覚悟で、為されていますか?ということの確認が迫られる行為。


いやーいいね。エンターテイメントとしてわかりやすくていい。ちなみに、問題であった、シュナイゼルの意図については、その性格と本質も含めて、納得いったが、これは別途書きます。昨日と、今日と、明日、、、か、明快に神殺しの類型の一つとして、説明し切っているなぁ・・・。そのシンプルさ、見事ですよ。それにしても、昨日(=父親・シャルル)、今日(=兄・シュナイゼル)・明日(=弟・ルルーシュ)、、、こう考えると、ブリタニア皇族は、本当に優秀な一族だよなーと思う。そういう意味では、そういう家族を作ったシャルルって、ものすごい器だった気がするよ。皇族同士も仲がいいとしか思えないし、人材はそろっているし、、、。




この感じだと、エピローグも、、、その後の世界の描写も時間をかけて描けそうなので、それも楽しみだなー。「それ」が見たくて、長々と見ているようなものだもの、物語は。ちなみに、コーネリアなんだが、、、「爵位だけではないぞ人生は、、、私がいうのもなんだが・・・」と、ビレッタにいったセリフをまざまざと思い出した、、、将軍の器足り得、大ブリタニアの新に兵士に慕われる将軍だった果断な彼女だが・・・本当は、ユフィに向けるまなざしを見ると、彼女ほど、たぶん母親に向いている人は珍しいと思うんだよね・・・。きっと幸せな家庭を気づくと思うんだ・・・それが見たいなぁ、、と僕は思ったよ。


とりあえずは、リアルタイムの感想を。