『とらドラ!』 監督 長井龍雪 シリーズ構成 岡田麿里 第16話 「踏み出す一歩」〜青春を描くこととは?

とらドラ! Scene1 (通常版) [DVD]


評価:★★★星3つ(まだ初見なのでトータルは未評価)
(僕的主観:★★★☆星3つ半)

■おお、いい作品そうだね、これ
平和さんにも「読んどいたほうがいいよ」と進められ、前日ルイさんにも進められたので、思い出したように、とりあえずHDDに録画してあった16話を見てみる。ふと気付いたが、僕は、2-3人以上の人に勧められると、ある時、ふと思い立つように頑張って努力するように見るようだ。

この一話だけでは、人間関係や、何を主題とした物語なのか、さっぱりわからないが・・・・いや、いーじゃーねーか、たった25分ぐらいの中に、よく練られている脚本と演出で、感心した。ちょっと感動してしまったもの。まったく背景もなにもわかっていないにもかかわらず(笑)。こういう感覚が起きるのは、キャラクターや世界観に関係なく、脚本が、普的なわかりやすさやメッセージを持っていないと、発生しない。そういう意味では、初見のこの一話を見る限り、この作品は、たぶんのオリジナルの小説もこのアニメーションも、ある水準を超えているのは間違いにと思う。

えっと、★3つぐらいに僕の評価は平均値水準のボーダーがあって、ここに該当するイメージは、「その系統のジャンルや媒体が好きであれば、まぁ嫌な気持ちなくまず楽しめる」こと「構造的に自分が何らかの理由で許せない、と思わないこと」、それに「たぶんそのジャンルに関係ない人が頑張って努力してボーダー(境界)を超えてみても、決していやな印象を受けない」というようなものだ。ちなみに、★4つの水準は、「どのような属性の人が見てもまず確実に見る価値がある」もしくは「理解する意欲があれば、確実に平均値以上の感興を感じる」というようなthresholdを設けている。

ちなみに、かといってアニメーション作品として、飛びぬけているか?もしくは、メディアミックス効用を超えての良作品か、と問われれば・・・うーん疑問だなぁ。でもこの辺は、言葉を選ばなければいけないなぁ。井汲さんやGiGiさんと話しながら、そもそもアニメーション化するときの意義や、なにをもってアニメーションとしての成功とするかを考えないと、単純には言えない。ここで僕が言っている「いい作品だな」というのは、別にやはり平均値の、コストが低い状態の消費としてはまあ受けつけてもいいよというレベルなんで、これを比較の中から本当に「良い」といえるのかは、その位置づけ感によって変わるので、何ともいえない。まぁいま言えるのは、初見で見て悪いとは思わないし、丁寧に作られていて、嫌悪すべき欠点を感じない、というところかな。



「日常」の物語は、「承認」と「仲間」を描くこと

北村のやる気を取り戻す為、自ら生徒会長候補として壇上で恐怖劇を繰り返す大河。しかし、立候補〆切の前日になっても北村の様子は変わらない。悩む大河と竜児。そこに生徒会で北村と一緒に働いていた村瀬という人物から竜児に電話が掛かってきた。北村が自暴自棄になった本当の理由を知った竜児は北村の元へと走る。。


http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/toradora/

見ている限り誰が主人公かさっぱりわからないのだが、見ている間中に喚起されたのは、青春(笑)ですねぇ。だから群像的なラブコメと考えればいいのかなと思うのだが、少なくともアニメーションの主題は明確に、「青春」だな、と思った。

なんで、書くほどいいと思ったかというと、たぶん「学園」の雰囲気がとても良くできていることや、このキャラクターたちの関係が、とても繊細に描かれていること・・・それは、たぶんオリジナルがそうだからなんだと思うなー。なんか女性的なニュアンスがあって、少女マンガ好きな僕には、とても好きな感じ。『放課後ウィンドオーケストラ』に感じる感じと似ているなー。労力がかかるので、小説を読みたいともわせないんだが(多分日常の関係性を追っているんものだから、むしろ漫画やアニメのほうができがいい気がする)、漫画やニメは見てみたいなーと思わせるものがある。青春を追体験するのは、いいっすよ♪。

というか、彼らが何歳なのか設定が分からないのだが、精神年齢的には、中学後半から高校最初ぐらいの感じに思える。高校生活も広範囲なると結構大人になってきちゃうので、その前にあったような「時」のイメージを感じる。たぶん、それを意識して演出しているんじゃないかな?制作サイドは。でも、読んだことがないのだが、たぶん原作はもっとラブコメによっていると思う。

というのは、アニメーションと小説では、媒体上の問題で、アニメは群像劇が、小説では一人称が描きやすい傾向があるので、ラブコメを描いた小説がアニメーション化していいものになると、学園生活の群像劇(=関係性の全体を表現する)に変化する傾向があるように僕は思う。つまり、恋(=対幻想)よりも仲間(=共同幻想)へシフトしやすいともいえる。

さて、『とらドラ!』そのものというよりは、、、、見ていて思ったのは、青春ものってのがどういうものか?ってのが少し思い当たったからなので、メタ的な話になってしまうが・・・・僕は、最初に作品を見る時はどうしてもマクロから見てしまうので、、、というか、マクロな構造が理解できないと、作品に単純に感情移入できない癖があるので、そこはご容赦いただこう。



以下、この作品とはほとんど関係ないんだけど、、、(笑)



えっと、僕が「日常」を描く作品という時には、どうも二つの側面が隠れていることが分かってきた。フェイズが2つだけなのかはまだ変わらないが大きな特徴として、


1)モノそのもののリアル〜複雑な情報量の組み合わせによる「匂い」の再現


2)「承認」の関係性を3つのレイヤーで表現すること〜この世界に生きる意味の納得


この作品を見る限り、2)に寄っている作品だな、と思う。どっちも、いいたいことは、「この世界に他の存在と「ともにある」ことの喜び」をどう感じさせるか?ということなんだと思う。日常を描くとは、そういったものを描けているかどうか、だと思う。


あ・・これ、とるてあのための話だ・・・うーむ、、、、ここはカットして、後に回します。

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