『マブラヴオルタネイティヴトータル・イクリプス』 イシガキタカシ著 唯依ちゃんがねーもーかあいーんですよっ♪

マブラヴオルタネイティヴトータル・イクリプス 1 (電撃コミックス)

つーか、本屋4つも探しましたよ。見つからなくて。なのに家の前のそれほどおきくない本屋には、平積みで沢山ありました。。。????。

■唯依ちゃんがねーもーかあいーんですよっ♪

といいつつ、表紙裏のタリサに吹いたりして。・・・・オルタといえば、おっぱい星人たちの集うところなんですが、そんな中でBLとかぺったんこのタリサを書いてくれる、イシガキさんに乾杯!(←ってなに?)。それにしても、やっと見分けがついてきたんだけど、小説版とかの絵は宮田蒼さんという方が書いているのですね。ちゃんと漫画買って、ようやく違いがわかりました。

それにしても、エピソード6の唯依が、リルフォートに日用品をそろえに行って、イーニャに会いに行くシーンがとても印象的でした。小説は友人に貸しているので確かめようがなかったんですが、このシーン小説版にあったんでしょうか?。どっちにしろ、目で見える部分を描くのは、神の視点にならざるを得ないので、とても興味深い。小説は、イメージや後継を自分の頭の中で構築してしまうので、魅力的な別視点の空間を再現してくれると、喜びが広がります。かつ小説版は主人公であるユウヤ・ブリッジスの内面の葛藤が主軸にあるので、どちらかというと、神の視点(=第三者)もしくは、唯依の視点で描かれているシーンが多いのは、うれしいです。特に、唯依姫ファンとしては。

ここのシーンの強調は、重要だと思うんですよね。物語の力点として。・・・というのは、ユウヤも唯依も、前に記事で書いたけれども、どっちも、ある種のエリートなんですよね。「自分の目標を強烈に持って、自分の力だけで生き抜いている」という意味で。だから彼らの意思決断は、重いし、深刻だし、よく考え抜かれている。。。。


マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプスMuv-Luv Alternative Total Eclipse)』 吉宗鋼紀著 1−4巻 みんなへたれなんだよ、成長というのは自分のスタート地点がどこでも、へたれな自分をたたきのめしてあがくことなんだよね
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20100116/p1


けど、そういう人ってのは、ある意味、一番大事なことを忘れて視野狭窄に陥りやすい。よく言われることだけれども、「道端の小さな花を見れなくなる」ってやつです。ともすれば、小説版は、それほどの気概と自己責任意識に溢れる二人が、それでも、打ちのめされながらも成長するというビルドウングスロマンになっているため、、、ああ、先日見たティムバートン監督の『アリスインワンダーランド(アメリカ映画/2010)』の構造と同じですね、、、自己成長と自己責任(=現実逃避の否定)を主軸に置いているが故に、そういったことで切り捨てられていくモノが、なかなか見えにくくなっているんです。「だからこそ」この小説は、ベータを倒し人類を守るという「大義」のもと、虐げられている「難民」からのテロリズムというマクロの対立構造が物語として「生きる」ともいえます。

逆に言うと、ミクロの次元では、なかなかそれが体感しにくい。そういった中で、この主軸のテーマ、ベータを倒し人類を守るという「大義」と、それによって「切り捨てられる難民たち」という構造を際立たせるために、リルフォートでの日常を、第三者的な神の視点で描写するというのは、凄く重要だと思うのです。もしかしたら、小説にもそういうシーンは書かれているかもしれません。けれども、漫画というビジュアルモノは、第三者的にそれを表現するのに向いており、どうしても主観による独白で物語が進みやすい小説よりも、この手の体感感覚を書くのは、上手くできると思うのです。


やはりヴィジュアルが、小説版には決して多くないのでなので、「絵で見れる」という新鮮さは、凄い破壊力があります。これ将来的には、ゲームになるとのことですので、楽しみです。


マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス 1 朧月の衛士 (ファミ通文庫)
マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス 1 朧月の衛士 (ファミ通文庫)