韓国のエンターテイメントを作る力に、ちょっと圧倒される

IRIS[アイリス] <ノーカット完全版> BOX I [DVD]

ただいま、少しづつ『アイリス』を見ているんだけれども、これが超面白い。TBSの放送では、まぁまぁの視聴率だったそうだが、たしかに、北朝鮮や核開発をめぐるスパイものなので、前提知識や感覚がない日本人には、少し敷居が高いのかも。『冬のソナタ』のように、様々な層に広がるという意味ではね。でも、これは凄く面白いよ。睡眠を削って、妻と一日一話のペースで見ています。韓国ドラマは、『チャングムの誓い』や『冬のソナタ』で、はまると(50話!とかあるんだもん!)ずーーーと、楽しめるので、この長さはたまらない。


それにしても、NSS(国家安全保障局)とか、組織の在り方とか、まさにアメリカドラマの『24』のパクリなんだけど、もう見事に同じなのが凄い(笑)。面白いことに、ある種、躊躇がないところがいいんだと思う。こういうのって勢いとか、エンターテイメントに対する嗅覚がないと、ガンガンできないもんだと思う。けれども、同時にそのマネをする対象をちゃんと、自分流に料理しなおす腕が要求される。ここでいうと、ヒョンジュン(イ・ビョンホン)とチェ・スンヒ(キム・テヒ)のラブストーリーが、もうなんちゅーか、、、べたべたに韓国ドラマで、このへんのなんかこっぱずかしいほどの感じは、上手いなーと思う。日本の役者で、こういう骨太の配役でベタベタなのを演じて、やりきれる役者ってのは凄く少ない気がする。イ・ビョンホンの男らしさとか、異常(笑)。はーかっこええわー。


でも、ある種、文句はつける余地はあるかもしれないんだよね。しょせんドラマだよねーとか、物まねだねーとか、べたべたなラブストーリーだよねー(ソープドラマ)とかって。僕は、それをここまで大がかりやりきれること「こそ」凄いと思うけど、そうでないと思う人はいるだろう。実際、僕だって、韓国ドラマの物語ご都合主義を見ていると、ふとまーこんなもんかと斜に構えて感じてしまうこともないとは言えない。けど、先日、2008年の『チェイサー』という猟奇殺人を題材にした(『殺人の追憶』と同じく実話をもとにしたもの)映画を見たんだけど、これが夜寝れなくなって、韓国の夜の裏路地にこれから飲みに行けなくなるよ!というくらい、超重いクライムムービーなんだけど、、、、、イ・チャンドン監督やポン・ジュノ監督などこれらの作品の緻密で本格的な名作をバンバン作る状況を見ていると、、、、韓国のエンタメ業界って、物凄い人材の層と力なんだな、、、と感心してしまう。どっちもできるってのは、幅が広いということだもの。いや、さすがです韓国映画、韓国ドラマ。そう思う今日この頃。


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