『進撃の巨人』 諌山創著 心理描写が非常にしっかりしている

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

名無し 2010/12/11 09:51
謎や激しい戦闘だけでなく心理描写が秀逸良い!

主人公の母親が自分を置いて逃げてと言いつつも本当は行かないで欲しいと思ってる。

その時に本心をグッと堪えるところになんかすごい心打たれた。

台詞の言い回しも凝っていて特に組織の描き方は少年漫画じゃ一番リアルでしょう。

担当さん曰く驚く展開がまだまだあるそうなので期待できますよー。

今すぐ驚きたかったら今週のマガジンへの出張版を読むべきです!


確かに、これだけ盛り上がるというか注目されるのがよくわかった気がします。すっげぇ面白い。面白いとは思っていましたが、3巻を連続して読み返すと、本当に面白い。


上記のコメントしてくださった人が言っているのは、実はけっこう自分の中で視点の転換になりました。というのは、1巻ぐらいで情報量の少ない中では、SFとしてのオチはどうなるか?それが隠されていることのマクロの謎の部分の「謎解き」の効果に凄く注目して、「そこ」が面白さだと思っていたんですが、「そこ」だけ考えると、それほどあっと驚くことは設定できないと思うんですよね。SFよく知っている人ならば論理的にいろいろ考えられてしまいます。それで、うーん評価的にはどう考えればいいんだろう?って思っていたんです。


が、この作品の「面白さ」って、 そこが凄くグロテスクに出ているので、「そこ」に感じてしまっていたけれども、実は人物の心理描写が秀逸だってのは、なるほどーと思いました。基礎的な部分が、凄くしっかりしているからこそ、マクロの謎が凄く生きるんだよね。人類が滅びるかもという、絶望、心理的な逼迫感がこれでもと表現されている。


ミカサが一番動機が説明されているけど、、、この覚悟と無表情の中に溢れる感情。なにがいいたいかというと、やっぱりミカサかわいいよね!、と。いや、僕めちゃめちゃかわいいーと思うんですが・・・・。あっ、サシャもいいけどね♪。


というか、「そういう」読みが実はちゃんとできるように、様々なキャラクターの極限での心理の発露が生きるべく、土台がとても丁寧になっている。丁寧といっても、決して饒舌ではない。もともと会話も説明も凄く少ない絵のインパクトで読ませるような作品だけに、その丁寧さは、3巻ぐらいまで通して連続で読まないと、微妙に分からない。僕は謎解き一発の面白さだと勘違いしていました。たとえば、ミカサが、愛する家族のエレンが死んだと勘違いしたシーンで、世界は残酷だ、でも世界は美しい、、、、、いい人生だった、と三段論法で自分の人生をあきらめる時に、彼女の「生きている覚悟」と「世界を感じる深さ」がたった3つの言葉と数ページの描写で、読者を彼女の持つ潔さや世界認識に引きずり込む。これ、すげぇうまいよ。もちろん、この背後に彼女の動機は既に説明されているから死の直前のフラッシュバックのような説得力を持つ。そして、彼女の普段の口下手なところ・・・・家族を守るという「もっとも大事なこと」以外に、ほとんど興味を持たないが故の、関心のなさや、、、、それでも、エレンが死んだとわかって動揺しておかしくなっていても、仲間のために戦う心意気や、、、、強欲な承認の権力者の前で、一切の保身を無視して、人々を助ける「誇りある人類最前線の兵士」としてのあり方をまっとする姿など、、、いやーミカサかわいいよ。うん。



進撃の巨人(3) (少年マガジンコミックス)