『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 第1話 長井龍雪監督 岡田麿里脚本  そしてメンマは、最後にどこへ行くのか・・・・

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

1話視聴終了。

素晴らしい出来だな。受験に失敗して、動機を失って、引きこもりになってしまったジンタン。彼の、人生の肯定と動機を取り戻すという物語の主軸が設定されている。そして、そのきかっけとして、彼の人生で最も大きかった、メンマへの思い、来なかった永遠の明日を探すという設定。傑作は、どこから見ても面白いし、たった一話だけで、その「引き込まれ感」というものは素晴らしいものだ。同じ深夜アニメなのに、何もかもが違うって感じるもんなんだよなー。まぁこの、複雑なのに非常に分かりやすい動機や本軸の物語の設定なんかもとても見事。


王道故に陳腐な青春物語の設定なんだが、様々なところで演出力の渋さを感じる。たとえば、メンマが、、、幽霊(的存在?)と設定とされているのだが、彼女の存在って凄く曖昧なんだよね。ルイさんが、このポジションは容易に「天使化」してしまうところ、、、、彼女が、自分の死を認識している(=自宅に帰り、自分が死んじゃったことを知っている、と発言させたり)」ことで、話者・発話主体としての彼女が、彼女もまた「時間が動いている存在である」ということをしっかり演出している。彼女が存在として、死を感知している・・・いいかえれば「時間が進んだ認識を持っている」とすれば、彼女だけが、超平和バスターズの仲間たちが自己を取り戻し、本来の成長の時間へ自分たちを取り戻した時に、彼女だけが「取り残される!」という演出が透けて見える。切ないね。ここ、見るべきポイントだな。


なんか、書いているだけで切なくなってきた・・・・。


この作品、本当に素晴らしいので、ぜひ皆さんリアルタイムで見ましょう。僕もがんばります。