勝負というものの

ベイビーステップ(21) (講談社コミックス)

かなり初期からずっと、大好きな漫画で、21巻にも到達したんだなーと感心します。でも、全然強さのインフレも起こしていないし、ストーリーも堅実だし、素晴らしい物語だなーと思います。一見地味なんだけど、噛めば噛むほど味が出るし、かといって週刊連載で毎回読むのもなかなか手に汗握る、、、なかなか理想的なマンガじゃないでしょうか。このペースならば、問題なくこの倍の感くらいまで物語のボリュームはあるので、安心して読めます。素晴らしい作品だなー。


最新刊を読んでいて「だけ」感じるわけではなくて、ずっと読んでいて思うのですが、これってほんとうに「勝負というものの醍醐味」をよくよく描けているなーと感心します。それも意外に小さなところでいろいろな仕掛けがある。たとえば、ずっとまえになっちゃんのテニスのライバルの清水さんが出てきて、これって確実に、主人公えーちゃんの彼女候補だよね?というようなことを言ったことがありました。その後、あっさり、なっちゃんとえーちゃんはカップルになってしまい、あーあの伏線消えたのかなーと思いきや、この間で、ちょっと運命感じちゃう感じ(=同じ時間同じスコアで試合に勝った)になって、ととと、、、と歩いてえーちゃんを見に行ったら、「鷹崎さんの彼氏なんだってー」という話を聞いて、すぐ失恋。これって、凄い伏線だなーと思うのです。このまま終わらせないぜっ!ていう(笑)。いや、これが伏線じゃなきゃ、こんなに彼女を何度も出して「話の流れ」を作らないって思うもの。おおっさっぱり恋愛分ないものと思いきや、、、これは、、、いけるかも、、、、。楽しみです。


この「あっさり失恋」のコンボもそうですが、えーちゃんに負けたはずの井出君が、あっさりとインターハイに優勝して海外留学に行ったりするところは、この物語の見事な勝負への意識を反映していると思うんですよ。


まだまだどこへ行くかは何とも言えないですが、これを読んでいると、非常に勝負って、こういうものなんだ!!というなんというかなぁ、凄くそう言う感じ(←言葉にならなかった)を感じます。


とにかく、大好きです。