『1/11 じゅういちぶんのいち』 中村 尚儁著

1/11 じゅういちぶんのいち 4 (ジャンプコミックス)

ああ、話をぐっと巻いてくれているので、うれしい。少なくとも、サッカー漫画として進めるのではなく、安藤ソラの物語として幕を引こうとしている決断が見えて、確実にいい物語になるな、と安心した。1−3巻の各話の、号泣をさせる完成度から、逆に単話はよくても、トータルでどこへ向かうの?という気分がしていたので、ぐっと、話をソラにフォーカスしたので、この物語は傑作として完成しつつある気がして、楽しみ。


・・・しかし、、、ルイさんがいみじくも言ったように、、、安藤ソラのなかの四季はそれほどの重さなのか、、、と読んでいて打ちのめされる。これってテーマと問うていることは、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』と同じなんだよね。少なくとも死者が生き返ってくるとか、死者が存在することの喪失にどう向き合うか?というポイントは、誰か大事な人が死んだときには絶対に発生してしまうドラマトゥルギーであって、、、ルイさんは、そこまで死者にとらわれることが、生きている人にとっていいことなのか?といつも問いを発するけど、、、ここまで、そうか、、、、ここまで思っているのか、ソラと思うと、、、何も言えない話でした。


あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 4 【完全生産限定版】 [Blu-ray]