『花もて語れ』 片山ユキヲ著  読み始めたら止まらなくなりました。文学をまた読みたい!と強烈に思わせてくれました!

花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

さっき6巻まで読み終わりましたが、、、、何度か号泣してしまいました。最近、仕事で忙しすぎて、心が死んでいて(笑)、なかなか何かを摂取してもうまく入れないので、ずっとビジネス本ばかり読んでいたのですが、、、久々に「入った」感じでした。


何がいいかって説明するほど時間もパワーもないので、とにかく軽く★5つ級の凄い作品だ、ということで(笑)。ぜひ読んでください。これほど、独特なジャンルは、なかなか推薦でもされないと読まないかもしれませんので、、、素晴らしい、素晴らしい物語です。ちなみに、ある女の子が、朗読の世界にはまっていくという物語です。


ここ最近(っても何年も)は物語は僕にとって基本的には、癒しを求めているので、ライトノベルや漫画やアニメなど、とにかく「入りやすいもの」、読むのに労力をかけないで済むできるだけ受け身で感じられるものがメインで、高い解釈力やリテラシーが要求される文学や詩などはからは遠ざかっていました。けれども、ふと思い出してみれば、中学から高校の頃、僕は図書館の本に夢中な文学少年でした。いまでも、中学や高校の授業での、高村光太郎萩原朔太郎の詩の解釈や、愛してやまなかった宮澤賢治春と修羅など、その深淵を知った時に、何度も読み返して時には朗読したりして意味が見えてきたときの喜びは、、、、、。


この本を読んでいて、びっくり、、、、自分にそうした記憶があることも、すっかり忘れていました。ほんと、自覚してみれば、凄い濃厚な匂いのある記憶なのに、、、、高校の図書館の片隅で、授業をさぼって、何度も何度も『春と修羅』を読み返していた夏の日のことが、ふっと思い出されました。。。。高校の3階にある図書室の後ろの、入り口からは見えない陰に椅子があって、そこで読めるようになっていたんですよね、、、、。そして、その真横には宮澤賢治全集があって、、、、。


中学の授業だったか高校だったかいまは覚えていませんが、国語の授業で、ヴィオロンのためいき、、、だから、たしかヴェルヌールの上田敏の訳か、、、違ったかな?(間違っていたら恥ずかしいなぁ・・・)、、、や朔太郎の青猫の分析をした授業に感動して、この世界はなんて美しんのだろうと、興奮して興奮して、、、、って、誰にもその興奮を話す人がいなかったんだよね(苦笑)。当時の自分は。僕はバリバリの体育会系でしたから、、、、、。いやーあの頃の僕というのは、ほんと、日々の生活と自分の中で好きなことの趣味が、物凄い分裂していたんだな、、、と、ほんとしみじみ思います(苦笑)。・・・でもいまでも、宮澤賢治の永訣の朝の「あめゆじゅとてちてけんじゃ」とかセリフが、時々夢に出てくるんだから、やっぱり考えてみると、それなりの文学少年だったんだなーと思います。宮澤賢治がこんなに好きだなんて、すっかり忘れてたよ、、、、。


そして、、、もうたぶん10年以上、そういうのとは縁がない生活をしていたし、いまもまた仕事と子育てで精いっぱいなので、きっと、文学なんか思い出すことはないだろうなーと思っていたんですが、、、、そもそも、解釈の力が必要なことに時間を割くこともないだろうし、、、そう思ったんですが、、、、


凄いです。この漫画、物凄いです。今でも忘れられない学生時時代の、あの国語の授業のような、日本語の、言葉の、文学の「向こう側」にこんなすごいことが隠れているんだ!!!というような感動を、こんなふうにわからせてくれるだなんて、、、。5巻の太宰治の『黄金風景』は、実は僕も、昔読んで意味が分からなかったのを覚えていて、、、、読んでいて、嗚咽が止まらないほど号泣するとは思いもよりませんでした。。。。


・・・しかも、ネコミミ主人公かわいいし!(笑)。


花もて語れ 6 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)