第12話 「僕は友達が…」  そうか、恋人じゃなくて、友達が欲しかったんだ!これはびっくり目からうろこが落ちた。

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そうか、恋人じゃなくて、友達が欲しかったんだ!これはびっくり目からうろこが落ちた。


ハーレムメイカーの構造に終止符を打つ理科の行動は、この系統の類型の新しい地平や、とりあえずのエンドをもたらすと思って気にしていたんですが、なるほど。

小鷹が「自分は誤解されてて嫌われものだから」というのは間違いなくただの思い込みで、しかもほとんど深刻じゃない(そういう深刻さの過去エピソードも感情を積み重ねるエピソードも全くないから/小説の内在世界の視点から考えて)だけれども、つまり、物語構造的には、主人公の小鷹が、そういう背景と内的苦しみを持っていることが、条件としては1巻で描写されているけれども、それに関する感情的なエピソードの積み重ねがない(=小説を外部から客観的に条件を考えて)ので、あまり納得はできないけど、、、。そういった物語上の「拙さ」は、仕方がないのだろうと思う。なぜならば、最先端の物語というのは『フルメタルパニック』もそうだけど、考え抜いて結論を出していくものなので、構造上の重厚さの無さは仕方がないのだ。だからこそリアルタイムで楽しむことに意味がある。

話が少しそれてるので戻すと、ハーレムメイカーとは言ってみれば、ラブコメでした。ラブ・ロマンチック・コメディーの発展系ですね。その物語の本義は、恋愛をテーマとして、「恋人を作ること!」でした。しかし、ああ、なるほど!と目からうろこが落ちたのは、小鷹がここではっきり新しい価値観を提出しているんだけれども、それは、


友達のほうが恋人より欲しい!


友達>恋人


なんだ、ということです。タイトルにもあるし、何をいまさらと思いますが、、、、みなさんどうですか?。これって、どう考えても、ラブコメのフォーマットで描かれる学園ものなので、まさか恋人はいらないんだ!=拒否する!という恋愛の否定を通して、それより友達との関係性を上位に位置づけているんですよね。それって、物語のそもそも構造からすると、全然違うことを言っていて、このラブコメ・フォーマット上で、はっきり価値基準を逆転させるのって、おおっ!て唸りました。そうか、そういうことが言いたい物語だったんだ!って。


もちろん上記に書いたように、価値基準を逆転させるというエピソードや感情の積み重ねが弱いので、、、言い換えれば当初から設計されていたとはいいがたい(していたとは思うけど、理由としては弱すぎる)ので、物語としてスムーズではないとは思います。けど、ライブで、ここに至った!!というのは、凄いことなんだろう、と思います。見ていて、はっきり、新しいものを見た!という気になりましたもの。LDさんが。小説で理科の振る舞いを見た時に興奮していた理由がわかりました。小説はこの先も描いているみたいだから、いっちょ買って読んでみなきゃなー。


僕は友達が少ない 1 (MFコミックス アライブシリーズ)