26巻になってもこの密度・・・素晴らしいです。大好きです!。

ベイビーステップ(26) (ベイビーステップ (26))

新刊を読んでいたのですが、物凄い引き込まれ方で、もうすでに26巻までい云っているのに、この集中力というか密度凄いです。ああ、本当にこの物語、素晴らしいなー。最初期の頃から、大ファンなので、とっても嬉しいです。けど・・・なんというか、一試合一試合の密度が濃いうと、どうしても『スラムダンク』なんかを思い出して、作者が途中で燃え尽きてしまうんじゃないかなぁ、みたいな心配が頭をよぎるわけなんですが、どうなんでしょう?。これだけの勝負の醍醐味を密度で描くと、作者、週刊でやるとヘロヘロになってしまうような気がするのですが・・・・でも、えーちゃんみたいな主人公を創るだけあって、なんかそこまでの気合!!!とか感情爆発!!!とかいう熱血スポコンの「熱さ」の感じがしないのですよね。だとすると、淡々と密度が込められているのならば、なんか安心するようなしないような・・・・


といいつつも、26巻ぐらいまで来ると、ふと思うのは「着地点はどこだろう?」という問題意識も感じる。というのは、長くなればだれてくるし、主人公の、作者の物語を俯瞰しての、目的地地点をどう考えるのか?というのは、そろそろスコープに入ってくる。それは気になるなー。えーちゃんって、プロセスの人なので、目的地ががゴールな感じがしないし、、、テニスという種目がいいのだろうと思うけれども、すぐに世界が視野に入ってきて、日本の高校野球とか花園とかの狭い日本的共同体ムラ社会の熱血戦い!というフィールドに絡め取られていないので、インターハイとか全国大会で優勝!とかいう、ムラの力自慢大会ではない、感じがする。


そこは、新世代のスポーツマンがらしくて、とてもいいと思う。既にサッカーも、そういう古いタイプのチャンピオン・トーナメント方式のムラ社会の中でのボス猿争いから抜け出つつある。なんでかって、単純な話、現実がそう!だから。サッカーって、何かのリーグで優勝したら終わり!という話ではなくなっているからね。世界とプロ(各国ごとに様々なリーグがある)が舞台になると、既に勝負の形式が、そういった日本的なトーナメント方式の勝ち負けのやり方ではなくなるんだろうと思うよ。では、、、テニスでそれをどう描くか?って、凄く期待する。


一つの見事な方向性の可能性は、僕は『シャカリキ』を思い出す。日本のボス猿のトーナメントの向こうに、急にヨーロッパが見える、あのラストシーンは、見事だった。近代スポーツのオリジナルとその成熟の果ては、やはりまだ西ヨーロッパが、最先端なのは変わらないからね。その後、『昴』でも『カペタ』でも、やはりこの方向の具体的な描きになっていたんだよね。ただ、スバルもカペタも、二人とも、最初から「最終地点」が見えている「天才」だったので、プロセスがある意味吹っ飛んでいる部分がある。日本的な、地べたをはいずる視点からスタートしないんだもの。なので、、、、僕は、えーちゃんに期待する。

ちなみに、曽田正人さんは、まじで凄いです。全作品をどれを読んでも絶対に面白い上に、どれも超弩級。ただ、熱さ・・・という意味では、この『シャカリキ』は特別です。本当に素晴らしい。僕の中でスポーツマンガの、究極到達地点が見えているのは、いまだこれですねー。もちろん、日本時から、僕らの世界から見て・・・・あの果ての向こうってのがね。

シャカリキ! (Vol.1) (ビッグコミックスワイド)

と・・・・そこの部分が「見もの」でもあるのですが、それ以上に、、、、作者が女性というのもあるのでしょうが、この漫画は、本当に女の子の存在が、凄く良い。

スポーツマンガの世界ってのは、熱血とチャンピオントーナメント方式の勝負でボス山のボスを決める日本的ムラ社会構造が基本なんですが・・・・えっと、このイメージは、なんというか、甲子園を描いた野球漫画を想定してもらえれば、いいです。『スラムダンク』なんかでも、とにかく地方大会で、次々にいろいろなチームとかライバルが現れるじゃないですか?あの感じです。でも、、、ほんとうのプロフェッショナルのレベル・・・グローバルなレベルというのは、いきなり、中学ぐらいの年齢から、既に「世界」が見えているんですよね。そんな人は、日本の高校生とかの、しかも地方の戦いなんか参戦しないし、そこら辺のやつらがライバルになったりしないんですよねー。。。。って話が戻った。えっと、そこにおいて、女の子の扱いというのは、チャンピオントロフィーなんですよね。よく言われますが。なんというか、勝負の世界の賞金とかみたいなもの。もしくは、ボス猿のボスになれば、女はすべて俺のもの、的なそういうもの。けど、もうそんな時代じゃないんだよね。時代的に、教育も含めて、本当にナチュラルに平等になりつつある。少なくとも意識や構造については。日本社会は、相当の男尊女卑な社会だけれども、文化的にマッチョイズムな社会なわけではなく、高度成長時代までの家父長制にベースを置いた幻想が、経済社会の格差で残っているだけだろうと僕は思う。ちなみに、中国なんかは、共産主義の強烈な洗脳のおかげか、とっても男女平等的です。アジアでいうと、極端に男尊女卑なのは、朝鮮半島でしょうねー。なんかすごくそんな気がします。・・・・なので、なかなか難しいと思うのは、だから男臭くて色気のある男性の映画スターとかは韓国に集中するんだよなー。。。こういうのって、何がいい悪いかは、よくわからない気がするなー。まぁ、えっと、日本は、もう既に相当男女の意識の格差が少なくなっているし、プリキュアとかのエンタメを見ていても、ロールってのが凄くいろいろな多様性をもちつつあるし(これまでは世界を救うのはマッチョな男性の専売特許だったのに!)、なによりも、まー日本はこのまま人口が激減して沈むので、どんなに男尊女卑を貫こうが、家父長主義を、核家庭モデルを称揚しようが、そんなの絶対通じません。もう女性の権利が確実に拡張していく流れは、マクロ的な事実であって、まぁそういうリベラル(=入れ替え可能性)なことは、過去に在った文化モデルを壊すことなのでノスタルジーにしがみつく老人はいるでしょうが、もう確固たるトレンドです。。。。



って、あれ、なんか真面目話になってしまった。。。。。。。。。。。。。。。。。。



えっと、いや何が言いたかったかというと、清水亜紀ちゃんが、かわいすぎるっ!!!!という話です。



このブログを長く読んでいる人は、ぼくが、アキちゃん一押しなのはわかると思うんですが(笑)、その僕をして、、、、うう、なっちゃんのかわいさとか、もうノックダウンしてマットに沈むぜ、ぐらいの凄さです。恋愛要素ほとんどないし、女の子もあまり出てくるシーンは少ないし、、、、っていう話なのに、、、、しかも、なっちゃんって、本来普通考えれば、えーちゃんのチャンピオントロフィーになってしまうヒロイン・ロールを引き受ける話なのに、全然そうなっていません。かけらもそんな文脈ないですよね。すべてが、同じ目的の中で、そのプロセスを分かち合う、対等の存在としての関係性を、びちっと維持している。まったくぶれません。なんか、物凄い新しいものを見ている気がします。もちろん作者が女性なので、女性を対象(=モノ)として扱う視点が皆無なのは、当たり前なのかもしれませんが、、、このスポーツマンガの主軸のテーマのすべてがつながっていて、いやほんと読んでいて気持ちがいい。ああ、なんというか、もう僕の位の世代からは、男女がとても対等になっているので、この対等な存在として、好きあって一緒にいるって感じは、凄くわかるんですよねー。社会制度や現実がなかなか追いついていないのですが・・・・ああえっと、それくらいなっちゃんの存在感が凄すぎる上に、恋愛バトルからは、一瞬で失恋して、アキちゃんって、ぶっとばされてしまったんんですが・・・・前回、あんなふうに、恋愛バトルからもぶっ飛ばされて、もう洋ナシの脇キャラぐらいしかポジションが。。。と思って、いったい、どこにいくのか・・・・って思っていたら、



私を好きになるために



ラストの本の一話分くらいの少しのシーンで、もうふるえが来ましたよ。この子、負けてないよ!!ちゃんと意味があるよ、えーちゃんに興味を持ったのも、そして、、、なによりも、ここで、アキちゃんの話がマイナスに行かないのが素晴らしい。アキちゃんが、機械みたいになって、人生を視野が狭くなったのは、お母さんの操り人形になって、お母さんの言うことを聞いていたから・・・・(ちなみにこれは事実)なんだけど、、、けど、自分が幸せだったのは、ここまで来れたのはお母さんが導いてくれたから!という肯定(ぐだぐだルサンチマンの説明すらない、ストレートな肯定!)のその思いの積み重ねの上で、でもお母さんの言うとおりにしない、、、それはお母さんの道井美いてくれたことの「正しさ」と同時に、自分が自分であるための証明と、自分を好きになることもまた、正しいから!!!と、思うシーン、、、、いや、やっぱりいいよ。素晴らしいよ。ちょっと泣けてきたよ。本当にこのへんの文脈はすべての部分が、ああ、2010年代の前半前で色濃く残っていた自尊心のルサンチマンを、すぐ家庭に転化する話も、やっぱり全然ないのが、凄く気持ちいい。もちろん、えーちゃん自体が、そもそも動機の強い欠落がなくても、どう頑張るか?という新しい(僕にとってはねー)時代の感覚の持ち主なので、周りの仲間だってそりゃーそうのはずなんだが、アキちゃんって、もっとも古くからありそうな関係性を持っているので、どういうドラマに収斂させるか気にしていたが・・・うーんいいです。素晴しいです。そんでもって、アキちゃん、かわいいです。


まぁ、こまけーことはいいんだけど、こんなに女の子たちが魅力的なのは、本当にめずらしいなーと思います。


ベイビーステップ(25) (講談社コミックス)