韓国と日本の難しいシーソーゲーム

父の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が親日派として知られていたことから、韓国内では槿恵も心の奥では親日派に違いない、という見方が根強い。そのため朴は大統領選挙活動中から繰り返し反日を訴え、レッテル剥がしに躍起になっていた。「大統領就任後も必要以上に歴史問題などを取り上げることで『親日疑惑』をかわしている」と、韓国政治に詳しい静岡県立大学の小針進教授は指摘する。

 朴の歴史問題発言は、韓国メディアから一定の評価を得た。だが朴が反日色を積極的に打ち出すほど、実は韓国の北朝鮮政策に障害が生じてしまう。

 北朝鮮は将来、韓国との和平を実現する場合、韓国に多額の経済協力を求めてくる。そのため韓国にとって「日本の資金協力は不可欠な要素だ」と、小針は言う。歴史問題で日本政府を批判すれば、北朝鮮政策における日本との協力関係に水を差し、韓国が期待する日本マネーが逃げてしまう。一方で朴が反日をやめれば「やはり正体は親日派だった」との批判が国内で出かねない。

 日本批判をやめれば親日のレッテルが貼られ、続ければ北朝鮮問題の解決が遠のく──。日韓間の亀裂の存在をよりによって同盟国のアメリカで世界に向けて披露したことで、朴は矛盾の泥沼から抜け出せなくなった。


オバマへの「直談判」で深まる朴のジレンマ
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2013/05/post-2936.php

竹島密約』 ロー・ダニエル著  竹島・独島問題は、WW2以降の戦後新生日本と新生韓国の関係の縮図
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20130325/p1

文庫 竹島密約 (草思社文庫)


竹島密約』の時も思ったんだけれども、日本と韓国、朝鮮半島は、常に世界の地政学的な条件からリンクしているんだよね。ほんとは、両国とも指導者は国民は、それを忘れてはいけないんだと思う。

北朝鮮は将来、韓国との和平を実現する場合、韓国に多額の経済協力を求めてくる。そのため韓国にとって「日本の資金協力は不可欠な要素だ」と、小針は言う。歴史問題で日本政府を批判すれば、北朝鮮政策における日本との協力関係に水を差し、韓国が期待する日本マネーが逃げてしまう。一方で朴が反日をやめれば「やはり正体は親日派だった」との批判が国内で出かねない。

上記のこのコメントはまさに、だと思う。『竹島密約』の話と違って、この場合は日本は関係ないと思ってしまうだろうが、そんなことはない。北朝鮮問題は、東アジアに刺さったトゲであって、これが様々な問題にリンクしている。韓国の高度成長が日本の資金によってなされているが、それは日本(西側諸国が)が朝鮮半島に対共産圏の防御を創るためにも必要なことであったのと同じことだ。二国間ではなく多国間のバランスを考えながら、しかしながら、国民という感情で揺れ動く大衆を見据えながら、どれだけクールな判断ができるかが、勝負なんだろうなーと思う。


それにしても、、、、上記のような戦略的な重要なポイントがお互いあるにもかかわらず、自滅するようなコミュニケーションを日本も韓国もお互い押収し続けている・・・・そりゃー北朝鮮にも中国にも翻弄されわな・・・・。もちろん国家として民族として感情的な問題は、あるだろうと思う。しかし韓国は日本を攻撃することで国民を馴致していけば、そのつけは確実に払わされる。一人立って行けるほど国際社会は甘くないし、特に東アジアの地政学の構図は危険だ。特に、韓国は、北朝鮮をどう自分たちに取り込むかは民族の悲願であるはずだ。次期100年の戦略として、朝鮮半島統一のためには、どれだけ日本と中国を利用できるかにかかっている。韓国のとって、北朝鮮の吸収において、どれだけ日本から金を引き出せるかが、重要ポイントになるのが戦略的ポイントであるのは、国家最重要命題のはずなんだけどなぁ、、、そういうの理解できる指導者やエリートはいないのかなぁ、と思う。少なくとも、韓国にとっては必要不可欠かつ最もメリットがある話なので、韓国の側から、将来の「その時」にどういうチャネルを創るか?どういう感情装置を歴史を創るか?というのが勝負なはずだ。・・・と普通、考えれば思うはずなんだがなぁ・・・・。もし考えていないのならば、やっぱり国際社会で、歴史の流れで、損するだけだと思うよ。大きな・・・ね。


日本は日本で、そんな素朴でレベルの低い右翼の発露をし続けていれば、やはり東アジアの国際政治力学に対応できずに、沈んでいくだろう。規模や金や成長では、存在感はもう示せないんだもん。それに、少なくともこの50年の間は、日本にとっては、中国のソフトランディングをどうするか?という問題がある。日本は規模からいっても、東アジア全体のバランスを見るキングメーカーにならざるを得ないし、それができなければ、規模がデカいだけに、すぐ自国に跳ね返ってくる。それをブッ飛ばせるほどの、力は残念上がらない。それも、人口が激減し、超高齢化社会に突入するという、人類史の中でも特筆する変化の真っただ中でだ。そんな時、国内をこれだけバランスを欠いた意識が充満していて、、、ほんと大丈夫かいな・・・

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/28号 [雑誌]