フィルターをかけてみる世界

学生時代の思い出は、決して美しいものばかりではなく、日本的な共同体の世界は、腐っててて腐臭を放っていて、つらいことばかりで、、、、ともすれば、自分が属している日本という世界の日常が嫌になってしまう、ため息ばかりなものだ。人の世で生きることは、競争があり、そういったドロドロがあり、決して、美しいことがメインじゃない。日本なんてドロドロした世界から出て行ってしまえ!と煽るアジテーターがいるように、「そこに属している」場所は、人は悪く見えるものだ。だからといって、出て行った人のアジテーターに乗る必要もないとは思うけれどもね。


・・・・・なのに、才能のある人の再構成した映像を見ると、言い知れぬノスタルジーを感じる。もう一度、故郷を再発見したような、とても懐かしい気持ち。一斉に試験用紙をめくるあのシーン、、、自分にもとても馴染みのある、過去の思い出のワンシーン。青春の重要な時間と位置を占めた、過去の思い出。受験戦争なんて二度とやりたくなし、思い出すの嫌なくらい苦しいことで、、、大学受験の後は、もう人生で大きな試験は二度としない!と誓ったぐらい嫌いだったけど、、、時間がたって、こういう映像を見ると、不思議なノスタルジアを感じる。


それにしても、、、、映像を作る人というのは凄い才能だな、、、といつも思う。岩井俊二さんの映像を見るときもいつも思ったものだが、なんてことのない、思入れもない、下手をすると嫌いな風景が、いいようがないほどの懐かしさを感じさせ、きらきら輝いて見えたりして、さまざまな情感を引き起こしてくれる。素晴らしいよなぁ。