『いとしのエリー』 (1984-1987) 高見まこ著  彼らはきっと本当に幸せな夫婦になるに違いないと、当時も、今も思うんですよ、、、

いとしのエリー 13 (ヤングジャンプコミックス)

先日、ハルミチヒロさんの記事を書いていた時に、高見まこさんの『いとしのエリー』連想したらいてもたってもいられなくなって、一気にキンドルで全巻買ってしまいました。大人買いです。そして数日で一気に読んだんですが、、、もう30年位も前の話にも関わらず、面白さが全然色褪せない。絵だってトレンドから古臭いはずなんですが、、、絵柄も全然色褪せないと僕は思います。だって、エリー、めっちゃ可愛いもの。これ、びっくりです。『めぞん一刻』なんかと似た感じの印象を僕は持っているんですよね。古さが全く問題にならない。こういうのって、名作っていうんだろうなーと思います。どうなんだろう?今の若者が読んだら、どう思うんでしょうか?。


僕は、多感なころに読んでいるので、この作品って、自分の中にすごく大きくて、、、、凄い感動したので、何か記事を書こうと思ったんですが、エリーと晋平、、、ヒロインと主人公について、批評的な視点が浮かばないんですよ。いや、二人とも、教師と生徒の恋だし、相当考えなしというか、自制ができていないんで、、、特に主人公の晋平のほうは、もう子供すぎて、どうしようもないと思うんですが、、、それでも、それをダメなものだ!とは全然思わないんですよ、、、。なぜなんだろう?。もう子供すぎて、話にならないんですが、、、、。でもたぶん、この二人の恋は、本物の恋だって、僕は思っているんでしょうね。なので、晋平のダメなところも未熟なところも、「ほんもの」に至る過程だと思ってしまうんですよね。なので、批判的な気持ちが全然浮かばない。それに、彼がどん底まで落ちていく危うさの部分は、これでもかって(苦笑)描かれているので、別に彼が、自分の未熟さで追い詰められていないわけではないので、そこを責めても仕方がないと思うんでしょうね。なるべくしてなっているので。・・・・・この人は、その後の作品も、この情熱で身を焦がしていく恋の危うさと燃え上がる様を描くものばかりになるんですが、ここが好きというよりは、エリーを描いたせいで、これしか書けなくなったんじゃないか?と思います。


ちなみに、今日、さっき、ずっと海燕さんと話しこんでいて、、、、このエリーと晋平の恋を、ぼくは「ほんものの恋だ」と認識しているようなんだけど、、、それってなんなんだろう?。僕はどういうものを、本物、と思うんだろう?なんていう話を、つらつらと話しました、、、いろいろ深い話になったのですが、深すぎて記事にするにはしんどいので、いまんんところ、それは割愛しますが、、、この辺は、たぶん、思考が継続しそうなところなので、また話すこともあるかと思います。海燕さんも、薦めたら読んでくれるそうなので、あっちでも記事になるかもしれません。なので、おすすめなので、ぜひとも、高見まこさんの『いとしのエリー』読んでみてくれるとうれしいです。コメント欄封鎖しているのでなんなんですが、、、、twitterとかで読んだ感想とか少しでもくれるとうれしいです。特に今の世代の人が読んでどうおもんだろう?とか、逆に、僕のような30-40台の人が、20-30年たって読んでどう思うのだろうか?って。



ちなみに、せっかくなので、僕の中ではおおっ!という発見があったので、その話を。



僕は、年下の女の子にしか反応しないし妹大好きという好きな属性がしっかりしている人なんですが、、、、年上がかわいいなーと思ったり、この恋愛がいいなーっていうことは、ほとんどないのですが、、、パッと思いつくのだと、この『いとしのエリー』(1984-1987)の串田枝理子と『ぼくの地球を守って』(1987年-1994年)坂口亜梨子なんですよねー。二人とも、姉さん女房。この二人だけ、特別な感じがする。


丁度、『ボクを包む月の光』というぼくたまの次世代編を読んでいたのもあって、、、、ふっとおもったんですよね、、、この二組のカップルに対して、僕は同じ印象を抱いているって。これって、なんというか、恋愛というよりは、僕は夫婦愛というか、結婚した後に安定しているカップルのイメージを持っているんですよ。ぼくたまの輪とありすも、なんかこのカップル、、、というよりは、この夫婦いいなーって思うんですよ。うーんうまくいえないんですが、エリーと晋平が幸せな夫婦になったら、次世代編の輪とありすのような風になるんだーなーっていうような同じ匂い感というか、接続感というか、、、まったく違う性格だし、、、輪(シオン)と晋平では、大人度というか、性格が全然違うんですが(笑)なんか、、、そんな感じがするんですよね。

ぼくの地球を守って (第3巻) (白泉社文庫)

海燕さんと話している時は、これって、もうすでに恋愛から愛に変わっているその接続のギリギリのラインを感じるんですよね。少女漫画など恋愛を扱ったものは多いのですが、あれって、対象年齢層がそうだということもあるし、性愛をそれが故に扱いにくいというのもあって、愛にまで至らない感じがするんですよ。結婚とかがまずもってのゴールとされてしまう。でも、別に全然そんなのゴールじゃないんですよね。熱愛で結婚して別れることなんか、よくあることです。恋愛と愛はちょっと別のものなので、これがシームレスにつながってずっと維持されるってのは理想なんですが、そういうのって、僕が上でいう「ほんもの」ってやつなので、その「ほんもの」って、僕は凄いレアケースだとおもんですよね。いい恋愛ができる人が、必ずしも言い合いを経験で切るわけでも育てられるわけでもないし、恋愛がなくともすぐ愛にあふれる関係を築く人もいる。でもこれをちゃんとシームレスに一直線に維持するのって、凄いなんというか、質が違うものなので、難しい気がするんですよ。


うーん、まだうまく言葉になっていない。ちなみに、これをつなぐ重要な部分は、僕は性愛だと思っていて、これがうまく描けないと、なかなかうまく接続されない。ぼくたまは、次世代編でもそのへんは描かれていないんですが、僕は凄く裏でそのあたりの匂いを濃厚に感じるんですよね。もともとシオンとモクレンには、その話はありますし、、、大きく取り上げられていないんですが、蓮は、輪が16歳の時の子供ですが(笑)、9歳差のはずなので、ありすは、25歳ですか。確かそのくらいの差だったと思いますが、どうしても不安に耐えられなくて?アリスが輪をおそっちゃった(笑)ということがさらっと描かれていますが、ああ、、、これは、そうだろうなーー、この場合は、耐えられなくなるのは、年上の女性のほうだろうなーって思うんですよねー。エリーと晋平の関係でも、エリーが晋平にべた惚れですもんね。男が女を追いかけてばかりいるように見えるけど、実は、、、、。


うーん、このへん、まだ言葉にできるほど考えられていないんですが、、、たぶん重要なポイントだと思うんで、ぜひともこの二つは読んでおいて比べてくれるとうれしいですねー。というか、、、なんというか、僕は自分でも幸せな夫婦だと思うんですが、、、10年以上たっても、僕は嫁さんのことが、かわいくてかわいくて仕方がないんですよ(笑)。前に書いたと思うんですが、まだキラキラ感が残っている。たぶん世代的にそういう夫婦は増えていると思うんですが、日本で僕の世代より少し上に行くと、まったくいなくなります。不思議なんですよねー。そういうキラキラ感がある対等な関係って、なかなか生まれにくい。過去の日本文学には、そういう作品がたくさんありますが、、、それは、女性の側が非常に個性豊かで、ある種の才人だったケースばかりだと思います。要は特別なケースなんですよね。けど、なんでそういうのが増えているかっていうと、単純で、女性の権利が向上して、女性が本当の意味で対等になりつつあるんだろうと思うんですよ。なので、もちろん、それに適応できなければ、逆に夫婦関係が破たんしやすくもなっているんだろうと思います。時代的に。過去には選択肢がなかったけど、今はあるので、その分壊れやすさも大きい。けど、逆に言うと、対等でキラキラ感のある関係性も、昔のような特権階級の特別な出来事ではなくて、普通に生まれて育てられるようになっている。そんな気がします。


ああ、、、この対等な感じのカップルが、まだこの時点、、、この20-30年では、姉さん女房でなければならなかったのは、、、もしかして、そういうことなのかもしれませんね。年下や妹的な属性だと、上下が生まれるので、古き価値観や男性優位の価値観に引きづられてしまうのかもしれません。なので、描きにくい。えっとね、、、そんで、僕は、自分の夫婦生活の体験と振り返りから、、、それをすごく思い起させるのって、この二作品だけなんですよね。恋とかを思い出すことはほかの作品ではあっても、今の夫婦の幸せなキラキラ感を、じわっと感じさせるのって、この2作品ぐらいなんですよねー。。。。『めぞん一刻』なんかは、僕はとっても安定しているんだけれども、恋のほうによっている感じが、、、、でも近いものかなぁ、、、、あっと、音無響子さんも、そういえば年上ですね!!!!。おおっ、、、、そうか、、、、なんか、すげぇ共通点あるな。まぁ、、、特に、輪とありすの夫婦関係は、いやー理想だなーって思いますよ。なんか、すげぇ、いい。ちゃんと、お母さん、お父さんであり、男と女であり、、、というような感じが凄くシームレスに同居している感じで、愛を感じるなー。僕はこの二人のカップルを読んでいると、じわって泣けてきそうになるんですよね。なんか、幸せ感が満載で。彼らの過去の背景や、恋愛から愛にいたるまでの履歴が濃く描かれているからでもあると思うんですが。


まぁ、そんなことを思いました。特に若い世代の人は、高見まこさんの子の作品なんか読んだことないと思いますので、名作なので、ぜひとも。ちなみに、どうせなら、サザンオールスターズの名曲『いとしのエリー』を聞きながら、時代の雰囲気を感じてもらえると、うれしいです。


ボクを包む月の光「ぼく地球」次世代編 11 (花とゆめCOMICS)