『エロマンガ先生 (5) 和泉紗霧の初登校』 伏見つかさ著  伏見さん上手いなー。すごい好きです。

エロマンガ先生 (5) 和泉紗霧の初登校 (電撃文庫)

未完のため未評価
(僕的主観:★★★★4つプラス半)

kindle発売初日に、すぐ読んじゃうとか、ぼく好きなんだなーこの人の作品。いつもながら伏見先生の小説は、素敵ですね。凄く幸せな時間でした。この評価、というやつも難しいですよね、、、好き嫌いか?だけでいうと、ぶっちぎりでもう星5つ以上の感じなんですが、うーん、まだ良さをはっきり言葉にできないので、文句なしといえない感じです。まぁ、なんというか評価って文脈とか、その他の作品と比較してみるべき優先順位とか、いろいろポイントがあるので、なんというか主観的な、このああ、おれこの小説好きだぁ!!とかいうどこまでもサブジェクティブ感情というのは、うまく表現できません。とにかく、好きなんすよねー、、、凄いいやされる。とはいえ、そう主観的な、えがったわーというだけだと、他の人には手掛かりにならないんですよね。で、なにか言葉を探している。


そんで、少し何かが結晶化しそうなんですが、、、、、、、昨日までの2日間で、丸戸史明さんの『冴えない彼女の育てかた』を12話を2日で見るという無謀な(僕は今シゴト山場の状態(苦笑))で、睡眠時間が平均2−3時間になってしまって、ヘロヘロの状態なのに、、、、今までだと、仕事ができなくなるか風邪でも引きそうな感じなんですが、なんかパワーがもらえる感じで、いやーいい物語って、本当に癒されますねぇ。って本題から外れた。えっとね、『冴えない彼女の育てかた』って2015年、今年の作品ですよね、小説は、2012年初版。これはハーレムメイカーの王道にして非常にクラシカル感じのラブコメなんですが、なんか、これを見ていて、『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』小説は2011年で、アニメが2013年ですが、これをすごい思い出したんですよね。そして、今日の、エロマンガ先生を読んでいて、いくつか共通することを感じたんですよね。どれも、ハーレムメイカーになっているというのはあるんですが、ライトノベルのこのあたりに、これらの日常モノの先にある古典的なラブコメ回帰の最前線の何かが、、、、。


まだ言葉になっていないので、感想がてらにメモメモを。というのははですね、『冴えない彼女の育てかた』を見ていて、あまりの完成度の高さに腰が抜けるほど、楽しかったんですが、、、、ラブコメでハーレムメイカーな要は女の子がいっぱい出てくる作品なんですが、しかもメッチャクチャかわいいんですが、、、、、不思議な印象を受けたんですよ。それは、好みのヒロインがいなかった、ということなんですよ。 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』って、ぼく死ぬほど好きなんですけれども、これはもう明確にはっきりとむちゃくちゃに、黒猫一択で、愛しているんですよ(笑)。それ以外ないだろうという形で、自分の心が決まっているんです(←だれも興味ないと思うけど・・・・)。けど、、『冴えない彼女の育てかた』もこの 『エロマンガ先生』も、凄い凄い、根拠とか文脈とか抜きに、読んでいて幸せになる感じの、すっごく引き込まれるのに、特定の誰かが、いいって思わないんですね。twitterで実況中継しながら見ていたんですが、、、、今思うと、ヒロインどころか、主人公の男の子の安芸くんのことばかり書いているんですよね。

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これって、、、、ちょっと不思議だったんですよね。ラブコメなのに、ハーレムメイカーなのに、要は全体の雰囲気とか人間関係とか、そういうのがいいって思っているんですよね。ハーレムメイカーが行きつく先のルートとして、男女同数の、いいかえれば普通の人間関係に回帰するのではないか、というふうに宮原るりさんの『恋愛ラボ』の展開から数年前に予測していたんですが、あんまりそういう作品でないなーって、いっていたんですよね。たしか、LDさんは『仮面ライダーフォーゼ』(2011)の主人公の振る舞いを見て、ハブになる男の子が登場する傾向があると予測していました。

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男女同数的なものは、その後、特に出てくることはなく、どちらかというと『WHITE ALBUM2 幸せの向こう側』のような古典的な2人のラブコメに行くような感じがしていました。アニメは2013年でしたね。この辺りは僕もすべて見ているわけではないし、なんとなくの感覚的な、自分が見ているものだけでの話なんで、本当にそうかはわからないのですが、、、、。

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けれども、いま2015年後半以降になって、連続で見たものを全部思い出してみても、特にライトノベルの最前線は、男女同数のように男性キャラクターがバランスよく出てくるようになってきている感じがするんですよね。大御所である『妹さえいればいい。』とこの伏見さんの『エロマンガ先生』も、なんというか、そういう感じになっている気がする。
 
妹さえいればいい。 (ガガガ文庫)

なんか、みんな同じ設定、同じ何かを見ている気がするんですよね。その「なにか」が、まだ言葉にできていないんですが、なんか似ているんですよね。黒猫一択のような、ヒロインにはまってしまうというのとは違う感じの魅力で、、、、伏見さんの『エロマンガ先生』も『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』も、どっちもやっぱり大事なのは、友だちを得ていくこと、それが大きな基盤のテーマですよね。ほとんどテンプレで、ほとんど同じなんだけど、、、、何かが決定的に違うんですよね。『エロマンガ先生』と『妹さえいればいい。』は、その何かがはっきり見えている感じがします。それが何なんだろう?って凄い思うんですよね。


いま、それ考えています(笑)。


みなさんも、ぜひとも、これらの作品、良いので、見てみてくださいー。


まぁ、それらの文脈読みは文脈として、今回の5巻はよかったなー。正宗の妹の紗霧が、、、、この子は引きこもりなんですが、がんばって、家の1階まで降りるんですよね!!!!。って、こうまとめると、5巻もかかって、家の一階に降りただけなんですね(苦笑)。でも、なんか、泣けたなぁ。ぐっときました。やっぱドラマの盛り上げ方が、伏見さんはうまいですね。『妹さえいればいい。』もそうなんだけど、登場人物は、高校生や中学生ぐらいで、プロのライトノベル作家としてやっているというだけに、要は成功者だし、ちゃんと生きている。けど、みんなたぶんスクールカーストでは相当下か、残念(=自己の求めるものと、周りの評価や持っているものがかみ合っていない人)な人たちなんですよね。でも、そういうことに左右されていないのは、時代だと思います。たぶん、ヲタクとか非モテとかいう自意識系の話は、ここでは意味を失っているんだろうと思います。でもだからといって、生きるのが大変なわけじゃない。ひきこもって、部屋から出れないことすらある。それは、本当に偶然になってしまうものだし、自意識をこじらせなくても、部屋から出れなくなりさえもする。それでも、、、一歩出る、、、っていうお話が、、、狭霧頑張ったよなぁ、、、って泣けた。


いやー好きだなー。