日本の若者の不満を代表するのは?、この文脈が日本にないようにみえるのはなぜだろうか?

なぜ「選挙にいかない世代」だった若者が左派に熱狂するのか

「選挙に行かない世代」と言われて政治に放置プレイされていた若者たちが、大西洋の両側で不気味な政治勢力になりつつある。英国のコービンをはじめ、スペインには結党2年目で第三政党になったポデモス、米国にも大統領候補指名レースで思わぬ善戦をして多くの人々を驚かせているバーニー・サンダースがいる。彼らを熱狂的に支持しているのがジェネレーションYだ。

就職難、将来性のない仕事、ハウジング・クライシス、借金、下落する生活水準、結婚や子供なんて望めない。先進国では、どこの国の若者も同じような問題を抱えている。

ガーディアン紙のオーウェンジョーンズは、若者はけっして「政治なんてどうでもいい」と思っているわけではないという。ただ、あまりにも長い間、彼らに関係のある事柄が政策メニューに上らなかったため、自分が抱えている問題と政治をリンクさせることができなくなったのだという。しかし、コービンやポデモスやサンダースが、彼らの問題をダイレクトに解決する政策(「大学授業料無料化」「手頃な家賃の住宅の大規模提供」など)を打ち出してきたため、「こんなに自分が辛かった理由は政治だったんだ」と気付いたのである。


http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20160325-00055564/?utm_content=bufferf4aae&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
左派に熱狂する欧米のジェネレーションY:日本の若者に飛び火しない理由
ブレイディみかこ | 在英保育士、ライター 2016年3月25日 8時36分配信


僕は、ヨーロッパのことはわからないが、、、アメリカのありえないバーニーサンダースさんの熱狂は現地にいるとよくわかる。ただね、彼のメインに主張するのが「大学の学費無料化!」なんですよね。なぜそれがメインなのか、よくわからなかったんですが、ずっとそれを連呼していて、そしてそれに若者が熱狂するんですよ。それってこういう構造があるんですね。ようは、若者層には、職も未来もないんですよ。それでまともな職を得ようと学歴を得ようとすると、信じられないほどのお金を借金しなければならなくなる、、、そういう構造が、あって、その不遇感に答えているんですね。だからこそ、若者に凄い支持がある。これは先進国共通の課題なんですよ。だから、ヨーロッパでもアメリカでも軌を一にして、左翼が強い輝きを帯びて、支持され始めているんです。また、同時に彼らは、反移民でもあります。それは、若者世代の職を奪うことになるからですよね。左翼が、ネイションステイツの中での平等を主張するけれども、グローバリズムの中での地球規模での富の平準化に抵抗する(言い換えれば植民地の収奪を肯定するようなもの)のもまた、構造的なものです。この矛盾を解決できないけど、



Bernie Sanders Schools Bill O'Reilly on Socialism and 2016 Run


アメリカ的な文脈はあるにせよ、若者世代で、職がなく、もしくは苦しんで奨学金を得ていたり、未来に希望が持てなければ、、、このバーニーサンダースさんの主張に、ぐっとくるはずだ。というか来ないほうがおかしい。理想的過ぎて、ほぼ不可能だと現実的には思えるが、現実的とかいって、なにもできないで人生おわるよりはいっそ、、、、と。


「ミレニアルズ:ジェネレーションYの試練」 ガーディアン
http://www.theguardian.com/world/series/millennials-the-trials-of-generation-y


Millennials like socialism — until they get jobs
https://www.washingtonpost.com/news/in-theory/wp/2016/03/24/millennials-like-socialism-until-they-get-jobs/?tid=sm_fb


http://www.theguardian.com/commentisfree/2016/feb/04/jeremy-corbyn-bernie-sanders-young-voters-left
US elections 2016
First Corbyn, now Sanders: how young voters' despair is fuelling movements on the left
Owen Jones

Jeremy Corbyn Labour leadership interview - Newsnight



http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20151108-00051236/
保守が品格を失う時 / ジェレミー・コービンが炙りだすエリートの悪意
ブレイディみかこ | 在英保育士、ライター 2015年11月8日 10時9分配信


この辺の記事凄いおもしろいです。いやーブレイデイみかこさんの記事は凄い勉強になるなー。

英国に戻ったわたしを追いかけるように届いたのは松尾匡という学者さんの「この経済政策が民主主義を救う」だった。同著によれば、欧米と日本では、右派と左派の経済政策が見事なほどねじれているらしい。

日本では、左派・リベラルと言われている政党が「緊縮」派で、欧米の左派のような経済政策(金融緩和、政府支出)をやっているのがアベノミクスだという。

確かに、コービンやポデモス、サンダースら欧米の左派たちは大前提として反緊縮派であるから、松尾さんが書かれている通り、金融緩和に反対したり、弱者を犠牲にしてまで健全財政を目指したりしない。それは保守派がやること(英保守党の政策がその典型)だ。

日本では左派がサッチャーの如くに緊縮を志向し、右派は金融緩和と財政出動はやっても若者のためには金は使わない。となれば、ジェネレーションYは捨てられたも同然だ(日本のNPO界隈で「若者支援」という言葉がふつうに定着していることは20年間海外にいるわたしにはけっこう衝撃的だった)。

左右の政策がねじれていてもそれが独自の文化なら、何も欧米をコピーすることはない。が、洋の東西を問わず、左派とは本来、社会構造の下敷きになっている者たちの側につくものではなかったのか。


http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20160325-00055564/?utm_content=bufferf4aae&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
左派に熱狂する欧米のジェネレーションY:日本の若者に飛び火しない理由
ブレイディみかこ | 在英保育士、ライター 2016年3月25日 8時36分配信

日本は、そういう意味ではねじれがあるというのが、わかってきた。いろんな人がいい始めてきていますよね。世界の流れとずれているので、おかしいのがよくわかってきたんですよ。アベノミクスは、経済学の視点で見れば、反緊縮のバラマキにしか見えず、普通これをするのは左派がやることだ。それは弱者を守るための政策。アベノミクスを経済的に考えればそれ以外は評価しようがない。なんで左翼や野党が反対するか、とても僕には不思議に思えるが、そこが「ねじれ」というやつなんだろう。ただし、ここでいうアベノミクスの弱者とは、高齢者世代であるし、正社員を中心とした既得権益者に限定されている。若者世代は無視されるし、もちろんのことこのやり方は、未来世代、いいかえればさらに若者たちの可能性を収奪していることになる。なので、文句を言うなら、そこなんだよね。なんで、そうならないのか、そこを野党が左翼が責められないのかが、不思議で仕方がない。伝統的にねじれがあって、日本的な左翼は、緊縮財政を志向する知的エリートが多いとかいうのも、まぁ歴史的にわからないでもないが、といっても、これだけマグマのように不安がたまっているのを、政治が代表できないというのは、なんだかすごくおかしい気がする。何が、違うんだろう。この日本的左翼の伝統の他に、もしくはその奥にもう少し本質的な理由があるような気がする。もう少しコツコツ考えてみないとなー。


ただし、、、、僕は、日本社会に、世代で分裂する文脈があるようには、あまり感じないんですよね。構造的には、はっきりあるんですが、その事実とは別に、なんだかそういう風な対立構造を煽っても火が付く文脈がないような気がする。物語に、その文脈がないんだもの。なぜなのか?、これって、、、実はすごい重要な問題なのではないかと、と最近思っています。なんてことを、つらつら考えます。