『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』 奥山真司著 順次戦略と累積戦略は、相互作用で効果が極大化されるという指摘が自分的大発見でした!

世界を変えたいなら一度


順次戦略と累積戦略。


これは自己実現系の自己啓発の本なのですが、地政学の奥山さんの本は凄い面白かったので、手に取ってみました。トータルでいうと、意外に、普通の自己啓発の本でした。正直言ってこの手の本としては、戦略という視点から見る部分は面白いですが、それならば他の著作を読めばいいわけで、凄いお薦めというわけではありません。特に、例が凄くしょぼくて、ちょっとこの程度の例を書くなら、無理して描かないで、戦略の話や国際政治の話だけに絞ったほうがよかったと思いました。


ただ、個人的には、順次戦略と累積戦略の2つが戦略にはあるという話が、凄いエウレカでした。というのは、僕は、自己実現というのは、常に、ここでいう順次戦略・・・・目標を定め、明確にして、表に出して、双六のようにそこへ向かっていくものだと思っていました。けど、累積戦略・・・・目標を持たず、クンフーのように繰り返して、蓄積されたものがある時にあふれ出るようにステージを変える、というのも、あるんだという風に書かれていたのが、凄い印象的でした。というのは、僕はこのクンフー的なものを、いつもいってきたので、順次戦略と累積戦略は、相互作用で効果が極大化されるという指摘は、おおっ!!!と唸らされたのです。両方を別物として考えていたので、なるほど同じ戦略というコンセプトの2種類で、相互作用があるものだという風に位置づけると、凄いしっくり来たのです。これは、僕には大発見でした。僕がいってきたクンフーのように日常で繰り返して、目的を持たずに、ある境地(=心的状態)を常に維持するというディシプリンと、自己実現家系の、目標を明確にしてそこに向かっていく単線の発想が、よもや相互作用があって繋がっているものだとわ!!!。これは大発見でした。


ちなみに、マッキンダーとかの戦略の大著を読む前に、補助線としては、下の本とかよかったと思います。

地政学―アメリカの世界戦略地図