『少女不十分』 西尾維新原作 はっとりみつる著 素晴らしい漫画化でした!

少女不十分(3) (ヤングマガジンコミックス)

評価:★★★★★5つ
(僕的主観:★★★★★5つ)

すばらしかった。原作はとても味わい深い素晴らしい作品なんですが、もう暗すぎて暗すぎて(苦笑)、漫画化できるとは思いもよりませんでしたが、本当に素晴らしかった。誰だかわかっていなかったのですが、途中で、おおっ!『さんかれあ』のはっとりみつるさんだ!とびっくりしました。原作の世界観やイメージに合った見事な映像化で、驚きました。プロフェッショナルだなーって。匂いのシーンとか、すげぇ!って思いました。超文学の香りがする原作に相応しい品格の画力で、素晴らしかった。素晴らしいマンガです。こんなに作りこまれたものを見るのは久しぶりな気がします。はっとりみつるさんは、考え抜いて、この作品を作ったのだろうなと思いました。


まぁ、読め!


です(笑)。もう最終巻まで出ているので、一気に読めると思うので、おすすめです。


ちなみに、僕の人生の中で小説では、、、、もうこう考えると5本の指に入ってしまうくらい(←僕の読んでいる量からすると、これ凄いよなー)辻村深月さんの『スロウハイツの神様』が大好きなんですが、これ両方読むと、うおって凄い思いますよ。そのつながりに。

ちなみに、この作品は、なるほど、出るべくして出る作品だな、と思いました。というのはテーマは、辻村深月さんの『スロウハイツの神様』とまったく同型。小説家が小説を書くのは何のためか?というものの答えが描かれている小説だからです。僕は、『スロウハイツの神様』の感想で、この作品を読んでいると西尾維新が思い出されて仕方がないと思っていたら、後書きが西尾維新さんでびっくりした、と書いたのを覚えています。あのテーマへの返歌?的なものだと僕は思います。あれにイスパイアされたのは間違いないでしょう。だから、どっちの小説でも「いい」と思える人は、確実にもう片方を読んでも感動しますので、お薦めです。ちなみに時系列的には、もちろん辻村さんのほうが先なので、『スロウハイツの神様』を読んで、それに対する西尾維新さんの後書きを読んで、その続きとして、この『少女不十分』を読むといいと思います。もちろん、繰り返しますが、西尾維新さんの作品を過去読んでいることは必須の条件です。


『少女不十分』 西尾維新西尾維新の描く小説家が小説を書く理由・・・という物語(というあたりがメタ的だよなー(苦笑))
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110926/p1


少女不十分 (講談社文庫)




ということで、凄いおすすめです。ちなみに、ぶっちゃけていってしまうと、辻村さんの作品によく出てくる小説家のチヨダコーキさってん、西尾維新さんがモデルですね。まんま。そうして、ぜーんぶ読むと、、、、、まじでうおって!って思いますよ。僕は大好きで、大好きで、大好きです!!!。こういうメタ体験ができるのも、物語だなーってしみじみ思います。



スロウハイツの神様』 辻村深月著 この絶望に満ちた世界を肯定できると力強く断言すること
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110616/p3


いまは亡き友人のルイさんに薦めたら、大絶賛してくれたんですよね、、、、今でも忘れられません。この作品は、本当の本当にいいので、おすすめです。


スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)