Washington's War (Full Movie) - General George Washington and the Revolutionary War

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7/15(水)。アメリカは、6.5万人/dayの新規感染者で、もう何がなんだか、ニュースを見てても気が重い。フロリダは、死者数がNYのの最悪ケースに近づきそうとのこと。・・・なのに仕事が重くて、毎晩夜中まで。カリフォルニアも、再度ロックダウンに踏み切ったので、やっぱり岩田健太郎さんら専門家が、予測していたように、全世界が落ち着くまで、増加とロックダウンと低下と再開の繰り返しになるというのは、間違いないな、と思う。この現実をベースに、同「その後」を生きるかという哲学というか、心構えはいるよなぁとしみじみ思う。

さて、上記は、Twitterで流れていて、見たら止まらなくなってしまった。西川秀和さんの『アメリカ人の物語』を、ものぅごぉーーーーーくゆっくりメモとりながら、いろいろ調べながら読んでいて、革命戦争期やワシントンのことに思いをはせていたので、「この辺りの歴史感覚や地理感が」それなりにある状態で見ると、こういう歴史再現ドキュメンタリーみたいなものは、物凄い萌える。やはり、風景や、意匠、態度、武器とか、字ではイメージしきれていない具体的なものが、ガンガンリアルに見れるから。ちょうど、Valley Forge (バレーフォージ)のあたりを今は読んでいる。

ボストンのDorchester Heights (ドーチェスター・ハイツ)も、このあたり、観光に家族で行った。惜しむらくは、その時は、まだ頭の中にイメージが強くなかったので、へーと流すだけになってしまったが、この地理構造を知っていれば、海を見ながら、フランス海軍やイギリス海軍の動きを考えられたのに、とちょっと悔しくなった。

Dorchester Heights - Boston National Historical Park (U.S. National Park Service)


僕は西海岸に住んでいるので、まだ数年はコロナの問題は収まらないだろうから、もう東海岸に旅行に行くという可能性は、かなりないと思うので、さびしくて、ちょっとがっかり。昔リンダグラットンさんの『ワークシフト』を読んで、ヴァーチャルな観光や通信のレベルが上がれば、「実際の移動」というのは、とても高価で贅沢なものになり、人の国際間の移動は激減するかも?みたいな未来が書いてあって、それは全く想像できないなーと思っていたのだが、まさにこのことだったんだ、と震撼する。つい先日まで、グローバリズムは、なんといっても正義という感じだったが、それ自体は僕は変わらないと思うが、様々な物理的制限が違う時代が来るのは間違いない。

ちなみに、けさのNBCのニュースでこれやっていた。いやーなんというか、、、。


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まぁ、そう思いながら、やれることを、コツコツやるしかない。マクロの未来に思いをはせるの趣味であって、人が生きるのは目の前のことを淡々とこなすしかないものだから。と思いつつ、アサシンクリード3ができていないのが、自分の中ですごい残念。なんとしてもやらなければ、とこの映像を見て、思いを新たにした。


[asin:B019OUQOWE:image:large]


いま、、、、それですごい、いいなぁーと思うのは、アフリカンアメリカンから見たアメリカの「今」や「歴史」をこれでもかと映画なり見続けて考えてたので、それと、比較すると、ワシントンや革命戦争の歴史って、物凄い味方の角度が変わる。同じアメリカじゃないみたいだ。これ、この現実の差異を知らないと、話が全く通じなくなってしまうだろうなぁ、としみじみ思う。両方を見れるのは、とても幸せなことだ。


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保守ではなく反左翼というカテゴリーで

David Brooks:

People like Biden. I think (AUDIO GAP) his agenda. But, right now, that seems to enough.

I had a lunch with a Republican senator a couple years ago now. And he ran. He was up in 2016. And he said, what was interesting about my rallies in 2016, he said, I didn't know any of these people, that they were not the Republicans I had known in my state all of my life.

There was a new group that came in and took over. It was a hostile takeover of the Republican Party. And the people in the Jefferson Project, and people in the Bush campaign, are conservatives. Trump is not a conservative. He is an anti-leftist. And there is a difference.
And so, if you are a Bush person, say, and a lot of the Jefferson Project people are McCain people, you served a man of character. You sort of believe in America's expansive role in the world. You believe in immigration.

What the Trump party offers you is neither character nor good policy. And so for a lot of people, I am surprised it has taken them this long. This is a clear choice, that they need to change, and they are willing to give up on judges and some of the other issues they care about just for the moral health of the country.



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このトランプ政権の支持者が、「保守」ではなく、「反左翼」というのは、なるほどなぁと思いました。ずっと考えてきたことが、クリアーに少しなった気がする。僕も、トランプさんやトランプさんの支持者の、激しやすいポイントって明らかに、「左翼全般を敵視する」という部分にあるよなって思うんですよね。左翼の定義は、ブロードで、リベラルがすっぽり入るのですが、アンティファなどの治安を乱す極左の活動をターゲットに、言説、メッセージに乗せてやると、極端なくらいに火花が散って爆発する。「反左翼」には、そういった「秩序の紊乱を許さない」という直接的なところから、「現状を維持する(+保守)」につながって、「白人至上主義などを包含する反リベラル」まで、全部おおってしまいやすい。でも、「反左翼的なもの」だけに焦点が合うと、古き良き共和党、GOPの価値観にまで抵触しちゃうので、そこでコンフリクトが起きる。

www.cnn.com


George W. Bush元大統領が、バイデンさんを支持するという話が出ていたが、上の文脈の、共和党内部での派閥というか支持志向の違いが、うっすらと分かって気がする。民主党の、中道と極左の差はずっとモニターしてて、分かっていたんだけれども、共和党は現政権ということもあるし、いまいちよくわからなかったんですよね。ただ、だいぶ考え方には差があるのはわかっていたんですが、なるほど、ボストンティーパーティーなどの右派、中道(=これが保守に当たるのだろう)そして、それと反左翼は、いいカテゴリー分けかもしれない。今後の考えの、手がかりになりそう。


いままでずっと民主党の分裂を考えていたんだけど、これをきっかけに、違いが理解できるかも。

US President Donald Trump has railed against the "cancel culture" of those who toppled monuments during recent anti-racism protests, in a speech to mark 4 July at Mount Rushmore.

He condemned those who targeted statues as "angry mobs" trying to deface "our most sacred memorials".

Mr Trump accused protesters of "a merciless campaign to wipe out our history, defame our heroes, erase our values, and indoctrinate our children".

"We will not be silenced," he said.
Mount Rushmore: Trump denounces 'cancel culture' at 4 July event
www.bbc.com

www.bbc.com


www.texastribune.org



閑話休題


トランプ陣営にとっては寝耳に水だったようだが、主流メディアにとっても驚きだった。次第にわかってきたのは、この驚くべき現象の背後に、ソーシャルメディアTikTokのユーザーとK-POPのファン、そして「TikTokおばあちゃん」というニックネームをつけられた女性の存在があるということだ。ピート・ブーテジェッジ(注:民主党の候補として2020年の大統領予備選に出馬したが後に辞退)の選挙ボランティアを始めた1年前までは無所属だったというこの女性は、「トランプ集会のチケットをリクエストしたうえで行かない」という具体的な抗議運動の方法をTikTokで伝授した。このビデオが若者の間でシェアされて広まった。この方法を広めたもうひとつの意外なヒーローは、ARMYと呼ばれる団結力が強いK-POPのファンだという。以前からトランプに対し批判的だったK-POPファンによるチケットのリクエスト活動はさらにめざましいものだったようだ。

imidas.jp

僕は、これはどう受け取ればいいのか、まだ自分の意見が固まらない。というのは、トランプ大統領のラリーに対して、要はサイバーテロをしたことになるんだろうと思うけど、、、これって、違法行為なんじゃないの?と思うんだよね。もしくは、仮に違法ではないとしても、これを、肯定的に受け入れていいものかどうか、僕はかなり疑問だ。トランプ大統領への批判ということで、肯定的に見ている人が多いが、これはそうとってはいけないんじゃないの?と思う。


というのは、これって、たとえば、仮に、民主党の候補者、、、たとえばバイデン候補が実際の集会をする時に、同じことをやり返されたら、そんなことはやめるべきだ!となるはずだと思うんだよね。自分に都合のいい相手や集会に対して、集会自体の妨害行為を肯定なり、、、、しくなくとも批判しないのは、ダブルスタンダードになってしまう。あまり暴力的なことを肯定してしまうと、際限のない報復合戦の例になってしまうので、これは、僕はあまり認めたくないなー。なによりも、いまのトランプさんの戦術は、明らかに、「秩序に対する破壊活動、テロ活動をする奴らを否定せよ!」というメッセージなので、ここを野放しにするのは、非常に危険だと思うんだよね。少なくとも、実力による妨害は、肯定されるべきではないともうなぁ。


しかしながら、、、僕自身も線引きをどこのあたりにするかは、悩んでしまう部分はあって、同じことは銅像の引き倒しにも言えるんだけど、あれは僕は、「行き過ぎであってもやるべきもの」のような気もするんだよね。あれは実力行使に出ないと、そのまま極右の歴史の記憶が固定されてしまう、、、というのは、なるほどというか思ってしまうんだよね。。。。。。というと、まさにいまの自分の批判と同じ批判が帰ってくるんだけれども。自分のなかで何が違うんだろう、、、というのを、いろいろ感がさせられる今日この頃。


これって、どこまでが、世界の停滞を打破するべき抗議活動なのか、というのと、秩序を破壊する革命活動なのかの、線引きって、実際は難しいんだよね。いろいろ考える。これって、まさに「自分の実際のスタンス」、ポジショニングが問われる話だから。


ちなみに、このコロンブスリー将軍銅像の破壊活動や南軍旗の起きている現象は、僕は歴史修正主義や、日本と韓国でいうと従軍慰安婦問題や慰安婦像の話と、ハイレベルで考えると現象としてシンクロしていると思うんですよね。ことは思想戦争なので、どっちの「歴史的な解釈」が勝つかの、実力闘争になっている。「行き過ぎな行動や捏造による実力行使」をしてでも、現状の「極右的な捏造の歴史修正主義」に抵抗しないと、そのまま現在の(もしくは過去によって固定された)歴史解釈の捏造が継続してしまうので、手段は問わず、行動を起こす!!!。革命を志向する思考なんだけど、、、、これって個別のケースですごく、よくわからなくなる難しい問題。例えば、ドイツでいえば、アウシュビッツはなかった!みたいな意味不明の話に対抗するためなら、ウソや捏造を通してもそういった極右思想を止めなければならない!と言われると、ウソはともかく、、、うーん、そうかも、と思うでしょう?。さすがにアウシュビッツなかったは、ないだろうと。でも、これが、南軍旗やリー将軍コロンブス銅像や、従軍慰安婦像とかになると、価値観と現勢力の実力闘争になるので、、、わけがわからなくなる。そもそも特にローカルな闘争は、外から見たら意味不明になる。事実関係って、本当に難しいから。コロンブスが、ネイティヴアメリカン虐殺のシンボルで、西海岸の諸州は認めていないで、東海岸や南部側とケンカしているとか、アメリカ来るまでで、僕は知らなかったよ。そうすると、どの民族、どのグループ、どの価値観を信じているかによって、「どのあたりが歴史的事実で保守的(=まぁ妥当な歴史解釈)な視点」かは、かなりずれてしまう。こうした歴史の解釈をめぐる、、、歴史の記憶をめぐる闘争が世界中で起きているのは、まさに20世紀の価値が、いまリビルドされる時期に来ているからなんだろうと思う。こういう歴史解釈をめぐる、動揺を見ていると、「書かれた歴史」とか「定まった歴史」というのは、まじでめちゃくちゃ信用ならねぇな、と凄い思う。自分の現在の思想信条から、解釈しなおしているわけだから。


閑話休題


この独立記念日ウィークというか、休みは、いつもや旅行に行くので、家でゆったりしないので、ずっとトランプさんの式典やスピーチを見てた。しかし、もう驚くのなんの。なんというか、ポリコレに対して、これでもかとケンカを売る姿勢は、極論で自分の支持層の身を選挙対策で見ているが、凄くわかる。同時に、「アメリカの保守的な白人中心主義の価値観」のステレオタイプを強調して見せてくれるので、なるほどなぁ、アメリカの中産階級の白人には、世界はこう見えているんだなぁ、と非常に興味深かった。というのはべ、、、なんというのだろう、最近アフリカンアメリカンの映画やドラマを見ていると、その視点は、リベラルで極左の方に価値観が触れている視点だと思うんだけど、これまでのアメリカの歴史が全く違って見えるのね。でも、いま同時に、ワシントンとハミルトンの自伝を見ていると、なんというのあかなぁ、ヴァージニアやピルグリムファーザーズのアメリカの歴史が、どんどん変わっていっているのが、凄い感じる。だって、建国の父のワシントンやジェファーソンだって、奴隷肯定の差別的な人種主義者にしても、事実から言っておかしくないので、そうすると歴史の解釈が全く変わってしまう。この二人が、「本来もっと自由で平等なアメリカ」の反動的な敵対者として描かれても、おかしくないわけだから(苦笑)。いや、それは、さすがにねぇだろうといいたいところだけど、これが南部の話になると、もうめちゃくちゃ複雑になるのがよくわかる。


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Mt Rushmore Speech



なので、無批判に見ていると、非常に偏った「物語」を見せられている可能性があるというのは、特に今回の『13th』などの映画を見ると、そういう視点で歴史を再構築もできるのだ、と驚く。そして、今度はこっちばかりを見ていると、またそれはそれで偏るのだろうと思う。まぁ極右と極左の視点は、同時に見ておかないと、ほんとうの中道はわからないんだろうと思う。


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7/4は、フラストレーションがたまっているのか、物凄い花火だった。毎年、それなりに音がするけれども、今年は、寝れないぞ!というくらい、ガンガン凄かった。ほとんど違法。いやーストレスたまりまくりだな、アメリカ人。


【AzukiaraiAkademia2020年6月ラジオ】アメリカBLM抗議デモと暴動+僕ヤバとラブコメ


Academia/Academia/アメリカBLM抗議デモと暴動+僕ヤバとラブコメ 2020/06/20


タイトルで、既に意味不明的な感じがするが(笑)。いつものアズキアライアカデミアのクオリティ。6月の放送。LDさんの認識が、興味深かった。彼の「革命」に対する認識は、とても面白い。もともと、ずっと考えてこだわっているところだったのですが、今回の銅像の打ちこわしの話とリンクして、なるほど!という納得がありました。アメリカの銅像打ちこわしが、建国の父にまで飛び火して、さらに地理的に連合王国やベルギーなどヨーロッパに飛び火しているのは、世界の「人種差別に関する認識」に革命が起きている流れで考えるとわかりやすい。また、「革命」は、基本的に暴力を伴うし、少なくとも憲法レベルのコモンセンスを、まっさらな更地にすることを要求しているわけで、そこには止まることはない。そして、だからこそ、保守、右翼サイドが、この問題を法と秩序、公安(パブリックセキュリティ)の問題としてアクションするのは、正しいのだろうと思います。ただ、日本は、この「流れ」が全く理解しているようにも、ついていっているように思えないので、先の大戦に突き進んでいったときに「国際情勢に対する感度のなさ」が、また出てきている気がして、不安です。


などというまじな話の最後は、ひたすら最近僕ヤバが、素晴らしすぎるという話でした。相変わらず、我々の会話は、脈絡が飛びすぎ。

The Capitol Hill Autonomous Zone (CHAZ)って、もうGeorge Floyd protestsと関係ないよね、これ。


本日は、6月26日の金曜日。さっきゴールドマンサックスのCOVID19に関するデータを読んでいたけど、やばいね。アリゾナやテキサス。特に、カリフォルニアは、躍進。うれしくないけど。特に、ロサンゼルスカウンティの上がり具合が半端ない。わがオレンジカウンティは、まだそれほどでもないのが、少しの安心?材料。5月末から、まだ一月もたっていないのに、何か月もたったような感覚がある。今週6/22の週から息子のサッカーのクラブの練習は再開。サマースクールもだいぶ再開。もちろん、距離を保ったり、いろいろ制限はあるけど。でも、何とか日常を再開しよう、元に戻そうという雰囲気は、あるものの数字が裏切っている。どうなるのかなーと、不安はますばかり。

もう一つのホットシューは、やはりビザ発給停止問題。アメリカの労働者を守るというイメージのもとに進められたのですが、実効はかなり疑問。しかし、移民や外国人を減らそうとする、「なる振りかまわない」行動力は、支持者にどう映るのだろうか。この辺になると、思想戦争的な対立を帯びる話で、アメリカを移民の国ととらえるか、それを制限する鎖国傾向を選ぶのかは、価値のコア中のコアなので、これは意外に重い気がする。とはいえ、それ以上に、経済の失速が、凄すぎるというのもある。4月の14.7%は戦後最悪。5月は持ち直して、13%。トランプ大統領は「経済再開は極めて順調だ」と主張しているが、失業率は金融危機時のピーク(09年10月、10.0%)を超えたまま。というよりも、僕の周りのアメリカ人の友人が、MBAホルダーをはじめ、どんどん解雇されたという連絡が来る。君のところで、職はないか、という連絡も。勤続年数が10年を超えるようなベテランも含めてなので、正直、過酷なのが、肌感覚で分かる。もちろん、自分だって、どうなるかわからないし。個人的な感覚では、アジアは平静を保っているように感じるが、アメリカ経済は、ダメージがシリアスすぎる気がする。とはいえ、with-corona、after-corona、post-coronaどんないい方でもいいけれども、需要の在り方が、過去とは全く違ってしまった感じもするので、単純な不況とは言えない気もする。

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とはいえ、クオモさん州外からの移動には、14日間の検疫を設けるということで、第二波がシビアな現実になってきているのがわかる。


さてさて。

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The Capitol Hill Autonomous Zone (CHAZ)が、シアトルで生まれているんだけれども、、、解放区?とでもいうのかな?。これ、非常に興味深いと思っている。George Floyd protestsから黒人のシステマチックレイシズムに対してプロテス運動が広がった後、略奪・暴動が同時並行でされるようになり、CHAZになった。これって、異なる目的というか運動が、同時に起きているので、区別しなきゃいけないんだろうと思う。実際、CHAZを見れば、ほとんど白人ばかりで、これが黒人の扱いに対する抵抗運動にはもう思えない。

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ずっとヒラリークリントンさんの選挙運動から、民主党の動向を追っている時に、バーニーサンダースの支持者が、白人の男性の若者の極左の運動家が多く、彼らの目に余る暴力性や行き過ぎに注意を向けるべきという話をずっと気にしていたんですよね。というのは、これが悪いっていうんじゃなくて、白人の若者を中心に、民主党内では、最左派にあたるメンバーが強い力を持っていることは、極左への要求が根強く深いということだと思うんですよ。特に、白人の男性の若者に。「このこと」と、とてもリンクする気がするんですね。特に、シアトルなど北部カリフォルニアは、リベラルな傾向がとても強いので、なるほどなぁと思ってしまうんですよね。↓この本を読まないと、、、と最近しみじみ思っている(まだ読めていないので)。

American Character: A History of the Epic Struggle Between Individual Liberty and the Common Good (English Edition)


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左派の中にも、「極端な左派」が力を持ち、民主党の中道勢力を侵食している。この「構造」は、バーニー現象で、よくよくわかるのです。ここでの極端なリベラルの思想は、中道的なリベラルな人からは、嫌悪されるほど極端で、なかなか受け入れられない。そして、その果てに、アンティフアなどの暴力肯定の組織がいるわけです。トランプさんやその支持者が、これらのアンティファ的な、秩序の破壊者、暴力行為に対して、強硬に対処しなきゃいけないという反応は、わかりやすい。実際に、暴力行為なので、パブリックセキュリティの観点から、これを武力で鎮圧せよ、と言って憎しみをまき散らすのは、それそれで、正当な筋道です。銅像だって、ガンガン壊したら、それはそれで犯罪です。民主的なプロセスを無視しているわけですから。The Capitol Hill Autonomous Zone (CHAZ)なんかは、もう完全に、左翼革命志向だよねというのがわかる。警察の交渉する代表が黒人だったりして、解放区にいるのが白人だったりすると、もうGeorge Floyd protestsとかとは、まったく関係ないよね。

けれども、同時に、やはりこの構造が凄く「利用されやすい」のは、


1)そもそも平和的なデモでありたいGeorge Floyd protestsも一緒くたに、意図的に混同して、秩序の破壊者として宣伝して悪魔化する

2)同じく問題の根本である、白人警官によるシステマチック(インスティテューショナル)レイシズムに対しても同じく、まとめて否定する。

3)問題の根本の一つは、保守中道から極右やファンダメンタリストなどの宗教右翼の台頭であるのに、そちらは無視。


というように、極左と極右の対立であると、いってみれば、共産主義革命や左翼主義革命の無政府状態に対する鎮圧というカードで対処しちゃおうとするんですね。George Floyd protestsです。とはいえ、こういうカードが、ニクソンレーガン以来常に共和党側にはあるということ、考えないと、あまりに極左に走るのは、特にアンティファなどの暴力肯定は、危ないよね、という構造はあるはずなんです。「にもかかわらず」激しく、根強く、急進左派の指示と行動は、何かガス抜きがない限りとまらないほど、根深いというのが、僕には興味深いです。いったいなんで?。それはどこから?、どんな個人的な情熱があるの?とかとか。


今回の学びは、アメリカの市民運動、、、、に限らないけれども、黒人の差別から、抵抗運動が暴動にスライドして、それを革命に結びつけようとする旧新左翼がのっとるのと、一緒くたに秩序の敵ということで、保守、右翼の立場からこれを封じて悪魔化しようという力学が働く。


mynorthwest.com

https://explainednews.org/antifa/amp/explainednews.org

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『13th 憲法修正第13条』 (2016) Ava DuVernay監督 systematic racismとは?


2020-0605【物語三昧 :Vol.54】Ava DuVernay監督『13th 憲法修正第13条』システマチックな差別とは?-59

評価:★★★★★星5つ
(僕的主観:★★★★★星5つ)

Twitterですすめられてみたネットフリックスのドキュメンタリー『13th 憲法修正第13条』。いま無料でYoutubeでも公開しているそう。いま見るべきドキュメンタリーです。systematic racismという言葉の意味がよくわかるので、とてもすすめ。アメリカの長きにわたる構造的な人種差別の変遷を知らないと、なぜ黒人がこれほどこるのかが、分からくなってしまう。そして、当然のことながら、日本人には、この感覚は、簡単にはわからないので、勉強がいる。いまホットなイシューなので、おすすめです。産獄複合体(Prison–industrial complex)という言葉はこれではじめて知りました。新自由主義的な、なるべく市場に任せて、公的部門を民営化していこうというスキームが進むと、軍産複合体や世界に轟く医療保険制度のおかしさや、帝国のようなビジネスシステムが形成されて、なかなかそこから脱却できるなくなるさまは、なんというかパターンなのだなぁとしみじみ思います。

petronius.hatenablog.com

こういうのは現実に起きている時に「機会を逃さず」考えたり調べたりしないと、流されていちゃうので、ちゃんとメモ。僕は、「わからないこと」をわかるようになって、それなりに極端に走らず、「結果にフォーカスした」意見というかことが考えられるための唯一の方法は、「しつこく一貫性をもって興味を風化させないこと」だと思う。その時その時の感情を喚起する文脈はあるもので、それは大事だけど、長く疑問を持つと、そういった感情の脊髄反射を超えて、考えるようになるので、そういうのが大事だと思う。だいたい感情に任せて暴走すると、いいことない。


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本日は、2020年6月13日。どんどんいろいろなものが再開する兆しが見えているが、ロサンゼルス、オレンジカウンティは、まだまだじわじわ感染率は上がり始めている。でも、経済を再開させる方向なのは、なによりも、まず仕事を再開させないと、プロテストが終わらないっていうのもあると思うんだよね。

ktla.com

下は、アメリカの映画を見て、よくわからない歴史の課題を考えているうちに、自分(日本人)にとって、アフリカンアメリカンの歴史がすっぽと実感がないんだ!と思って、ずっとこつこつ見続けている感想。とにかくその時のアドホックなイシューへの、好き嫌い、善悪の判断に流されないで、ずっとこつこつ追っていると、色々見えてくるものがあると思う。

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ちなみに、Twiiterで他にも紹介してあるのが流れてきて、この辺もコツコツ観ようと思っている。

『𝐓𝐡𝐞 𝐡𝐚𝐭𝐞 𝐮 𝐠𝐢𝐯𝐞』は、もともとYA-ヤングアダルトの小説だったものを、ベースに映画化されたもの。ちょうどよかったので、家族で鑑賞。うちは12歳なのだが、子供とみるのにはちょうどいい題材だった。過去にあった現実の事件をベースに作られたものらしい。rottentomatoesのスコアもよかったので見たのだが、なかなかに素晴らしかった。ジョージ・フロイドプロテストの話を子供に説明してるのだが、黒人と白人、金持ちと貧乏人が分断している現実をどう説明するかが難しかったのだけれども、「見れば一発」で理解できるので、良かった。

The Hate U Give (2018) - Rotten Tomatoes


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評価:★★★★星4つ
(僕的主観:★★★★星4つ)

ヤングアダルトの小説の領域というのは、僕には、Hunger Gamesとか、ハンドレッド、The Darkest Minds、 パーシージャクソンとかそういうイメージだったんですが、この領域も悪くないぞ、というコメントがみつけて、確かになぁと思った。一般的なファンタジーの領域ではないけれども、過酷な現実ではあるが、アメリカの現実で、子供たちの現実なわけだから、ここの領域で物語を作ることが可能というのは大きなポイントだろうと思う。Boy in the Striped Pajamaとかそっちの方面のものかな。



アメリカを知っている人、もしくは住んだことがある人には、自明なのですが、なかなか他の国の人にわからないのは、このアーバンとサバーバンというか、都市圏の中心から放射線状に、郊外に広がっていく都市の発展における「階層の分断」。金持ちの住む場所と貧乏人が住む場所んぼ、極端なまでの分断。そして、それが人種やエスニックでも分断されているところ。「この現実」を知らないと、アメリカに住むということが、いまいちわからない。日本人の駐在員などの裕福な派遣者だと、この現実がさっぱりわからないまま、何年もたつということはよくある。安全な郊外のゲーティツドコミュニティとかに住んでいると、全然実感がないからだ。一部の大都市、ニューヨークやサンフランシスコとかに住んでいると、さっぱりわかっていないという人が出てきてもおかしくない。というか、経験的に多い気がする。永住の人は、一発でわかる現実なんだけどね。安全で教育レベルの高い地区の不動産お値段は、気が狂ったみたいに高いので、全く手が届かないから。


という「白人の住む町」と「黒人の住む町」が、物凄くクリアーに分断されているのが、普通だという現実からはじまらないと、まずアメリカの現実がわからない。


この分断が、目に見える形で描かれるの映画なので、「目に見えて」わかってよかった。が、なんとかこの貧困の連鎖から抜け出ようと、子供を白人がほとんどの私立に通わせる親の気持ちはよくわかる。しかし、その世界で、自分がいかに「違うか」を見せつけられながら生きていくことの、ほんとうの自分を出すことも、文脈を理解されることもなく育つアフリカンアメリカンの子供の気持ちも、ほんとうにやるせなかった。白人の親友だとおもっていた女の子の能天気な発言に、あまりに、黒人の置かれている「現実」に無頓着なさまは、これは傷つくよなぁ、とグッと来た。

アジア系だって、マイノリティなわけで、アジア系の多く住むトーランスでレイシストに罵倒された映像が先日でまわっていたけど、こういうことも、「このようなアメリカの現実」を背景に見ないと、うまく説明できないので、いい機会だった。



■しかしながら、ポリコレ疲れは、凄いする。これは反発が出るの、分かるわーという気もする。


しかしながら、ネットフリックスを中心に、これらのドキュメンタリーを見ていたら、物凄い疲れてきた。検索している時に下記のブログの記事に出会ったんですけど、ああ、そうだろうなー。そう感じるよなーと、しみじみ共感しました。この疲れた感じ、これがポリコレ疲れか、となんだか今の政治状況がなんでもたらされたのかが、はっきりと自分の心の中で像を結んだ気がしました。「正しさをベースに」「保守的な白人はいくら馬鹿にしてもいい存在である」って言われ続けると、それはそれで、Too muchだし、偏ってい過ぎて、気持ち的に反動が来てしまう。

なぜこんな本ばかり読んだかというと、さいきんはネットフリックスで映画ばかり見ていたのだが、アメリカ映画全体に多かれ少なかれ漂う「保守的な白人はいくら馬鹿にしてもいい存在である」「田舎は脱出すべき場所であって、まともな人間はニューヨークかカリフォルニアのどちらかに済むものだ」という価値観に耐えられなくなってきて反動的な気持ちになったというところが強い。また、『アメリカン・ファクトリー』を見て、改めて「アメリカの田舎労働者」問題に興味を抱いたというところもある(そして、『アメリカン・ファクトリー』は例外として、ネットフリックスで観れるほかのドキュメンタリー作品のラインナップは「ネットフリックス的価値観」に縛られていて多様性や自由のイメージを強調すぎるあまり逆に多様性や自由を失っている感じが強く、「こんなんばっか観ていたら洗脳されちゃうから、ちゃんと本も読んで別の考え方にも触れなきゃな」と思ったというところもある)。


davitrice.hatenadiary.jp


さて、まぁこの「正しさを過剰に言い立てて畳み込んでくる」感覚が、それへの反発が、根深く世の中にあるというのは、常に覚えておかないといけないな、と思う。『13th 憲法修正第13条』みたいな話を、見まくっていれば、それはそれで、とても偏った感覚を持ってしまうと思う。間違っているとか、真実かどうか、という以前に、現実に対して理念を押し付けるようになると、世界は破壊と暴力しかなくなるので、この辺りにバランス感覚は常にいるよなと思うのだ。


さて、ということで、中和という意味で、じゃあここにいたる「ポリコレ疲れ」的な感覚と、それをレバレッジする現在のトランプさん劇場は、なんで生まれてくるのか、というのは、やはりWhite Supremacyやリバタリアン、Antifaなど極端に振れたところが、どう生まれてきたのか、ってことを見ておかなきゃなーと思った次第。

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Alt-Right: Age of Rage

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んで、これを見たんですよね。これもネットフリックスのドキュメンタリーなんだけど、いわゆる白人至上主義が今どうなっているのをみせたもの。渡辺靖さんの新書を読むと、同時に詳しくわかって面白いです。疑似科学をベースにした発想だけど、白人だけの国家を作りたいという発想は、これはこれで、よくわかる発想で、少なくともこういう感情が基幹にあって、White ethno-satateが作りたいという政治勢力が発生するのは、民族自決をベースにするのであれば、理解はできる。共感しにくいけど。

白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」 (中公新書)


これは2017年のシャーロッツビルの事件のドキュメンタリーになるんだけど、とにもかくにも、極左と極右が、激しく暴力志向をしていることが見てとれる。とりわけ、右翼の側から見ると、左翼、とりわけAntifaの暴力志向は、見ててとても恐怖するのがよくわかる。もちろん、極左が暴力志向で、行動的になっていったのは、極右が、共和党が、現状の構造的な不正義、不平等を、まったく手をつけないことに対するいら立ちがそのルーツにあるわけで、「どの視点で見るか?」によって、評価が全く分断されてしまうのは、見ていてもよくよく分かった。

petronius.hatenablog.com

ちなみに、トランプ大統領が言う、Antifaをテロ組織ということや、law-and-order-strategyは、うまいなぁとしみじみ思う。

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TwitterとかFBなどSNSの素人というか個人の意見を見ていると、トランプ大統領がAntifaをテロ組織と言い出したあたりから、いっきに、抗議活動をひとくくりにして「法と秩序」「いま現在の安定した生」活への破壊者であるという論調が、一気に広まっている。ようは、『13th』のような話を持ち出しても、暴力的な治安紊乱の集団であって、こんなことになんの正当性もないと、一刀両断してしまう。正直ね、これは、住んでいる「普通の生活」をしている人からすれば、非常にわかる感覚です。仮にこの「普通の生活」自体が、システマチックなレイシズム一部だとしても、それをどこまでも見続けて直視したくないわけですよ。特に長く続くと、無理。それはそう。だって、仮に底上げされている中産階級だって、安楽な世界を生きているわけではないので、余裕がなければ、そんなことにかまっていられないというのが、保守的な生活者の本音んじゃないかなぁ。まさにニクソンの「法と秩序」戦略の構造そのまま。とはいえ、そこには濃度がある。その人が、どんな文化背景を持ち、どんな肌の色で、どこに住んでいるのかによって、この怒りや嫌悪感にどうシンクロするかは、凄いわかれてしまうだろう。それを、「分断」といっているんですね。

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11の国のアメリカ史――分断と相克の400年(上)


なんというか、しかしながら、、、、もう少し細かくこの分断がどう生まれてきているのかを勉強しないと、分からないなぁ、と思い始めた今日この頃。というのは、ブルースタイツとレッドステイツとかだけだ大雑把すぎて、その背景がどう来たのかの細かい気質という背景が、分からない。友人と話していても、全然わからないのだけれども、、、アメリカ時の友人たちの気のおけないFBとか人生の決断をみていると、凄いルーツ?というか考え方の基盤が関係しているのはわかるんですよね、実感として。けど、そういうのがもっとわからないと、実感をもって何をアメリカに住む人が感じているのかがわからないなぁと思い始めてきました。たとえば、白人のみの国家を作りたい!というWhite Supremacyの発想は、意図はわかるんだけど、何か大ざっおぱ過ぎて、なんでそのルーツが生まれてきたのか、よくわからない。白人とひとくくりにするには、多様すぎて。アメリカのばらばら具合はもっと複雑な感じがして、いまいちわからなかったんですよね。ドナルド・トランプの大統領選出に貢献したAlt-Rightの中心人物のリチャード・スペンサー(このドキュメンタリーにでも出てくる)なんかの議論は、あまりに、白人というのを大枠で囲いすぎていて、もう少しいろいろある気がするというのを、ハンティントンとウッダードの議論を組み合わせると、分かりやすいかも、と思った。僕はSFが好きなんですが、個と全体で分ける、この人の思考は、面白そうなので読んでみようかと思った今日この頃。白人と一括にしないで、個を重要視する視点と、公共善を重要視する視点に分けて、各民族ルーツでアメリカの分裂を仕切りなおすのは、確かに面白い。

American Character: A History of the Epic Struggle Between Individual Liberty and the Common Good
American Character: A History of the Epic Struggle Between Individual Liberty and the Common Good (English Edition)


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あっと、ちなみに、このジョージフロイドプロテストは、いまは銅像の撤去に話が進んでいますね。この銅像の問題、毎回何かしらの暴動とリンクするので、歴史評価に関する記憶がイシューなんだなぁ、というのがよくわかります。これって、レオポルド二世とかは、まぁ比較的わかるんだけれども、ものによっては、様々な歴史の記憶にかかわる、価値観の闘争になるわけで、それをどのように選択するかの「線引き」の問題は、かなり難しいと思う。

ただ、これってアメリカ国内だけだと思っていたんですが、ベルギーとかにめちゃ飛び火してて、とても驚きました。レオポルド二世とか、全然知らなかったので、そういう風になるのかぁ、と驚きました。いやーまだまだ勉強足りないなーと思った。まぁ、こういうのをきっかけに、いろんなことを考えて、今の時点から世界を歴史を眺めると、どう思えるのかというのは、日々掘り起こして再評価していかなきゃならないんだろうなぁと思う今日この頃です。でも、これは、やはり重要な論点ですよね。こうした「歴史の記憶」に対して、その「塗り替え」を要求するのは、現代の「作りあげられた権力の構造」を変えろということでなので、これってかなり激しい戦いだと思うんですよね。「歴史の記憶」ってのは、過去の激しい闘争があって、その事実性の上に積みあがっているので、「それを変える」にも、相当の闘争がいるはず。ここに何御ひねりもなく「暴力肯定による」どっちが激しく行動するか、を基準にしていると、際限なく秩序が壊されてしまうので、そのやり方はかなり危ないなぁと思う。ニクソンの戦略ではないけれども、「サイレントマジョリティ」というか、普通の市民、中産階級が、どこかで熱が冷めて、もう勘弁してくれというところを保守側や右翼側から利用されるのは、目に見えている構造だもの。かといって、暴力的な「行動に移す」ことwしないと、現在が全く変わらないから、現在なわけで、、、、という堂々巡りになる。これって、MLKやマルコムX、ブラックパンサーの時の構造とそっくりだよなーと思う。なかなか、この構造をうまく紐解く方法は、思いつかない。。。

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13TH | A Conversation with Oprah Winfrey and Ava DuVernay | Netflix

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『ハンドレッド』(The 100) 2014-2020 Jason Rothenberg制作 deserve(それに値するか?)というセリフがずっと問われ続ける

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客観評価:★★★★★5つ
(僕的主観:★★★★★5つ)

7SEEDSと一緒に見たい作品。新世界系の米国の物語類型はどこに向かうのか。

物語三昧チャネルの解説でも書いたけど、サバイバル系------滅びた世界の後で、若者たちが生き残りを目指してサバイバルする話。この系統が好きな人には、とてもおすすめ。SFとしても、毎シーズンごとに大きな問題設定が変わって、中だるみしないところが見事。特にシーズン3の終わりまでの疾走感は、とてもじゃないけれども、途中で見るのを止められない感じがする。そこはさすがの米国のドラマという感じ。しかし、僕的には、この「繰り返される世界の終わりと、選択肢のない決断を迫られる」のを、どこに着地点に持っていくことを、米国の視聴者は、脚本家たちは考えるのかに、興味がある。なので、2020年のファイナルシーズンに追いついた今は、それが凄い楽しみ。SFとしても、終末のディストピアもの、管理社会もの、壮絶な生き残りをかけた共同体同士の殺し合い、AIによる人類の支配と救済、閉塞した地下世界での生き残りをかけた殺し合い、そして、スターシードの物語と、SFの巨大な設定を使いに使い尽くしているその構想力のスケール感に感心するので、それを企図した人たちが、「どこまで言ったらこの生き残るためには何をしてもいい」というマインドセットが終わるのか?、終わるべきなのか?、と考えるか、興味が尽きない。これは、いってみれば、僕等がずっと考え続けている「新世界系」のエンドの米国版が何になるかということと一つの例になるからだ。


ちなみに、この類型の日本のエンターテイメントでは、まず完結した作品では、田村由美さんの『7SEED』があげられる。しかし、新しい世界で、生き残る準備ができたら、「どこで満足するか?」というのは生き残った人の心の問題なので、実はいつでも定住すれば、そこが「終わり」であり、新しい生活のはじまりになる。なので、終わらせるのは、実は簡単なのだ。心の問題だから。


もう一つ、やはり大きいのが『進撃の巨人』だ。実は、この作品も、前回の記事で本来は、アルミンが海を見た時点で「心の問題」は終わちゃっていると書いたんですが、、、これはつまり「壁の向こうの別の世界がある」というのを、実際に見せた時点で、かれらの「サバイバルをする、その先」が見えているので、一つの結論がついているんですね。


petronius.hatenablog.com


新世界系を、「この世界に生きることの苦しさをこれでもかと突きつける」ことが主要テーマであれば、「そこまでして生き残らなきゃいけない理由は何か?」を示さなければならない。心の問題です。それは、ほとんどの場合は、結論は「自由」になるんです。壁の中にいることは、たとえ安楽でも、大きな不自由があります。それは真実(=現実)を知らないこと、です。壁の中というものが、安楽なハーレムセカイや、管理社会のディストピアであろうが、そこにある種の人間が「外へ出たい!」という原初的な欲望を縛って、低位安定状態に置いておこうとする「縛り」があるんですよね。これを「壁」と言い換えてもいい。これを超えることが、現実にありうるということを見せることが、この類型の大きな終着地点になる。同時に、これは心の問題であって、「実際の世界の謎」とはあまり関係ないらしいということもわかっています。というのは、『進撃の巨人』でいえば、壁に出るまでに、過酷な壁の内部の縛りを、「仲間とともに絶望的な戦いに身を投じて苦しみ抜く」ことが、「その仲間とともにある絆」を描いていくことが、実は、それこそが本質的な「人の持つ自由の一つだ」ということが、わかるからです。この辺りは、言葉で抽象的に説明するのが難しいのですが、つまりね、「壁の外に行く」などというマクロの目的なんて言うのは、「世界の謎を解く」などということは、実はどうでもいいんですよ。不可能を超えるような、不可能な「目的」にチャレンジして、その過程でバタバタ死んでいくとしても、「それにかけ続ける仲間」がいた時点で、その絆を見出した時点で、自分が縛られている不自由という監獄から、解き放たれているからです。なので、その象徴として、「外に出た風景」が見れたら、完成なんです。新世界系の「心の問題」としてはね。


しかし、『進撃の巨人』は、そこではとまらなかった。


この「世界の謎」を解くというところに、舵を切ったんですよ。しかし「壁の外にも現実がある」ならば、それは、僕等が生きる現実と同じ話になります。共同体ごと(国家ごと)に、お互いを殺しあい、戦争をし合うとして、そこに正当性はありません。人類を生き残らせるとかそういう目的がないのだから。これって、シーズン2のマウントウェザーのグループと、グラウンダーと同盟を結んだアークのクラークたちの構造と全く同じなのがわかります。国家間の戦争に、大義はありません。ただ単に自分たちが、エゴイスティツクに生き残りたいためだけ。もちろん、それはそれで「サバイバル」をしなければ死ぬわけですから、間違ってはいません。そして、そのために圧倒的に弱い場合はどうすればいいかも、同じです。ようは、第三者、第三国と同盟を組んで、善と悪の二元的最終戦争に陥らないように、バランスをとるしかないんですよね。ちなみに、『ハンドレッド(The 100) 』では、リソースがない状態が、続きすぎて、最終的には世界は滅んでしまう。まぁ、この辺は、アマダネタバレは惜しいので、あまりいわないのですが、、、、しかし、『進撃の巨人』は、このことに対する答えを出そうと描き続けています。なので、楽しみで仕方がない。日米ともに、最前線は、問いが本当に深い。


2020-0513【物語三昧 :Vol.46】『ハンドレッド(The 100)シーズン1&2』2014-田村由美さん7SEEDS・BASARAと、The Hunger Gamesと比較したい! -51


2020-0522【物語三昧 :Vol.47】『ハンドレッド(The 100)シーズン3』 シーズン毎にテーマが大きく変わるのが見事-52


■新世界系という身内のジャーゴンなんだけど、気にしてくれる第三者がいると嬉しいです。


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カワンゴさんが言及しててくれて、おーっと。唸った。海燕さんのおかげだね(笑)。身内でジャーゴンとしていい続けていたことなので、他の人が言及してくれると、ちょっと嬉しい。ここでも指摘されているが、このことを考えはじめたのは、2014年の『進撃の巨人』シーズン1が放映された頃だ。

 彼らが「新世界」という言葉を使い始めたのは2014年だ。2014年とは前年にアニメ「進撃の巨人」の第一期が放映されて、アニメを含むコンテンツ業界に空前の進撃の巨人ブームが始まった直後になる。

こうして人から言われると、そうか2014年は、結構キーなのかもな、と思った。だって、この『ハンドレッド』のシーズン1が始まったのも、2014年なんですよね。日米とわず、「生き残るためには、なりふり構っていられない」というサバイバル重視のストーリーが、広く描かれて、大ヒットしている。この典型的な「新世界系=生き残るためになりふり構わないサバイバルの感覚」の作品は、この2020年シーズン7で、もう直ぐ終わり迎える。実際のところ、既にシーズン5を見ていて、僕はこの「身もふたもない修羅の国のサバイバル感」に追い詰められる感覚に、飽きてきている。この作品は、シーズン3くらいまで、このテーマがすごい重く、リアリティを持つのだが、そこらへんから、あまりに繰り返されすぎて、テーマが食傷気味になっている気がする。言い換えれば、この「先」を見る時期が来ているんだろうと思う。まぁ、とはいえ、SF的なテーマ設定が、見事にシーズンごとに変わるので、めちゃくちゃ面白いのには、変わりがないんだけどね。ちなみに、100は、シーズン7で、この2020年に終わる予定。


ちなみに、このドラマを好きな人は知っていると思うけれども、現実世界(笑)では、ベラミーとクラークは、去年結婚したんだぜ!。内容を知っていると、感慨深いよ。二人とも、オーストラリアの俳優さんなんだよね。そういうのまったのかもなぁ。




ちなみに、アメリカのヤングアダルトの作品を子供達が色々教えてくれるのだが(僕の英語力だと読んでると日が暮れてしまうので、教えてもらっている)、このタイプのディストピア、週末、管理社会系統の作品は、もういい加減飽きたと言われるぐらい連発しているみたいだ。そうして調べてみると、確かに批評家でも、いろんなところで言及されている。アメリカも、このテーマが、若者にめちゃくちゃ支持されているのがわかる。まぁ、勝手に類似性をいっているだけなんで、もっと正確に調べたないとダメなのかもだけど(苦笑)、、、、でも、100は、もうまさに「まんま」のテーマ性。


■deserve(それに値するか?)という言葉

この作品で、ずっとなん度も繰り返される表現があって、deserve(それに値するか?)という言葉。字幕だとこの「特別感」が出ていない気がする。英語で聞くと、これが重いのがすごくわかる。意味は同じなんだけど、これって口語的に重い感じがするんだよね。特別な文脈感がある。


この物語って、「サバイブ(生き残る)ためには、どんなことをしてもいい」という文脈が常について回る。正確に言えば、生き残るためには、基本的に、愛する人を手にかけても、異なるグループであっても同じ人間を皆殺しにして手を汚すことが常に要求される。7SEEDでいえば、主人公の花が、愛する嵐を、みんなを守るために公開処刑するとか、他のグループを自分たちのグループを生かすために皆殺しにするとか、そういう話なんですよね、これ。あれより過酷って、、、、。「余裕がない世界」で生きるには、常に「殺すか殺されるか?」の二者択一になる。悩んでいる暇すらない。けれども、生き残った後、ある者はその罪や大切なものを失った喪失から壊れていく、、、、そこで「deserve-生き残るに値することなのか?」と常に問われることになる。


この問題を回避するためには、実は大きなマクロの仕掛けが一ついる。


それは、人類が終末にいること、、、、世界が滅びるか滅びないか、、、という切迫状況が設定されないと、この問題が正当化できない。もし、時間的に、リソースが余裕があるのならば「殺しあう以外の選択肢」を探す意味が出てくるからだ。そうすると、人権や人間性の価値の方がはるかに高くなる。あくまで、時間も資源も限られていて、「その他の選択肢を奪われている」状況でないと、サバイバルは正当化されない。

マウントウェザーの問題は、それの縮小版であって、「異なる文化背景を持つ共同体」を、自分たちの部族(共同体)が生き残るために滅ぼしてもいいのか、ということを問うている。彼ら、マウントウェザーは、「自分たちが生き残るために、他の人間(部族)を奴隷化というか、自分たちの生存のために家畜動物をしているという倫理問題があったので、「だから皆殺しにしても仕方がない」と言い訳を作ってはいる。が、この問題の構図は、何度も繰り返すと、なぜにアークの末裔の、クラーク立ち飲みが「生き残る」ことを、言い換えれば「他の共同体を皆殺しにできる」根拠を持つかというのは希薄になっていく。これを全面肯定しては、要は弱肉強食の、北斗の拳の修羅の世界だ。


見事というか、この作品はシーズンごとに、SF的な大きなマクロ設定が、ドカンと設定し直されるので、この問題意識、、、、を先延ばしできている。「滅びるか滅びないかの瀬戸際」では、どんなことでも正当化されるからだ。


まずは生き残る。人間性を取り戻すのは、その後だ。


このセリフは、シーズン5でのクラークの母親アビー・グリフィンの言葉だが、あまりの過酷さに、本人は薬物中毒で薬に逃げて壊れている。ちなみに、こういう倫理や人権、人間性にこだわる人は、現実が受け入れられなくて、片っぱしから死んでいくことになる。。。この極度の「過酷な現実」に対して、適応して受け入れられない人間は、全く生き残れないというのは、この作品の基調低音になる。しかし、さらに難しいことは、アークの指導者の一人だったマーカスを見るとわかる。最初登場した時に、冷酷な管理社会における為政者として、「大多数を生かす」ために、信念を持って、自分の強い意志で、「少数を皆殺している」。けれども、地球に降りて、事態が変わってから、彼はずっと、そのことを後悔してあがき続けることになる。シーズン5では、まるで逆の判断を、ブラッドレイナにつきつけることになる。要は、人間は変わるってこと。S6:E5で、「生き残るためにするべきことをしただけだ」という意見に、クラークの母親は、「戦争犯罪人は、誰もが同じことを言う」と、そのことを拒否している。この行ったり来たり。


この過酷さ、、、、「選択肢の奪われた現実をつきつけられる」のは、まさに新世界系で話されてきたこと、そのもの。


これ、すごくない?。個人的には、大発見。こんなに2000年代の10年間の日米の若者向けの物語に、このサバイバル感覚が、ものすごい規模で共通しているなんて。いや、一つや二つじゃないもん、ヤングアダルト系の小説、映画、ドラマ、アホみたいに山ほどある。そして、メディアミックされている。『ハンガーゲーム』とか映画化されて日本行きてもあまり人気が出なかったり(米国ローカル文脈なんでいまいち日本人にはわかりにくい)、ヤングアダルト系は、ほとんど日本語には翻訳されていない。子供向けだからか、というか、米国ローカル文脈が強すぎて、翻訳しにくいんだろうと思う。日本のライトノベルが、英語に翻訳することの難しさと同じだろうと思う。頂点にたつような作品は、グローバルに問題ないかもだが、そうでないやつは、なかなか難しいだろう。


ちなみに、たぶん日本でだとまず知らないけど、映画になっていて、こっちだと有名なのは、下記の作品。ネットフリックスか、なんかで、映画は見ることはできると思う。日本は未公開だったと思うけど。

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California’s SpaceX Crew Dragon Docks to Space Station

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https://twitter.com/NASA/status/1266932838303227911?s=20

今週も忙しくしている。が、やはり通勤はないし、家で仕事しているから、子供たちといろいろ話せたり、それなりにストレスのせいか、コツコツドラマやマンガも観れている。映画や特に本があまり読めていないのは、やはり仕事のプレッシャーゆえか。忙しいと、英語の勉強とか、基礎的なものの改善をする余裕がなくて、なかなか日常がままならない。まぁ子供が小さいので、子供のとの時間を優先してしまうからと言うのもあるんだろうけど、、、、なかなか時間がないことよのぅ。思う日々。ちなみに、この記事はメモという感じ。五月の末にジョージフロイドさんがはくじの警官に殺されたことで始まったプロテストも、まだ続いている。着地点があるものではないので、どこかで収束するにしても、、、アメリカの現実をこれでもかと見せられる。しかし同時に、このメモで覚えて起きたいのは、アメリカの宇宙新時代が同時に始まっていること。スペースシャトルがなくなって、宇宙に行くにはロシアの手を借りなければならなかった状態から、民間企業のスペースXによる有人のロケット打ち上げは、胸を躍らせる出来事であるし、歴史的にも大きなポイントだろうと思う。これがほぼ同時に起きた、、、、と言うのは、胸に残しておきたいし、、、アメリカに住んでいる経験としては、記憶に残るものだろう。ニュースでも、この報道が同時にトップニュースで報道されていたが、アメリカのなんと言うか懐の広さと深さを感じさせる出来事であった。その後、アメリカのドキュメンタリーを見まくっているのだが、宇宙開発の情報は、あまりいいものが見つけられなかったのだけれども、僕的にはこちらも、コツコツおっていきたいもののひとつだ。


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ホリエモンさんの説明分かりやすいー。

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平和的なデモのやり方

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2020/6/3の水曜日。 先週の25日にミネアポリスでGeorge Floydさんが殺されてから、10日ぐらい過ぎているのに、全米ではプロテストの勢いは増すばかり。2017年のミズーリ州のマイケルブラウン事件(ファガーソン事件)の時は、ロサンゼルスのダウンタウンだけでデモで、ほんの1日でなくなったのに比べると、オレンジカウンティ(すごい裕福な地域が多いのであまりこういうのはない)にも広がり、ロサンゼルスではいまだ夜間外出禁止令(Curfew)のままだ。友人が、銃を売っているお店に長蛇の列が出ていて怖いとテキストを打ってきたり、まだまだ拡大する雰囲気を見せている。着地点が見いだせるとは思えないので、どこかで鎮静化するとは思うものの、なぜこれほどまでに怒りが、そしてプロテストが、大きく深く広がるのかは、日本人の自分からするとやはり不思議な感じがするので、いい機会なので追ってみたい。また、こうした大きな出来事を経て、どのような「構造的なもの」が、今後の未来に残るのかも、考えたい。


朝のニュースは、NBCのTodayを見ているのですが、そこでやっていたニュースが、感心した。


というのは、ここ数日、プロテストが広がり、“プロテスター”(protesters)、“ルーター”(looters)、“ヴァンダリズム”(vandalism)など区別がつかなくなり、そもそものGeorge Floydさん殺害への抗議という性格から、ただの暴動に変化している感じがして、この無秩序のエスカレートに対して、トランプ大統領が「アンティファ(Antifa)」という暴力肯定の急進的左翼集団が秩序を破壊して回っているというレッテルを張りつけました。これは、なんというかマーケティング(世の中の雰囲気への嗅覚)がうまいトランプ大統領らしく、戦術的にはうまい!と驚きました。ようは、共産主義とか無政府主義者的な、特に保守派のアメリカ人がアレルギーがある感情を揺さぶるのにとてもいいレッテルなんですよね。背景には、


リベラル勢力の理念のためならば手段を選ばない暴力性に対する人々の嫌悪


暴動(=結果)だけを映像で見ている我々には、George Floyd protestが抗議活動なのか、秩序の破壊活動なのか区別がつかない


という現象に対して、この出来事は、「アンティファ(Antifa)」が行っている陰謀なんだ!という、「敵を指定する」という行為なわけです。この背景を後押しすると、その言い分の正当性も、ある一面ではウソではないので、なるほど、と受け入れる人はたくさんいると思います。というか、僕自身は納得できないのですが、SNSTwitter、ニュースを見ていると、この意見が強く後押しされて支持されているのが少なくとも僕には感じられます。この辺の、リベラル勢力の極端への暴走に対する世の中の嫌悪感を、トランプ大統領は、とてもよく読み取って、自信の支持層への影響力を保持するのがうまいようにいつも思います。民主党支持者やリベラル勢力には、暴動を煽るようにしか見えないツイートも、共和党支持者や保守層、右翼などトランプさんの支持者にとっては、無政府主義者の秩序破壊テロに対する正当な反撃、治安維持活動に見えると思うんですよね。僕は、そうは思えないですが、そういう感触を見ていると、とても感じます。クオモさんも注意喚起していますね。

しかし、実際の反応はこういう感じですよね。こわい、、、。




じゃあ、どうするか?



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Police officers kneel to pray with George Floyd protesters


このポストトゥルースの世論誘導に対抗するには、暴動自体を止めないといけないわけですが、実際にそれは物凄く難しい。言われているように、抗議活動の暴動の主体は、複雑に入り乱れていて、誰がコントロールしているというわけではないからです。


でも、ああ、鮮やかだなぁ、と思ったことがいくつかありました。上記にあるように、膝をついて祈る姿勢を示すというやつです。何がうまいかって「こういう姿勢だと暴動が起こしにくい」からなんですよね。きっと、キング牧師のころからの伝統的に積み上げられてきた「暴力と憎しみが吹き荒れるさなかで、抗議行動のデモ、行進を行う」知恵が蓄積されているんだろうなというのが見てて、感心しました。それと、警官が呼びかけて、行進自体の中に入っていくということをしていて、それがどんどん広がりつつあります。これは警官と黒人の「分断」の問題なわけで、その主体が、「入り乱れて」更新すると、暴力や無秩序をエスカレートさせようとしても、しにくくなるからです。


というような平和的なデモの更新のやり方に対する具体的な知恵がどんどん出されて、それがどんどん広まっていく。今日の朝の、NBCのニュースは、この平和的なデモ行動が、全米ですごい勢いで広がっているさまが報道されていました。もちろん変更的な報道(NBCはリベラル寄りなので)な側面もあるでしょうが、起きている現象に、どんどん対応していこうとする、無力ではなく「具体的な方法」を編み出して、行動に移している多くのアメリカ人たちがいて、いやぁ凄いなぁ、と思いました。やはり知恵は大事ですよね。暴力が吹き荒れる中で、非暴力を貫きながら、しかし現在の権力に従わないなんて言う離れ業が、それでもあるんだなぁ、人類は凄いなぁと思います。この辺の歴史や背景を知りたい人は、映画『グローリー』をおすすめします。

https://twitter.com/RexChapman/status/1268379338019418113?s=20


グローリー/明日への行進(字幕版)


どうでもいいことですが、僕はやはりリベラルサイドにどちらかというとシンパシーがあるので、できれば、FOXとかでニュースを見たいなぁと(全体がどうなっているのか知りたいので)思うのですが、なかなか忙しくて時間がないのが、しんどいです。



ちなみに、この事件を通して「未来に何が残るのか?」というのは、短く考えると、やはり大統領選挙ですが、コロナウィルスのことと合わせて、中央集権的な大統領の権限の拡大問題が、大きいんだろうなぁと思います。ようは、暴動を抑制するために、連邦軍を動かしたいとか、州政府へのコントロールを増やすことに、意図しているかどうかはともかく、トランプさんの行動はなるわけです。しかし、州権の強いアメリカでは、ローカルな暴動に、連邦軍連邦政府が介入するのは、とても難しい。こういうの、Stay-at-home-orderや経済の再開(ロックダウン御解除権限)などが、いったいどういう基準で、誰が決めて、現実になるのかというのは、この件が大きく影響すると思うのです。今度は、この辺も追うってみたいなぁと思います。

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そういえば、このさなかで、Fergusonの市長に、Ella Jones という黒人の女性が選ばれたことが報道されていました。ああ、そうやって、少しづつ、世界かわっていくんだなぁとしみじみ感じました。やはりこの事件では、ファガーソン事件をとても連想させるので。

www.cnn.com

Ella Jones was elected as the first black and first female mayor of Ferguson, Missouri, on Tuesday, nearly six years after protests erupted in response to the 2014 death of Michael Brown after being shot by a white police officer.
June 3, 2020

www.npr.org


こういうのをリアルタイムで追っていると、興味深いです。