『いたずらなKISS』 多田かおる著 一途な思いが人に届くとき

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多田 かおる

フェアベル 2008-04-04
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評価:★★★★★星5つ
(僕的主観:★★★★★★5つ)

多田さんが亡くなり、連載中断したままになった、傑作『いたずらなKISS』のアニメ化なのだが・・・・



うわーめっちゃおもしろい。


というか、原作の丁寧なアニメ化なんだが、、、、やっぱりそもそも原作が、おっそろしいほど見事な脚本で、それだけにたった一話を見ただけで、物凄く引き込まれる。惜しい、惜しすぎる。僕は全巻読んでいるが、この人が、この作品で、自分世界観を完全に凝縮して一つの到達点まで持ってきており、これからも日本の漫画史に刻む傑作を残す人だっただろうに・・・・なんという、ことだ、これほどの才能が夭折するとは。

この作品は、前にもメチャメチャ説明したことがあった気がするが、二つのビルドゥングスロマンが交互に補完し合うようになって、それが恋愛という結論に向かう見事な脚本になっている。もちろんこの手のパターンは、少女漫画では王道なのだが、、、



この主人公の琴子ちゃんの健気さに、もうね涙なしでは見れないピュアさを感じるんですよ



そして、



基本的に世界に対して鈍感になってナルシシズムの檻の中にいた入江君の氷の心に灯をともすんだよね。


僕は、なんでこんなにこの作品が好きなんだろう?と思うのうが、それは、これが



ずっとずっと一途に思っていた願いがかなう物語



なんだからだと思います。そして、そのための意志の純粋さ、そのための意志の強さが心の奥底から等身大に生まれるもので、本当に純粋に人を思う気持ちから始まっているからでしょう。そういう願いがかなうって、素晴らしいことだと思いませんか?。


この二人の成長が見事な交差なって、この世界での恋愛をとても質の高いものとして、感じさせている。・・・まぁーとにかく、いいんですわ、ほんとうに。これは、見る価値あります。漫画でもアニメでもね。