日経ビジネス 2008.3.17 インド洋の世紀〜経済圏は、渡り鳥のように移りゆく


インド洋を中心に新たな経済圏が生まれようとしている。中東のオイルマネーが、インドの潤沢で良質の労働力を引き寄せ、それをマレーシアのイスラム金融が支援する。そこに欧州、アメリカ、日本はまったく介在せず、入り込む余地はない。今世紀は、インド洋を中心に繰り広げられるのか? なかなか面白い切り口である。後半には日本の企業がこの地域に食い込んでいる様が描かれているが、大体日銀総裁も決められないのに、よその国に言ってる場合じゃないだろうし、アメリカも自国の不良債権処理でいっぱいいっぱいだし、マジでここは伸びるかもしれない。ということで、日経ビジネスの予言は当たるかも。


http://ameblo.jp/green-t2/entry-10081902907.html
日経ビジネス 2008.3.17 インド洋の世紀/超個人的な読書感想

この切り口は面白い・・・・と思う。というのは、僕は世の中で、、、つまりは日経ビジネスなど日経などの日本の新聞で話題になる、数年くらい前に実務で感じていることが多く、それが記事になり始めると、かなり可能性が高いような気がするのだ。欧米系のニュースソースを追うと、もう少し早いのだが・・・。なかなかまだまだ僕は英語でシャワーのように情報を識別できていないが・・・。


ちなみに、僕がビジネスを企画したり実施するとき似たようなマーケットの存在を、実は何年か前から、ずっと感じていたんだよね。たとえば商品が汎用化した後に、マーケットでコストリーダーシップ的な拡大戦略をしようとすると、グローバルに考えるならば、まずは、BRICs(ブリックス)が見えてきて、その先にアフリカを含めた感じでいることが多いんですよね。そんで、ロジスティクス、リテール(というかセールスね)、金融をベースに考えると、ドバイがメインになることが多い。政情不安を除けば、イランなんか人も穏やかだし、能力は高いし、本当は製造拠点を置くには最高なんだが・・・とかとかいう会話を、どんな商品も似たような会話になって・・・となるんですが、これがいろいろな多様な商品でも、かなり同じストーリーを辿るんですよね。


ただ、日本の会社は、どうもグローバルなロジスティクスやセールス能力力が弱く、、、たぶん日本が世界で生き残るには、今後10年くらいの期間で、企業組織が真の意味でダイバーシティーを押さえたグローバル化と、グローバルな販路の獲得をしなければ、生き残れないだろう、と思う。技術だけで何とかなるとか、商社でごまかせる日は終わったと僕は思う。まぁ最初は提携だろうとは思うけれども。そういう意味では、迷走しているとはいえソニーはなかなか早いし、TOYOTAの人材戦略とかも、流石だよなーと思うよ。


ちなみにこのインド洋経済圏が興味深いのは、これまでの先進国が出来てきた雁行型の経済発展じゃないてことなんですよね。発展途上国発展途上国の中だけで自己完結していて発生しているというところが、物凄く新しい。


普通、投下資本がないんです。だから、先進国からの技術シフト込みでなんとか・・・という話が多い。


ところが、資本が中東には潤沢にあるんですね。オイルマネーですよ。いまNYでは120ドル超えてますしね・・・。これって、、、、もし意図して企画したやつがいるとしたら(いると僕は思っている)とんでもねー戦略家だよな、とか思う。世界のパワーシフトを起こすには、これほど見事な方法ないもの。このへんの、資源への希少性のシフトを演出するってのは、すげぇ戦略だなーと思う。アメリカ市場の衰退はもう限界が来ているし、中国一国の市場で…確かに十分な部分はあるが、、、こんな経済圏がいきなり出現するとは僕も思っていなかった・・・・。しかも十分有望だもの。


こう考えるとバフェットさんのこのタイミングでのペトロチャイナへの対応は、鋭いんだよなー。さすが、賢人。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-28421820071019


こういうダイナミズムを見ると、世界ってすげ−なーと思います。というのは、たぶん金融資本などのインフラストラクチャーが整ってきているからでしょうが、過去100年前ならば、それこそ100年かかる物事の動きが、ほんの数十年で変化しているのがわかる。やっぱり凄い時代だよ、現代。こんな時代に生きられる自分の人生に感謝。


こういうのを見ると、国家50・・・・いや30年だなC.K.プラハラードのネクストマーケットの議論なんて、もう夢物語でも何でもなく現実なんだな…と思う。こういうのを、バカにするやつは甘いと思う。資本の力で世界は変えられるところまで来ているんだな…と思う。もちろん膨大なパワーと欲望をコントロールするわけだから、一筋縄では行かないとは思うけれども。シスコの戦略なんか、まさにこれだもの。やっぱすげーよ、シスコ。
http://www.cisco.com/en/US/hmpgs/index.html

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