可視化された読み方の違い

第8話の不出来によってコードギアスが手に入れたもの
http://d.hatena.ne.jp/GiGir/20080605/1212629706
未来私考


可視化された読み方の違い
 それまでのコードギアスの巷の評価というのは、面白い、すごく面白い、面白いけど自分には合わない、良くできてるけど薄っぺらい等々、受け止め方に差はあれど面白いあるいは良くできているという点では概ね一致していて、あまりそれ以上追求する空気がなかったんですよね。良くも悪くもウェルメイドの、高品質のアニメ作品であることは議論の余地がないですから。

 それが、第8話の出来が万人に受け入れられるだけの強度を持っていなかったが故に、この作品て本当のところはどうなのよ?という意見が注目を集め始めたんですね。


これは僕も同感ですね。キャラクターが薄っぺらいとか、マイナスの意見が常態化して云われる割には、熱狂的信者も多くて、オリジナル作品としてこれほど話題になっている作品も僕は珍しい感じがする。いや、僕がただ単に狂っているだけかもしれないですが(苦笑)。

確かに今回の演出のクオリティは、通常より少し低かった気がするが、それ故か、かなりネットでも意見が噴出して、GiGiさんのおっしゃるとおり、それが逆に良かったと僕も思います。この「読み方が可視化される」というのは、とてもわかる表現で、「他人が世界をどう見ているか」というのは、主観なので全然分からないものです。

だから「おもしろい!」とかいわれても、何が面白いのかが分からないというケースが良くあります。「おもしろくない」という逆もまたしかり。そのためでは、言葉で共通の「読み方」を見えるようにしてあげないと、何に憤ったり、何に感動しているのかが良くわからなかったりします。もちろん、かといって作品は作品であって、言葉で細かく切り刻むケースが必ずしも楽しさにつながるとは言えませんが、それでも、異なった読み方を自分の中に論理的に作り上げると、感動や情動が倍加したり、世界を複雑に眺めるのが可能になると僕は思っています。

主観感覚のバージョンアップと僕は読んでいて、たとえば、、、僕は、ゼロ戦乗りの坂井三郎氏やサンテグジュペリが好きで、彼らの著作を凄い好きで読み込んでいたんですが・・・・ある時に、この本ってもしかして、パイロットで飛行機を運転した経験がないと、ほんとのことは分からないんじゃないかな?と思い、がんばって飛行機の免許を取得したことがあります(笑)。いや、そうすると、もう「読み」が全く違ってきますし、感動も何倍も膨れ上がるんですよね・・・。

そこに描かれた「体験」があるということは、ほとんどの場合それと同じ体験をした人がこの世界に、歴史にほぼ間違いなくいるわけで・・・いや、僕はアニメや虚構の世界の体験も、すべてはオリジナルなものを核としてできあがっていると思っているので、あまり現実とまったく違う世界の嘘という風にはとらえません。スザクのようなやつは、いろいろ本を読むと過去にいた感じがとってもしますし、いまだって頑張って生きていると、まるで物語のキャラクターのような行動をする人は世界にたくさんいます。だから人間って、現実いって、世界って、生きるに値するほど面白いわけだから。つまらないのは、ただそれが見えていないだけ。


えっと、、、、、そういったものを「見る視点」みたいなものは、訓練して学ばないとなかなか異なる視点は獲得できません。ちなみに、マンガやアニメにとって、いずみのさん、LDさん、GiGiさんは、僕にとって、読みのスペシャリストで、且つ凄く共感する人たちなので、僕はその言動や動向をずーーーーっとモニターしています。モニターというと語弊があるな、、、なんというか、全力で感情移入と同化をしようと努力しています。彼らの「見ている世界」へ僕もつれていってほしいからです。いや、自分で行きたいからなんです。


そういうのがわかると、凄く人生が楽しいな、と思います。