「いつか人類には宇宙に出てって銀河帝国を建設してもらう」 それが夢です!!〜マクロスF24話「ラストフロンティア」の感想

さっきマクロスFの24話を見たんです。コードギアスだけで、正直今期はいっぱいいっぱいなので、かなり好きで見続けているマクロスFは全く考察しておりません。というか、これって映像の美しさと歌のテンポを見るアニメーションなんで、あんまり解釈するってのが似合わない気がするんですよね。とにかく僕は考えてみるよりは、感じてみました。最後の最後まで、僕はシェリル一筋でした。



それはおいておいて、これを見ると、バジュラをつかって全銀河の意識を統一化させようっていう科学者(ラスボス?)の野望は、そのまま「人類補完計画」であり神殺しの類型の野望ですよね。なんというか、この発想ってのは、ラスボスを作ろうとする時のある種のテンプレートと化してきているんだなーと思う今日この頃です。

ただ、コードギアスエヴァンゲリオンゼーガペイン、、、なんでもいいのですが、この類型の持つ「後ろ暗さ」みたいなものが、マクロスFにはまったくないんで、なんでなんだろう?ってずっと思っていました。バジュラの問題や、フロンティア政府が潰れそうなことなど、、、僕は一度も微塵も、問題があるって思ったことがなくて・・・・なんか、深刻さゼロで、妙に楽天的な意識でこの物語を見ているんですね。


それってなぜだろう?って実はずっと疑問に思っていました。


が、先日友人の日記を見てああーなるほど、とうなりました。友人が、「いつか人類には宇宙に出てって銀河帝国を建設してもらう」 それが、自分の夢だ、と言っていた。僕も同感です。技術に強い日本に生まれたのは、それが使命だって思って、僕はシゴトをしています(笑)。いやマジで。前に、優秀な技術のチームリーダーさんと、死ぬまでの軌道エレベーターを作ろう、もしくはそれを可能にする技術革命を!と酒の世界で握手したのをまざまざと覚えています(←バカ?(笑))。

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なにをいっているかというと、拡大の意識の有無をいっているんだと思うんです。下記の17〜18世紀の思想史を解析している本ですが、経済を考える時に、思想を考える時に重要なのは、「土地の有限性と無限性のどちらを前提にモデルを組んでいるか?」ということだ、という指摘にしびれたのですが、

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つまりね、人類の可能性は有限だ!と楽天的な考え方を前提としているか、そうではなく有限だ!と悲観的に考えるかによって、物事の姿勢は180度が何回も回るほど変わるってもんなんです。


そして、マクロスの物語は、基本的に、すべてが、人類播種計画のまっただ名中の黄金時代を扱っているんですね。だから、マクロス「フロンティア」なんです。


だから、基本的な大前提として、物凄い人類の可能性を微塵も疑わない無限の拡大を前提とした楽天主義が、この物語の基調に在るんですね。だから、見ていて、凄く能天気な感じがする。24話にして、たしかにバジュラの問題点は、全銀河に関わることだとわかりましたが・・・・もちろん、それくらい深刻な気はするんですが、いや、そんなの辺境の一事件にすぎないだろ!て来な感じがしてしまうんですよね。物語がそう描いているから、というのもありますが、、、基本の世界観が、人類の可能性を全肯定しているので、そう思わざるを得ないのです。


なるほど、だから、こんなにも気楽にこの番組を楽しめているのか…と感心している次第です。



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