バラク・オバマ新大統領選出〜新しい世界はどこへ



アメリカの黒人の大統領が誕生した。建国以来初の出来事だ。ハリウッド映画では、分裂するアメリカを統合する旗手として、黒人の大統領がここ何年も継続して描かれてきたが・・・それが、現実になってみると、びっくりだ。まぁもちろん、だからと言ってアメリカという国家のあり方や世界戦略がそう簡単に変わるわけでもないし、そんな簡単に「チェンジ」できるわけでもないとしても、やはりこの事実は重い。僕が出張先の海外で、CNNをずっと見ていたが。演説がうまいだけに、ぐっと来ることしきりだった。


とはいえ、韓国にいたのだが、韓国人の取引相手が、「我々も過去に若くて演説がうまい大統領を選んだのだが、そのせいで経済が地盤沈下した。やはり経験のない「若さ」に期待するのは甘い。アメリカのクリントン時代の景気の良さも、それは、レーガンがつくったものだ・・・オバマさんの経験不足の若さが、世界に悪い影響を与えないことを祈るよ・・・」と言っていたのが印象的だった。ウォンの乱高下に悩む、、、10年前のIMF危機を乗り切り、基礎体力をためたのに、また金融混乱でメチャメチャな思いをしている彼らにしてみれば、都合のことをいうだけではなく、実績で示してほしいというのは、わかる。ヨーロッパも、あれほどのユーロ高から一転して、深く地盤沈下したりセッションに入る気配だし、調子のいいことではなく、傷に塩を塗ってでも可能を止める本気の経済改革がなければ、世界が沈む。それだけに、世界の盟主たるアメリカの指導者の責任は重い・・・。


まぁ、日本も厳しいとは思うが、もともとストックがある上に、バブル以来の引き締めで企業体力がついているだけに、ここは徹底的な合理化を進めながらの攻めだろうな、と思う。社会的には厳しい冬の時代だが、日本では強い企業でいえばそれだけではない大きなチャンスだ。金融システムは、アメリカの影響は極端にヨーロッパと結びついていたので、世界への投資は、今がチャンスだ、と思う。ちなみに、日本の金融機関が、ブリックスをはじめとする世界中の金融へ、M&Aを大攻勢で進めつつあることもそれの証左。凄い勢いだよね。モルガンへの9000億円の三菱の投資は、正しい選択だと僕は思うよ。パナソニックの三洋買収も、あの株の持ち主が金融でボロボロのゴールドマンだからこそ、だしね。フィナンシャルタイムズか何かで、SONYのハワード・ストリンガーさんが、「大減益で危機のように見えるが、為替差損以外のマイナスはなく堅実に日本企業は運営している、、、だからこそ、今こそが企業の大再編とM&Aのチャンスなのだ!」と喝破していたのは正しい。さて、そうした世界が大再編進む中で、オバマ新大統領が、どういう世界へのVISIONを示してくれるかは、この金融危機への対応ですぐにわかる。政権が移譲される2か月前ですら、もう戦い始まっている。



これが、世界を代表する超大国のファースト・ファミリー。いや、ちょっと感動的だよね。