『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』 ひろやまひろし著 思いほのか、面白くてびっくり!

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ (2) (角川コミックス・エース)

1巻があまり印象に残らず、打ち捨てていたんだが、なんとなく読んでみた・・・。



何、これ、熱い!!(笑)



すっごく、面白いんですが・・・。なんなんだろう、1巻が記憶にないほどなんですが、2巻もの凄く面白かったです。これで終わりは、もったいないなーと思うくらいです。特に黒セイバーと戦う6〜8話が、かぁーーーかっこいい。



この魔法バトルのかっこよさ、圧倒的です。




ルヴィアと凛の戦闘経験の豊富さや、戦い手としての格の違いを見せつけながら、それを絶望的なまでに叩き潰すエクスカリバーの流れからの最後の逆転とか、うっうまいぞこれ・・・と、手に汗、握ってしまった。とりわけ夢幻召喚(インストール)の表現が、めちゃくちゃかっこよかったです。本当はものすごい力をもっている子が、命の危機とかで暴走して、力をかいま見るってのは、よくある物語のパターンなんだけど、このテンポの良さが秀逸。いやー堪能したよ。こういうのって、物語の力なんだよなー。もともと絵柄も好きじゃないし、1巻ではたしかイリヤも、うーんただ能天気なだけで、そもそもイリヤの魅力は、あの天真爛漫さに異様な残酷さがミックスされた黒い笑いであって・・・とか、いやそもそも小娘なんか…とか、そんなに・・・とか思っていたんだけど、この戦闘シーンの後とか、



なにこの胸のトキメキ・・・・・イリヤ・・・・かわいいじゃねーか・・・・。



と、風邪をひいてベットから目線を見上げる表情に、胸が、こうぐっと来てしまったよ。胸がときめくって、こういうことなのね・・・(笑)って思った。Fateの中では、僕はほとんどイリヤというキャラクターに思い入れがないんだけど、、、、この2巻のイリヤ・・・かっ、かわいいかも・・・。絵柄でさえ好きではないはずなのに、、、なぜだぁぁぁ。こっ、これが物語の力ってやつか・・・。


この9話の「1回休み」の回とか、ほんとただキャラクターで遊んでいるだけにしか見えないんだけど、実は秀逸な脚本構造になっている。これって、美遊(ミユ)というオリジナルキャラクターとイリヤのラブストーリー(笑)になる伏線で、ただのさぼりの回にしか見えない肩の抜け方で、これって、うまいなーと思う。

「うん! それじゃあたらめて よろしくね、ミユ!!」


と満面の笑みのイリヤ・・・やばい、これは、落ちるよ確かに(笑)。


これは、Fate/StayNightのスピンオフ作品なわけで、そういうものって、しょせん原作の手のひらに乗っているだけであったりするんだけど、この作品は、ちゃんとイリヤの「魔法少女としての心の成長(笑)」と、その心の成長を動機づける相手として、美遊という友人(オリジナルキャラ)を用意していて、「この二人の物語」がちゃんと、物語の主軸に乗っている。ここでは、凛もルヴィアもまったくのわき役に過ぎない。だが、それがいい。つまりは、この物語だけで物語として独立して成立できているってことだから。この2巻を見ると、イリヤが自分の力に目覚めてそれを受け入れる過程が、というか条件として、友達を守りたい、という気持ちがあるんだよね。このシンクロとか見事だよ。人が戦ったり、自分自身の受け入れ難い何かを受け入れるため、、、つまり「自分」で「自分」を全うするために、友達を大切に思う気持ちをバネにする・・・というのは、非常に安定したドラマツゥルギーだと思う。人は自分のためにはなかなか戦えないが、大事な人のためには戦えるものだからね。ミユが、おもいっきりツンからデレにかわるラストシーンとか、いやー見事でした。


・・・・いやーにしても、9話の、、、、イリヤのスイッチはいった後のSっぷりとか、この感じは、この物語の中のキャラクターをちゃんと作者が感じていて、借り物設定で描いていないって感じがして、うまいなーと感心。ウーこういう時にこういうものをうまく分析できない自分って、なさけない。ただ「いい!」としか言えないんだもん(涙)。




凄く楽しませてもらいました。





・・・・しかしやっぱり、、、アイリお母さんは、たまらんね。かーいい。



Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ (1) (角川コミックス・エース 200-1)