ハーレムメーカーは時を止める〜逆算の論理で物語を構築しないとだれる

とある魔術の禁書目録(インデックス)SS (電撃文庫)


ついに、本日SS2を読み終わり、既存の小説は、すべて読み終わりました。えらい、えらいよ、、おれ(←どこか?)。

ちなみに、パワーないので簡単に感想を。

キャラクターは魅力的だし、それぞれのストーリーは、なかなか良くできているし、うん、さすが長期連載しているライトノベルだな、と思う。楽しませてもらった。

・・・・が、いくつか、むー?と唸る部分があって、一つは、やっぱり小説が、文章が下手な気がして仕方がない。この「下手」には、いろいろ裏の意味を込めているので、あとで、ハーレムメーカーと恋愛原子核の定義の話(もう6割は書いてあるんだが・・・)を書く時に、ふくらませて書こう。ただここでは感想を。あのね、科学と宗教の対立は、いいテーマだと思うのだが、説明くさくて、なんか、その部分は、読むのがうざったんだよね。かといって、物語一つ一つの構造は面白いので、単純に下手というのとも違う・・・けど、読みづらいと思うことは思い・・・というところ。まぁ後で語ります。

もう一つは、やっぱり長期による「ダレ」だ。正妻であるインデックスの話と、当麻の物語(やっと16くらいで片鱗が出てきた)が「始まらないので」なんか、疲れてくるんだよね。さすがに、17冊くぐらい一気に読むと。基本的な水準は高いのだけれども、どうしても、なんだか薄く引き伸ばしているような印象を持ってしまう。というのは、「主軸となるドラマトゥルギー」が語られていないもんだから、個々の物語の並列構造を、統合する読み方が、しにくいんだよね。たぶん、作者は途中からテコ入れしているし、この世界全てを統合する軸を暗黙に織り込んでいるのはわかるし、実は僕もはだいたい分かったんだが、それがあまりにこだし過ぎて、うす味なの。この物語だけに思いつめて、愛しまくれば、最高だけど、、、、そうであなければ、ついていくのがめんどさくなってしまうなぁ。そして、仮に数十巻で完結した後、数年後に、この物語を一気に読む人は、、、たぶんいないだろう。とか思ってしまう。


前にも言ったけど、これって「逆算の設計」をしているものではなく、「連載という継続圧力によって世界を薄く引き延ばす形式」によって生まれるものなんだと思う。

ハーレムメイカーという仕組みは、この「薄く引き延ばす」ということ、「出てくる女の子を増やして解決するショートストリーをたくさん作ること」が、とてもしやすい・・・いいかえれば、連載に向いている構造なんだよね。けれども、「エンドをはっきり決めて」「主軸のドラマトゥルギー」を推し進めるという、「逆算」から考えていないものは、どうしても構造が「薄く引き延ばす」ような形になってしまう。ハーレムメイカーは時を止めると僕は言ったけれども、精確にいうと、ハーレム(=たくさんの女の子に好かれる)を形成する主人公は、ショートストーリーをたくさんこなしながら、「ゆっくり主人公の本質のドラマトゥルギー」を進めていくものなんだよね。あくまで、本質は、主人公の主軸の部分。ウェイト(重みづけ)と考えればいいや。だから、サブの並立ドラマトゥルギーをたくさん持てるというだけで、決して、すべての時を止めるというわけではないんだよね。すべての時を止めるのは、そもそも主軸のドラマトゥルギーをもたない受動型の恋愛原子核のほうなんだ。あまり薄めすぎると、そもそも倫理的問題点が出てきてしまう・・・そもそも、主人公が早く主軸の話を進めれば、ともすれば途中で苦しんだりする女の子たちって、ほんとはいらないんじゃない?とか感じてしまうんだ。

とにかく、ハーレムメイカーには、「主軸の不在は許されない」「逆算の論理で物語をつくらないとメッセージが薄まってしまう」という点があることが分かってきた。逆を言うと、受動系のハーレムメイカーである恋愛原子核には、「主軸が不在である」「逆算の論理ではなく、並立のストーリが等値で存在する」という現象が起きるわけだ。あっ、いいわすれたが、この「並立ストーリが当地で存在する」ということが、すなわち、楽園の日常というやつなんだ。ビューティフルドリーマー

今日はここまで。・・・おお、10分でかけた。


ちなみに、小説に登場してくる全キャラクターの中で、美琴のお母さんが、もっともタイプで、ぐっときたとことに宣言しておこう。かわいすぎます。この表紙の、右下の酒をかっくらって寝ている人です(笑)