この人・・・暗いぞ!(←だがそれがいい)

花やしきの住人たち (3) (角川コミックス・エース 121-9)


この終わり方・・・・何の解決にもなっていないじゃん!と思いつつも、ああ、、、現実はこうだよな、としみじみ感じさせる。「どうしようもない心の傷」はそれを隠して、なだめて、持って生きていくしか方法がないんだ・・・・。なんか、うわー三巻だけで、ここまで持ってくるというのは、作者はとんでもなく暗い人ですねー(苦笑)。


ハニカム』では頑張っているが、こういう人は、もっともっとドギタナイほど、汚れたと自分が嫌悪するほどエンタメ側にすり寄ると、素晴らしい作品が書けるという法則(←僕の勝手な)あると僕は見ています。いろいろあとがきでいろいろ書いていますが、構造的に少し無理があったとは思うのですが、ちゃんと書ききっているところ、絵柄がとてもきれい(僕はすごい好き)なところ、、、もう一段上に行ってほしい作家です。才能は絶対ある、と思います。


それにしても、三巻のラストシーンは、「救われるもの」と「救われないものの」あまりの格差が感じられて、僕は暗鬱とした気持ちに落ち込みました。ただ、そうだよな、それでも、光にすがって生きていくしかないんだよ。だって、「生きる」ってそういうことだもの・・・と思いました。このテーマは、もっともっと追及してもいいものと思います。ただ、あまりに暗過ぎて、身も蓋もなさ過ぎて、これをエンタメにするのは至難の業だぞ、とは思いますが。小池田マヤさんクラスのしたたかさとエンタメで生き残る芸風がいりますね。