インテリジェンス小説の楽しみ方



comings 2009/03/28 04:44
どうもです。

ペトロニウスさんのブログでは関連したテーマを扱った作品ばかりでなく、どのように関わりあっているかを丁寧に記されているので、読んで感じたことを明確化させてもらって参考になります。こちらこそありがとうございます。

蛇足ながら今月の雑誌軍事研究で公開情報の分析を行い日本人を擁するアジア研究分遣隊という在日米軍の情報部隊の存在を知りました。まさに作中の“会社”のモデルの一つであろうと思われます。

ごっちゃにしてしまう危険を孕みますが、フィクションから現実のニュース等に興味を持つ、また逆にニュースから興味のあるテーマの作品を読んでいく(上述の情報部隊の事はプラチナ・ビーズを読んでいなければ目に留まらなかったと思います)。そうして現実と読書の視野を広げていく、その相互作用が起きやすいのがインテリジェンス小説の功用であり魅力なのだと思います

http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20090321/p3

■1冊の本を読むためには、たくさんの背景知識との連関で読むと、より大きなものが浮かび上がる・・・はず?
コメントありがとうございます。僕こそ、五條瑛さんは全く知らなかったので、紹介いただきとてもうれしいです。もともと僕がブログを始めたころは、メインは、映画の感想を書くサイトにするつもりだったんです(笑)。そして、その時のコンセプトが、小説も漫画も、その「一つの映画のバックグラウンド」と、「ほんとうに監督がいいたいこと」を追求していくと、様々な作品ともテーマが重なりあったり補完関係にあってありして、一つの大きなテーマがある場合が多いんじゃないかな?、そしてそういうより横に展開し広くつながる「大きなテーマ」みたいなものを説明したいという思いがありました。はてなにきてからの最近は、時間がなくて、本当に意味でただのベタな感想&単品紹介に堕していますが・・・。だから、旧館の映画関係の記事を見ると、その作品を媒介に、できるだけ同じテーマや関連を感じる「他のジャンルの作品」を紹介することに重みを置くようにしていましたはずです。そういう部分が、ちらとでも感じてもらえれば、とてもうれしいです。同時代に生きる人間ですから、影響をうけないとは思えないですよね。僕の人生のスタンスの一つは、「もっと世界を深く広く体感したい」ですので、より広くマクロの視野を獲得できるこういった作品や情報は、とても楽しいです。



■公開情報から、未来を予測する技術
戦争の研究をしている本で、実は原子爆弾やその他の革命的な技術やアメリカの参戦などは、当時の公開情報を丹念に追えばすべて分かるものだった、ということが実証されているのを読んだことがあります。つまりは、この現代情報化社では、そもそも情報を隠匿することは不可能に近いんですね。ましてや大規模な開発・研究ともなれば、その産業連関につながる民生に影響が出ないなんてことはあり得ない。それを追えば、パズルのように構築できてしまうんですよね。実は、ビジネスでも似ていると僕は思っています。


僕はマーケティングが本職ですが、あることが、どうしてもわからないと悩んでいる部隊に僕が配属された時に、丹念に公開情報をつなぎ合わせると、かなり精確にいろいろなことがわかってきたりすることがあります。これが、マーケティングプランの専門としては、けっこうたまりません。普段は、遊んでいるんじゃないか?とか、無駄なこと細かく調べてレポートで書くなとか、ビジネスでは効率を重んじるんでよくいわれるんですが、こうして背景を埋めていった後に見えてくる「世界の像」は、凄まじいインパクトがあることがあり、しかもこれまでのビジネスに意思決定をひっくり返してしまうことがしばしばなんで、あまり気にせず僕はいつもこも細かく自分の興味を追うようにしています。まぁスタイルなんですよね。時々怒られるんですが、ただの主張レポートやミニッツで、異様に長く書くので・・・(てへ)。


まぁ仕事がそういうものであることからも、ここに出てくる葉山ら情報分析官の仕事には、非常にシンパシーがわきます。世界で分かっているのが自分だけという孤独から、話しかけるとなんでもしゃべってくれる可能性がある・・・とか、なかなか鋭い観察だなーと思いました。


ちなみに、『軍事研究』のブログはここですね。こういうのを継続的に追い続けているジャーナリストが、自然と諜報員に近い位置づけになるのは、当然ですよね。そもそも出来事があっても全体に結びつけるだけのバックグラウンドの知識がないと、理解ができませんからね。
http://gunken.jp/blog/