残念

with!! 3 (花とゆめCOMICS)

画像がなかったので、3巻を。最終巻の4巻を読む。・・・が、残念!としか言いようがない。『花の名前』が素晴らしい出来だったので、。この先を目指してくれるか・・・とおもっていたが、その後のすべての作品は、処女作に手が届かない上に後退している。米沢りかさんの時にも同じような話を書いたが、少女マンガ家は、ときどき「清く正しく美しく」とでもいおうか、負の側面や狂気を全然追求できなくなって、あまああまに関係性を維持して、素直に収束させてしまいがちになる人がいるが、それはつまらない。そういうのはしょせん、読み捨てられる平凡な少女マンガに感じるなぁ。それはそれで必要なんだろうし、悪いものだというわけではないけれども。最初の1巻の設定は、とても深くなる可能性を秘めていたんだけれども・・・なんかよくあるキレイごとに終わっているなぁ。でも僕はこういう真面目な作家は、たぶん「やな見続ける」のに疲れてしまったり、もしくはマクロの勉強が足りないので(文学とかの読書量?)設定は関係性の深みを感じさせても、それを展開する舞台が描けないのではないかな?と思ってしまう。


読み切り短編の『猫とヨーコと俺と家で』も、僕は凄く好きだし、ヨーコの造形好みなんだれども・・・そして出来は凄くいいのだが・・・母子家庭で、水商売の母親が新しいと個を連れ込んで、事実上母親に捨てられたかっこになっているヨーコを、主人公の父親(海外で長期不在)引き取るという設定んだけれども、、、「その苦しんでいる姿に同情して」主人公が、好きになってしまうという同居ものなんだが・・・これって内面のセリフにはっきり書いてあるんだが、主人公の優越感なんだよね。自分がい場所に恵まれている立場からの。こういうのを何と言うのか?というと、家父長主義とかそういうものって表現に取り込まれちゃうんだよ。男性と女性が全然対等に将来なる可能性がない。。。。とても美しいし、捨てられた小動物を、哀れに思う気持ちは、それはそれで美しい短編としては、そつがないけれども、これ長編としての可能性はとても薄い。『花の名前』も設定は同じなんだが、そもそも男性側も狂気に取り込まれていて・・・というどちらも逃げ場がない状況で狂気を見続けるからこそ、不思議な静謐が漂う文学の香り高い作品になったんだが、、、、それ以降は、そういった仕掛けの妙がほとんどない。これ、たぶん編集者が悪いなぁ。彼女のような感情や情感をうまく書く作家には、もう少しマクロの設定を考えさせて、それで「そこ」を悩ませ続けなければ・・・でももう、遅いかもな・・・これだけ時間がたつと変われないかもしれないなぁ・・・残念。僕は、『花の名前』の続きが見たかったんが・・・・(比喩的な意味で)。


花の名前 1 (1)