合成の誤謬

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1段階論理の正義/池田信夫 blog

このように「命を担保に取るのは許せない→保険をやめさせる」といった1段階論理の正義による規制が、日本の法律には多い。たとえば

1.店子が追い出されるのはかわいそうだ→店子を追い出せないようにする(借地借家法
2.労働者が解雇されるのはかわいそうだ→解雇制限を厳重にする(労働基準法

という規制は、一見、弱者を守っているように見える。しかし2段階目を考えてみると、この規制に家主や経営者が合理的に対応すれば、

1.→家を貸すのをやめる→借家の供給が減る→家賃が上がる
2.→正社員を減らし契約社員派遣社員にする→非正規雇用が増える

という結果になり、結局は弱者が困るのである。自分の行動に対して、相手がどう対応するかを予想して行動することを戦略的行動とよぶ。ゲーム理論は戦略的行動の理論だが、法律家にはこういう2段階の推論さえできない人が多い。この原因は、法律ではすべての段階で「正義」が「合理性」よりも優先されるためだと思われる。近視眼的な正義が、結果的には大きな社会的不正義を生んでいることに気づくべきだ。


こういうのを読んでいると、マクロ経済学で最初に習う合成の誤謬を思い出す。マクロとミクロは違うのに、それが認識できない為政者が多すぎる・・・。いや、それともポピュリズム的動員というのはそういうものなのか・・・。では結局は民度だよりか・・・しかし、民度だよりが確実に国を滅ぼすのはベネティア共和国(塩野七生の本)の例でも明らかではないか・・・とかとか。

↓おお大学の経済言論の教科書だ。これでは初めて合成の誤謬を習ったんだっけ。初めて聞いた時は感心したなー。消費性向を計算した時には、マジで驚いた…。

マクロ経済学 (新経済学ライブラリ)