読了。超面白かった。

お家さん〈上〉 (新潮文庫)


素晴らしかった!!!。近代日本の自分の中に失われているピースが、見事に分かりやすく入ってきた。なによりも、後藤新平金子直吉の関係や、新領土台湾の新しいフロンティアに沸き立つ日本国民やビジネスマンたちのロマンチシズムは、見事な描写力だった。そして、「そのこと」が、田川万作というキャラクターを通して帰ってくる様は、物語としても、最高だった。鈴木商店の凄まじい成長とともに、神戸の街への好景気と不景気の反動によって起こる社会不安の描写も、見事な裏表で、シンプルなストーリー、物語性ともに、最高だった。とりあえずもっといろいろ思うところはあるのでコツコツ記事を後で書いているが、素晴らしい小説でした。渋沢栄一の伝記小説である城山三郎さんの『雄気堂々』を思い出した。凄く連想させるのは、きっと、彼ら明治の前の時代の気概を胸に、日本の近代化のために、人生を賭けた人々だったからでしょう。『天涯の船』も、ぜひ読んでみるつもりです。


ちなみに、発行部数が少ないらしく、既に情感が手に入りにくくなっていますが、これは素晴らしい本です。ぜひぜひ読んでみてください。帯にある鈴木商店が育てた会社の人は、ぜひ読んでみることをお勧めします。直系の神戸製鋼所双日日商岩井)、石川島播磨、サッポロビール帝人などなど、、、少し年が上の方に聞くと、お家さんなどすぐわかるのでびっくりしました・・・。やっぱり歴史ってつながってるながっているんだなーと感心しました。


『雄気堂々』 上巻 城山三郎尊皇攘夷と開国の狭間で
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20081013/p1



雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)