『特攻の島』 佐藤秀峰著

特攻の島 2 (芳文社コミックス)

端的にいうと、物語として、エンターテイメントとしては、面白くなかった。この人どこで連載しているのだろう?。こういう内容をよく編集者が許したなーとは思う、、、が、、、このテーマでこの内容を描けたってことは、それは凄いことだとも思う。この人は、全部作品を読んでいるわけではないが、全ての作品のテイストが似ていて、こんなふうに組織の闇を告発してばかりいて、世界の暗部ばかり見つめ続けて、心が病まないものだろうか?って思う。いや、そういう否定的ないい方はよくないな、、、逆に、それでもなおかつ沢山の作品を量産できていることに簡単を禁じ得ない。前にも同じことを書いたが、このように「空気が支配して」誰もNOを言えなくなっていくときのスタート地点には、ある種に死を超克してしまってほとんど宗教かとでもいうような雰囲気を身にまとった人が、明らかに現実離れしていることを通してしまう空気を作りだすことを、、、山本七平さんは『一下級将校の見た帝国陸軍』で書いていたが、それを凄く思い出させる。正直読んでいて楽しい話ではないが、これもまた一つの現実ではあり、面白くないからこそ、目をそ向けちゃいけないなーと思わせる不思議なオーラがある作品。それにしても、回天か、、、、こんなものあったんだな。。。