ふと思う。

ストックホルムの密使〈上〉 (新潮文庫)

やっと読み始めました。3部作の終わり。上巻を読んでいてふとと思ったんですが、近代の日本には、ターニングポイントが二つあって。明治維新とWW2の敗戦。ここで、日本は、大きな「価値の選択」をしているんだなーと思う今日この頃。どちらも外圧による強制ではあるけれども、価値の選択をしていることには変わりがない。以前と以後では、価値の断絶があるんだなーと思いました。特に、WW2の降伏は、「国体護持」という言葉の狭間で、「何をもって日本とするか?」という究極の選択が迫られていたんだな、、、思ったりしちゃいました。天皇制を軸とする日本の近代国家建設のキングス弁を、世俗化させたわけで、、、それが、本当に日本にとってどういう意味を持ったのか?というのは、なかなか難しい問題ですね。当時の人が死ぬほど悩んだというか、権力抗争に明け暮れた理由が何となくわかってきた気がします。。。


ちなみに、つい最近、小室直樹さんの下の本を読んだんですが、なるほどねぇ、、、近代日本建国の父である伊藤博文らこのへんの元勲って天才だったんだな、、、とほんと思います。キリスト教絶対神との一対一の縦の契約という観念を、天皇を宗教にしてに機能代替させてしまおうなんて、、、、。その後日清戦争でこの、天皇教のシステムが完全に浸透していくくだりを見て、なるほどなぁ、、、と思う。「これ」が分かってきて初めて、終戦時の価値選択の議論、、、、国体の議論が意味を持って迫真さを持って感じるようになってきました。次は、北一輝について読んでみたいなぁ、、、と思う今日この頃。

日本国民に告ぐ―誇りなき国家は、滅亡する

北一輝 (ちくま学芸文庫)