情報キュレーションという概念の実演〜福島原発の爆発とリビアでの空爆の関連性が示す人類のエネルギー問題

■情報キュレーション(視座にチェックインする)という概念の実演
ジャーナリスト出身者ということもあるのでしょうが、様々な話題と具体例を引用しているのでとても読みやすい一方、時事的な放談になってしまって、イマイチ何が確信として言いたいのかが、端的にはわからない本でもあります。本のみでいうならば。けれども、海燕さんや僕らのようにもともとヘビーのネットユーザーであり発信者である人にとっては、「なるほど!」と思わせるヒントや思考の断片の大宝庫です。それだけリアルタイム性が強い本なので、とにかく出た瞬間に読んでいかないともったいないです。ちなみに下記に海燕の記事と、佐々木さんのツイッターのアドレスを示しておきます。佐々木さんの情報キュレーション、、、、視座にチェックインするという概念を、まさに今回の震災で実際に実演されてるので、かれのHP、Facebooktwitter、そして書籍などメディアのそれぞれの使い方を少し時系列的に追ってみると、いろいろなことが分かりますので、お薦めですよ。概念を実感し体感できるというのは、なかなか稀有なことですから。ちなみに、海燕さんにお薦めして、非常に面白かったといわれてましたので、うれしかったです。人に紹介していいと思われて、その次の本まで読まれているとわかるとうれしいですね。


キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

記号消費の終わりとつながり消費の始まり。
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20110323/p1



佐々木俊尚さんのHP

http://www.pressa.jp/

ツイッター
https://twitter.com/sasakitoshinao


佐々木俊尚さんのFacebookに「震災キュレーション」という形でほぼ毎日twitterでザッピングしたものがリストになっているので、とてもいいですよ。

ちなみに、最近僕も、東北地方関東大震災の自分が見つけている記事をザッピングしてはブログに掲載していますが、忙しくてその評価や分析は描けていないのですが、今回のこの災害による福島第一原発は、今後の人類史にとって大きな問題だと思っています。そして、多国籍軍が、リビア空爆することは、それに繋がって見るべき出来事だと思っています。つまりは、人類のエネルギー問題という視点でです。


今の世界は、アメリカがサウジアラビアの一部族と同盟を結んで、石油資源を抑え込んだことによって作られている秩序です。基本的に欧米が行う行動は、この秩序を守ること、石油資源を押さえることを究極的な戦略目的としています。その要は、イスラムによる中東の連帯を作り出さない親米政権を確保することです。基本的に、アラブナショナリズムイスラム原理主義など、民主的に草の根からのエネルギーに任せると、対イスラエルや反米で中東は一枚岩になってしまう可能性があります。そうしないためには、軍事独裁的な寡頭政権が、民衆を独裁に近い形で押さえつける生体がアメリカにとっては好ましい。この構造が、エジプトのムバラク大統領が政権を追われることによって、非常に危機にさらされています。

人類史の視点から見ると、現在の地球のエネルギーは、石油に依存しています。脱エネルギーがどんなに叫ばれても、人類を養うレベルでは、まだ石油しかありません。けれども、それだって足りないんですよね。その補完として、原子力エネルギーがあった。このエネルギーの依存度のバランスが、これまで全世界の安全保障のある種の基礎構造を占めていたわけです。もちろん、中国などこれからの新興国は、どんなに嫌でも、近代国家として成熟した資本主義国になろうとすれば、原子力に頼らないで国のエネルギー需要を賄うのは不可能でしょう。この人類を支えるエネルギーの基礎の二つの、これまであった構造が、ぶっ飛んだんですよね、2011年は。つまり人類を支える基礎構造に、大きな亀裂が走ってしまった。この亀裂の行方が、これからの人類のパラダイムを書き換えていくベースとなります。そういう意味で、僕はこの二つの事件をとても注目しています。これは、僕の視座(パースペクティヴ)ってやつです。ちょっち、佐々木俊尚さんに習って、やってみました。


福島第一原発 爆発の瞬間 Explosion at Fukushima nuclear plant

Huge blast at Japan nuclear power plant BBC Fukushima