『ボクを包む月の光』7巻 日渡早紀著  大人になった視点で80年代の問題点と会話すること

ボクを包む月の光 7―「ぼく地球」次世代編 (花とゆめCOMICS)


ボクを包む月の光』6巻 日渡早紀著  逆に訊くぞ、幸せじゃいけないのかよ?
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20110412/p1

この巻もいいなー。何となくわかったが、ぼく地球は、80年代の病理を詰め込んだみたいな作品だったのだが、その時の問題点へ、それぞれのキャラクターたちが大人になり人の親となった視点で、真っ向からその時の叫びに答えようとしているんだよね。別に80年代の時のあの感覚が悪かったわけじゃない。時代的な文脈もあるし、そういう感受性があってもおかしいとはお思わない、、、その時の真摯な問いに、紳士にちゃんと成熟した大人としての足場を固めてきた輪たちが、答える様は凄い感動する。


・・・・あと、読んでいて凄くなるほど、、、と思ったのだが、、、、人が暴走する時、道を間違う時、道を踏み外すとき、最も重要なのは、親や家族じゃない。第三者−−−−友達なんだ、、、家族以外の自分にとっての大切な人がいないかいるかでその人の人生は決まる。本当にそう思う。


やっぱり、物語の作り方やカヤラクターの造形とか、本当にこの人は熟練の腕だなーと思う。面白い。けど、、、他の作品に比べて、この作品がぐっと奥深くなるのは、やっぱり、ぼく地球の持つキャラクターの持つ過去や人間関係の重さが、ずば抜けてとんでもないほどだからなんだろうと思う。