ゼーガペインについて

ちょっといまはネット環境がそんなによくないので、テキストのみで。LDさんお薦めのゼーガペインをみました。ファフナーをみた時と同じ感想で、よくできた秀作という感じ。LDさんの話だと、もっととんでもなく面白い話におもえていたのだが、、、ただし、彼がなぜそうのように面白くとらえたのかは、よくよくわかった。この作品のマクロ設定は素晴らしい。


ありがちなんだけど、マクロの設定が素晴らしすぎると、ミクロの人間関係のドラマが甘くなってしまうケースがあって、これもその系統だったと思う。いや、たぶん脚本などストーリーを作る人は、本当に誠実に丁寧につくっているので、ダメだとか、碌でもないということじゃなくて、この凄まじい複雑で深いマクロに比較すると、人間のドラマが小さく霞んでしまう。このての物語は、そのへんのアンバランスさで、秀作にしかなれないケースが多い。


また、マウロ設定、、、、人間を量子化して進化を進めるという発想自体は、たしかに、それが本当に悪いのか?と言われると、実に難しい命題で、人類を滅ぼすような敵対行動をとったからこそ、問題であって、並存してもなんら問題なかったんじゃないか?というような気がする。それこそ、スターシード命題や種の進化、また物理的制約からの解放など、人類の目指すべき方向の一つだもの。このマクロの問いに対して、作中は、実存を対置させるけど、この対比は、ありふれているし、、、そもそも、先ほどいったように、これ並列すれば、なんら問題じゃなかったんじゃないか?と思う。だって、世の中には、寝たきりの人もたくさん居るわけだし、凄まじい貧困などお世界にいれば、量子化の選択する人なんて、ごまんと居るはずだとぼくは思うよ。ナーガも、性急すぎる選択だったと思う。それだけの技術と資本があれば、いろいろやれたはずだもの。なにも、テリーギリアムの12モンキーズをやらなくてもさ。


あと、マクロに偏ってしまったから、三角関係の結論も?って感じだし、ゼーガの中でしか生きられない彼女の人生、実存とは?とか、キャラクターが持つダイナミズムや関係性が、推し進められず、あっさりしてしまった。それが、いまいち秀作に感じてしまう。いや、素晴らしい作品だと思うけどね。ここで語られて居る世界の在り方は、とても野心的で、インスパイやーされるものだもの。


この話は、ぜひ、語りたいので、今度、LDさんとルイさんとぜひラジオがやりたいです。SFのテーマについて、語れると、この話は非常に見通しがよくなると思うんだよねえ。