『星を追う子供』 新海誠監督 

劇場アニメーション『星を追う子ども』 [DVD]

評価:★★★3つ
(僕的主観:★★☆2つ半)


意外、、、つまらなかった。前作まで、コンスタントに非常に面白い作品だったのに。。。宮崎駿が監督をしないで失敗したジブリ作品のような印象。へんにファミリー層向けというか、層の拡大を狙ったのが、裏目に出ているような感じ。全体を見て何がやりたかったかといえば、これは『シュナの旅』をやりたかったんじゃないかな、と思う。そんな印象を受ける。けど、それをするならもっと、マイナー方向に攻めるべきだったし、妙に大人しくなっているので、死という喪失感を抱えたときの心象風景という宗教的な領域に踏み込みにくくなっている。イアザナミ、イザナギだっけ?日本の古事記神話を通して、死の喪失感の納得と再生を語るというテーマは、非常によくあるもので、昔少女漫画の短編でたくさん見た覚えがある。観念的に走ると、このテーマって出てきやすいんだと思う。けど、テーマは素晴らしいんだけど、これを具体的なイメージや映像にするのが凄く難しくて、けっきょく、何それ?てきな、普通の話になってしまいがちなんだよね。この系統の話でもっとも、成功したのって、たぶん宮崎駿の『シュナの旅』なんだと思う。チベットの神話を、モチーフにしたやつだと思う。これは、映像化されなかったのが(マイナーになるからやめたんだろうと思う)本当に惜しいと思う出来だった。


シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))