グーグルはどこへ行くのか?


Googleの昨年の年間売上高は745億ドル(約9兆円)。Alphabet傘下で、最大かつ唯一利益をあげている事業だ。事実、Googleは10億人以上のユーザーを持ち、7つの異なる製品を持つ。検索、GmailYouTubeAndroidChrome、Maps、そしてアプリとメディアの自販機とも言えるGoogle Play Storeだ。

Googleの成長は常に議論の的だ。エドワード・スノーデンが明らかにしたPrismと呼ばれるNSAのプログラムとGoogleは密接に関わりがある。GoogleNSAに協力していたと世界中の人々が疑った。Googleは一貫して、システムへのアクセスをNSAに許可した事実はない、との立場をとっている。社員の通勤にために出しているバスは、収入格差の象徴として路上で妨害を受けている。検索結果から好ましくない項目を削除する市民の権利(忘れられる権利)や、競合に先んじて自社製品を表示している疑いをかけられ、独占禁止法違反かどうかをめぐってヨーロッパの各国政府と争うことになった。中でも2014年のGoogle IOデベロッパー・カンファレンスのキーノート・プレゼンテーションの途中で、Googleに抗議する人が立ち上がり「おまえが勤めているのは、人間を殺す機械を開発する全体主義の企業だ」と叫んだことは印象深い。


Googleの知られざるCEO、スンダー・ピチャイを探して
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素晴らしく面白い、読み応えのある記事だった。


最近インド系の経営者が、アメリカの大企業のトップにつくことが多い。その理由が凄くわかるような記事だった。世界は、まだまだ希望が溢れているなぁ、と思う。


そういえば、僕のメインのカウンターパートは、インド系アメリカ人。いつも英語が電話だと、全然聞き取れない。巻き舌すぎて、英語なんか全然うまくない僕にはハードだ。けど、マジでいい人なんだ、これが。超、いいやつ。なんで、アメリカのインド人は、いいやつばかりなんだろう?。なんかそんな気分になる。アメリカのようなCEOが暴走して、利益追求ばかりして社会の公器である「会社」を食いものにしているような現状で、こういう人々がトップに選ばれていくのは、やっぱ、さすがだなとか思ったり。

「インドに帰ってくるといつも感傷的になる」と数千名の学生が待つ講演会場のスタジアムに向かう途中で、ピチャイは言う。


ピチャイは、チェンナイの2部屋しかない家で育った。兄弟は、リビングの床で寝た。「両親はいろんなことを犠牲にしていた。教育が常に最優先だった」。「機会に恵まれたことに幸運を感じるし、それは謙遜でも何でもなく、どんなに大変でも、教育を受けさせると両親が決めていたからだ」


インドの生活水準からすれば、子供の頃のピチャイの生活は恵まれていた。父親はエンジニアだったので、教育を受けることができた。一家にはスクーターを購入できる十分な金があった。時々、家族全員でスクーターに乗った。


しかし幸運に恵まれない人も、たくさんいる。「家の外には『夜警さん』がいた」とピチャイは回想する。「その人は家の外で毎晩眠っていた。ホームレスと思ったことはないが、その人には家も家族もなかった。自分がどこでどのようにして生まれたかも知らなかった」


今、ピチャイはボディーガードやアシスタントと旅をする。車のクラクション、ちょこまかと走るトゥクトゥク、路上の屋台、巨大な風船を売ろうとする露天商。インドの風景だ。ピチャイは回想する。


「子供の頃、夜、家に帰ると犬がいて家に入れなかった。仕方がないから屋根に上って、屋根伝いに移動しようとした。でも、犬が吠えながらずっとついてきた」


ボロボロの旧市街と、急速に近代化する風景が同居するデリーの街。渋滞の中クルマを進めると、GoogleスマホNexus 6P」の大きな広告看板が目に入る。デリー中のあちこちに、デリーの外にもある。空港でも目にする。iPhoneは、インドでほとんど見かけない。Appleの市場シェアは2%に満たない。


一方、Androidはインド市場の64%ものシェアを誇っている。そして2016年には、Androidは始めてインド市場の販売額でアメリカを超えるとGoogleは予測している。スマートフォンは、アメリカでは、ほぼ飽和状態だ。成人人口の70%、20代の86%が少なくとも1台は所有している。それに対しインドではまだ普及途上。人口の26%しかスマートフォンを所有しておらず、その26%がインドにおけるほぼすべてのインターネットユーザーという状況だ。だがこれもあっという間に変わるだろう。Nexus 6Pのような高機能のハイエンド端末だけでなく、無名のメーカーによる安価なスマホの爆発的普及、そしてインフラ整備が背景にあるからだ。経済発展するインドにおいて、Androidの市場シェアを確固たるものにすること。これはピチャイの課題だ。


次の10億人。すげぇ、しびれるなぁ。やっぱりビジネスは、人類社会に貢献してなんぼだぜ!っていつも思う。自分も、そういうビジネスに関われていることに、その運にとても感謝する。何にしているかよくわからんけど、なんか感謝したくなる。だって、そういうのって、運だもんなー。

シリコンバレーの優れたリーダーは、3つのタイプに分類できる。エンジニアリング、ビジネス、そしてプロダクトだ。

エンジニアタイプは革新と発明をリードする。動くものを作るのだ。Facebookマーク・ザッカーバーグは典型的なエンジニアで、ハッカー精神で会社を立ち上げた。

ビジネスタイプたちはいわゆる破壊者であることが多い。供給や流通を再考し、冷酷無比に取引し、市場を独占する。このタイプにはAppleのティム・クックがいる。クックは中国のサプライ・チェーンのパイオニアで、Appleを財務的に強い企業に発展させた。

プロダクトタイプは、どうすれば便利なだけでなく、優れていて美しくなるかということに注力できる人のことだ。このタイプは、エンジニアリングを人間らしさに昇華させることができる。スティーブ・ジョブスが究極的なプロダクト・タイプの人物だ。


色々なものが詰まっている記事だ。素晴らしい。