おもわずプロポーズしちゃったお話

ベイビーステップ(45) (週刊少年マガジンコミックス)

なんというか、普通のラブコメ見ていても、こんな風にぐっとくる恋愛を見ることないなーって思います。

アメリカにいってしまうなっちゃんを前に、お互い話し合っていろいろ積み重ねた後だから、さらっと行きそうだったところがおもわず、ぐっと感極まってしまって、話していたら、、、あれ、この話している内容って「プロポーズじゃないか?」しかもお互い当然という前提で話で進んでいるし・・・・・という、この感じ!うんうん、ほんものって、こういう感じだよなーって思うんですよねー。うーん、本物というか、正しい・・・・というのとも違うけど、ちゃんと積みあがっている関係って、未来のことがすべて「その人」と絡まっているので、そういう話をしているうちに、当然になってしまうんだよね。そんで、ちょっとぐっと盛り上がっている時に話していると、あれ、いまのプロポーズじゃん、、、と思い返す、みたいなこの自然の感じがたまらないっすよ。なんかねーラブコメんとかのファンタジーというか物語を見ていないような、ちゃんとした現実感を感じるんだよなー。恋愛に関して描写しているシーンなんぞ、45巻もあってほとんどまったくといっていいほどないのに、なんか、、、正妻感とかそういう、外からの揶揄見たいのではなくて、「この人」には、「この人」しかいないという感じが凄いするんで、物凄いドキドキするというか、胸にぐっとくる。勝木さん、ぐっとくるなー。本当に素晴らしい。それにしてもなんて不思議な漫画なんだ、、、45巻も進んでいながら、だれも感じないし、長すぎるとも思わない、、、なんでなんだろう。


10話「そして竜虎は神に挑まん」〜大事なのはシゴトなんだよね。
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20170623/p1

冴えない彼女の育てかた』11-12巻 丸戸史明著  ハーレムメイカーの次の展開としてのお仕事ものの向かう方向性
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20170512/p1


最近の文脈は、ハーレムものからどうも「お仕事もの」への流れがある中で、その流れを見出した丸戸さんの最終方向性が決まってきた(ようは13巻で最終回)中で、要は仕事のパートナーで、同じ成長の目線で、一緒に戦う戦友が、それが女の子だったら、どういう風に恋を自覚するんですか?って話なんですが、たぶんこれって「一緒にいる」ということと・・・・いやそれもサブかな一番大事なのは「成長のスピードと目線が同じであること」なんですよねー。それでこういう戦友系は、恋とそうでない線引きが難しい。なので、どのタイミングでそれに気づくの?ということが、13巻のカールズサイドで女の子の視点で根掘り葉掘り聞かれる(笑)って、よく考えたと思いましたよ。これは悶えるよね(笑)。


でも、やっぱりそもそも『冴えない彼女の育て方』なんかは、男性の、男の子の目線で描かれている作品なんで、そうなる。


でも、ベイビーステップは、作者が女性のせいだと思うのですが、男性視点じゃないんですよね。もちろん主人公はえーちゃんだけれども、えーちゃんの目的意識や性格的に、男性の妄想ってのが、まったくない。それが、このえーちゃんとなっちゃんの恋愛を、「同じ目線で成長していくことをシェアする」という状況へ、、、、なんというか、お互い異性として意識して妄想の思い込みがあって、それによる駆け引きが生まれて、、、というようなラブコメのシュチュエーションが全くなくて、向かうので、ぐっとリアルというか、誠実な恋愛になって、着実に前に進んでいく。すれ違いがない(笑)。すれ違うほど、お互い他のことを見ていないから。通常のすれ違いシュチュエーションんが起きるのは、自分のコンプレックスとか、相手そのものを見ていない部分が多かれ少なかれあって、それとの行ったり来たりがすれ違いになるんですが、向き合って恋愛しているカップルにはそれがないんですよね(笑)。


なんで、なっちゃんが、えいちゃんが、お互い好きになったかっていると、相手が真剣にテニスに向きあっていて、その真剣さが「プロになる」という高い射程距離まで結びついていて、周りの人と逸脱しているので、その同志感覚「自分の目指すことを分かってもらえる」という部分が共有されていって深まっていっているんで、、、、これって、仕事というか、同じ世界を生きる人の同志愛から生まれていっているものだと思うんですよ。これって確かに凄く厳しい関係で、お互いやりたいことをやっていると、一緒に暮らせない、いられないってことが当たり前のようになっていってしまうんですよね。なので、それ以上の深い結びつきが、思いが必要になって、、、、となると、もう結婚してる夫婦と寸分変わらない思いになってくるんだと思うんですよねー。いやはや、これでまだ肉体関係ないって(笑)のは、なんか凄いわかるなって思うんですよねー。なんというか、魂の共有感覚が進んでいるカップルにとって、キスとかHとかって、なんというか、愛情と関係性の一部にすぎなくて、物凄く重要なイベントにする必要ないんだと思うんですよね。タイミング良ければ、そこまで自然に進んじゃう。タイミングは、こういう二人には、「自然と」訪れてしまう。そういうもんなんでしょうなー。


うーん、、、なっちゃんとえーちゃんのカップルって、凄い素敵です。


冴えない彼女の育てかた Girls Side 3 (富士見ファンタジア文庫)