『サトコとナダ』 著:ユペチカ 監:西森 マリー サウジアラビアの女性の視点から見る世界ってなかなかなくて、とても興味深いです。

サトコとナダ 1 (星海社COMICS)

評価:★★★★★5つ
(僕的主観:★★★★4つ)

http://sai-zen-sen.jp/comics/twi4/SATOKOandNADA/

こういうエッセイ的な漫画は、物語自身よりも、どれだけ我々にセンスオブワンダーな視点を提供できるかという点がポイントで、それがあればあるほどインパクトがある。サウジアラビアは、アメリカとの同盟国で、山ほど留学生がいます。国が費用をかなりバックアップしているので、アメリカの語学学校に行くとブラジルと並んで、派閥ができるほど集団で大挙しています。なので、僕も友達が昔いっぱいできました。けど、国がまだまだアメリカほど開けていないので、直ぐ派閥というか集団で固まってなかなか個人で動かない人が多かったし、どうせ国に帰るのだからと、アメリカになじまない人も多い。何年もいるし、本当に山ほどきているんだけれども。なんか、一昔前の日本ですなー。でも、公費でサポートがあるので、もう驚くほど唸るほど金がある(笑)。豊かな国なんだなーとしみじみ。でも、男も女のも山ほどアメリカの生活を数年、公費で遊びまくって、それでサウジアラビアに帰って、、、そこからは修業?ですよーみたいなこと言っていた。サウジやることねーしっていってた。砂漠で車のレースとかするの好きなんで(これyoutubeとかに死ぬほどあがっているので、見ると砂漠の凄さにまじで驚きます)、よくやっているのがフェイスブックにのっているんですが、、、なんか郊外のヤンキーみたいって凄く思う。男だけでいつも群れてるし。。。ああいう風に男性と女性の共同体が切り離されているのでって、変な妄想を生んで、よくない気がするんですよね。日本での男子高出身の女の子への妄想力は凄い(笑)。


はっ、おっと、この作品紹介なんですが、僕は男性なんで、やまほどサウジの男性友達はいるんですが、女性は見事に一人もいないんです。あっ、大学のころの友達はいるけど、疎遠だしなー。しかもこういうメディアに、物語に出ることもないんで、彼女たちがどういう風に生きているか、全く分からない。サウジアラビアは、アメリカとの同盟にのった国なので、国自体はほとんど中世のような法律や習慣がそのまま乗っているのに、ライフスタイルがアメリカ化しているという意味不明な(日本も似てますよね)国なんで、女性の人生も、同じようにリべラルになっているはずなのに、古いルールが強く生きていて、かつ女性が表に出ていきにくいので、ほんとうにさっぱりわからない。それを見せてくれた、という意味では、素晴らしいセンスオブワンダーでした。西森マリーさんの監修もあって、かなりいいところに踏み込んでいると思います。そういえば、講談社星海社はこういうの上手い気がしますね。野上 武志さんと、元海兵隊のアナステーシア・モレノさんの組み合わせも素晴らしかったです。

まりんこゆみ(7) (星海社COMICS)ハイヤー・ラーニング [DVD]

ちなみに、日本人から見た正の側面の最もいいのは、成田美奈子さんの『アレクサンドライト』。ニューヨークのリベラルな雰囲気が、めちゃくちゃ伝わってきます。もう僕これ大好きすぎて、何十回と読み返しています。これ読むと、アメリカ好きになるわー。まじで。それ以上にアレク(主人公)の成長物語として、本当に見事。それに、スカベンジャーハントなどアイビーリーグの伝統的なキャンパスライフがこれでもかと組み込まれていて、素晴らしい物語です。ちなみに、往年の大傑作である『サイファ』の続編なんで、独立しても読めますが、両方読みましょう。超ド級の傑作です。

ALEXANDRITE〈アレクサンドライト〉【期間限定無料版】 1 (白泉社文庫)


CIPHER 全7巻完結(文庫版) [マーケットプレイス コミックセット]