2022年2月24日(木)ロシアによるウクライナ侵攻(1)

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さすがに、これは歴史的イベントだろうと思い、コツコツ調べている。上の最初の1時間半は、ウクライナ動向についてLDさんと話したもの。今の気分が残っている。2014年3月のロシアによるクリミア併合以来、このような国境線の変更は、WW2以来の大きな出来事で、世界の歴史の流れを大きく変えることだと考えてきたので、これでダメ押し。新しい世界に突入したのだろうと思う。


2022年2月24日の木曜日にロシアがウクライナに侵攻開始。

僕はスタンスとしては、WW2以降の国境線を武力によって変えないという国際的なコモンセンスは、絶対だと思っているので、日本人としては全面否定以外はないと思っている。しかし、ロシアの「安全保障への恐怖から来る物語」は、日本も似ているのでこれを止める方法は、なかったかもしれないとは思う。とはいえ、専門家であるわけでもないし、利害関係もほとんどないので、こういう大規模イベントは、語彙と歴史を見る皮膚感覚を養う好機だと思っている。なので、こつこつ事態をモニターしてみている。

■小泉悠さん

こういう時に、基礎的な時代を理解するためには、自分が好きなかつ信頼できるソースをコツコツ追うのがいい。東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉さんをそもロシアウォッチャーとして信頼してずっと追っているので、この人を追っている。過去のインタヴューで、北方領土問題について、めちゃめちゃわかりやすく説明していて、重層した複雑な歴史で簡単には理解できないと思っていたことが、スッと理解できて、自分の頭と言葉で積み上げている人はこんなにわかりやすく物事が説明できるのか、と驚いた。下記の著作も読んでいるしね。本では、ウクライナバルト三国などの国境問題もおっていて、全部ひっくるめると、ロシアの全体の戦略というか感覚がよく伝わってきて、本当に良かった。とにかく明快でわかりやすいのに、決してごまかしていない自分の言葉で練られ考えられた深みを感じる。

特に、下の5分のダイジェストは、いまが一体「何がイシュー」なのかが端的に詰まっている。

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歴史的には、ホロドモールによるロシアへの恐怖が深く、オレンジ革命、マイダン革命とステップを踏んでいるので、ここで市民によるゲリラ戦による徹底抗戦はわからなくない流れ。日本のWW2での本土決戦を、ガチでやっているということだ。

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本を読むと、目の前の現象だけではなく、「主権」の概念が、西側、自由主義陣営、西ヨーロッパの1648年のウェストファリア条約(Peace of Westphalia)を基礎とする考え方とまるで違うという原則と理論から説明していて、なるほどと唸ったのを覚えている。中国の歴史的背景から、冊封体制朝貢体制を知らなければ、「見ている世界が違う」「異なるゲームで交渉している」ことがわからなくて、何が問題になっているのかまるで理解できないままディスコミュニケーションに陥るものなのだなぁと、いろいろ本を読むうちにクリアーになっていったのだが、その時と同じようなセンスオブワンダーを感じた。というか、むしろ、世界の大国として独自で動けるプレイヤーである中国やロシアがまるでウェストファリア的な理解と異なる主権、外交理解をしているということは、人類史におけるコモンセンスが、決して、それが共通ではないこと示していて、全然わかっていないで歴史書とかを読んでいたのだなぁ、といやはや読んでいて勉強になった。

これ2019年の時の本の感想だけれども、この主権の概念の違いを、前提にしたいと、プーチン大統領が何を言っているのかが、ほとんどわからないと思う。

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■本土決戦のいま

さて、この記事を書いているのは、2/28でたぶんウクライナとロシアの会談は、破談していると思う。そうすると、ロシアの侵攻に対して、ウクライナによる本土決戦が継続くしているはず。かなりの軍事大国ウクライナといえども、実際のところは、ロシア軍に勝てるはずもない。じわじわと、キエフ(最近キーフと書くよね)に進軍していて、いつかは落ちると思う。基本的に、時間がたてば、ウクライナ、ロシアともに良い点と悪い点がある。実際軍事的には、どんなに抵抗しようと、占領地は増える。ロシアのアドバンテージは増えていく。

しかしながら、ウォロディミル・オレクサンドロヴィチ・ゼレンスキー大統領(ユダヤウクライナ人)は、この状態で、徹底抗戦を叫んで、それが機能している。もともととても好戦的で能力のないコメディアン上がりとの揶揄が多かった人だけど、時を得た感じがする。民主主義の生態が、まがりなりにも、自由を求めて市民を含めて本土決戦、徹底抗戦を叫ぶとなると、国際社会、とりわけアメリカ、西ヨーロッパサイドの支持が大きくなっていくのは必定。


国際社会の同情、そしてアクションを引き出す、「時間稼ぎ」が、本土決戦の効果としてある。



そしてEU加盟申請など、打てる手をガンガンうってきている。これが、どこに着地点を見出すか、が今注目されている。

映画などは、ほとんどプロパガンダで、一方の立場の物語に過ぎないことを自覚しつつも、たぶん実際にほとんど知識がないことを考えれば、下記の2つの映画はおすすめ。


■ロシアの考え方

ちなみに、ロシアの安全保障への恐怖を理解するのに、この解説は、うまいと思った。ロシアが、どれだけ安全保障的に被害者意識の物語を積み上げているかは、実際の被害の歴史をベースに語らないとだめだと思うので。

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■CNN10

僕は家族で、毎日CNN10を見ているので、この時のやつも毎日追っている。将来の参考資料として。

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