『TAJOMARU』 中野裕之監督

TAJOMARU 通常版[DVD]

評価:★★☆星2つ半
(僕的主観:★★★3つ)

意外や意外、おもしろかった。もっとダメダメかと思えば、、、、。特に前半部の、いいこちゃんのおぼっちゃんの畠山直光(小栗旬)が、すべてに裏切られていくところは、個人的には好きな流れだった。けど、それも中途半端だし、映像も映像作家出身という割には、ええっ!と飛び抜けるほどでもない。何か、もう一歩足りない感じだった。いや、酷評するわけではなく、主観的には、なかなかおもしろいではないか!と力技で思わせてまとめ上げているので、ちょっとおしい気がする。この舞台的な派手な雰囲気と、スーパー歌舞伎的なアクション、それになんちゃってジャパネスク映像美というのは、日本映画の金鉱のような気がする・・・ここで、骨太の物語作れれば、かなり凄い作品が撮れるんじゃないかと思う気がした…。そういう意味では、紀里谷和明監督の『GOEMON』が見てみたい(まだ見ていないので・・・)。



時期管領職は兄・信綱が継承すべきと考えている畠山家の次男・直光は、兄・信綱、大納言家の娘であり許嫁である阿古姫と暮らしていたが、盗人・桜丸を部下に加えるなど気儘な少年であった。彼らが成人して間もなく大納言一族が死去すると、将軍・足利義政が「阿古姫と婚姻を結び大納言家の財産を受け継いだ者を管領に就かせる」と宣言する。桜丸の陰謀により畠山家を追われた直光は、阿古姫と山中へ逃げ込むが、盗賊・多襄丸に襲われる。賊に自ら抱かれ、総ては直光が原因だと憎悪をぶつけて立ち去る阿古姫に直光は呆然とするが、そんな彼女を追う多襄丸を殺してしまい、心ならずも多襄丸の名を受け継ぐことになる。

Wikiより

とはいえ一切の予備知識なしにこれもJALの国際線で見たので、最初は???だった。この映画がどういうものか?という見るための先入観がないと、なかなか入っていくのが難しい。言い換えれば売るのに苦労する作品だ、これ。よく知らないが絶対に興行成績は良くないはずだ。これ、どんな映画?って先に宣伝するのが難しいもの。これってモダン時代劇みたいなものかあ?、、、なんというか、シェークスピアの舞台劇を見せられているような感じなんだよね。監督がミュージッククリップ出身というのもうなずける。『キャシャーン』の紀里谷和明監督を思わせる感じなんだ。『キャシャーン』ほど、映像ばかりで脚本がまったくないものではないんですが、、、、にしても、ちょっとなんというか何が売りの「コア」なのかが分かりにくい。

とはいえ、最後の桜丸との戦いのシーンの舞台は、まさに舞台といった感じで、どこの様式かさっぱりわからんぞ、これ的なジャパネスク様式は、「そういうもの」と思ってしまうと、むしろかっこよくてとても個人的には良かった。この手の方向は、日本時代劇の復活にとてもいい方向なのでは?と思うくらいに。

ちなみに、これって『藪の中』が下敷きの割には、全然そういう面白さは感じない。演出も脚本も、甘いと思う。『羅生門』とかを見ていないと、なかなか何がいとされているかも、分かりにくいよ。

GOEMON [DVD]

羅生門 [DVD]